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「絽」の着物で涼しげな着こなしを|「絽」を着る場面や「紗」との違い

絽とは

 絽(ろ)とは、「搦み織り」という手法で織られた着物に用いられるレース状の生地です。何段か平織りをした上で、もじり織りをするもので、線状に隙間模様が入り透け感のある涼しげな生地で、気温が高く、湿気が多い夏向けの素材です。

2本の経糸を捩りながら緯糸と織り込んで経糸を捻じった部分に小さな隙間が生まれるため、そこが透けたように見えます。 織り方には、三本絽、五本絽、七本絽などがあり、隙間模様が多く入っている三本絽は主に夏、また三本絽は秋口に着るのが適しています。

また、絽には生糸で織り上げた生絽と染め上げた糸を織る練絽があり、模様が縦に入るものを縦絽、横に入るものを横絽と呼びます。 種類はつづれ織の絽綴、本駒糸で織った駒絽、ちりめんの糸を使用した絽縮緬など、様々なものがあり、夏場の正装として留袖や訪問着、色無地、小紋、付け下げなどとして仕立てられます。

絽の特徴

絽はしなやかで、ひんやりと肌をすべるような感触を味わうことができます。また、実際に身につけると体に沿った美しいシルエットになります。

着物の色にもよりますが、絽の着物は下の長襦袢がやや透けて見えます。このため、絽の下に着る長襦袢は、白無地のものを選ぶのが一般的です。 種類が多いので購入しやすく、自分にあったものを見つけやすいのも特徴です。

絽と紗の違い


出典:写真AC

紗も絽と同じように隙間を作った織物です。「紗が掛かったように」と例えられるように、紗は生地全体に渡って均一なすき間があるので、透け感があって涼し気に見えるので、絽とともに夏に用いられます。

ただし、時期が微妙に異なり、絽よりも透け感が強い紗はさらに涼しげに見えるため、主に盛夏に着用します。長くても梅雨明けの頃から、8月いっぱいというのが一般的なところとなっています。

一方、絽は7月から8月、隙間が少ない絽縮緬や七本絽、九本絽であれば、単衣の時期もあわせ、6月から9月までと紗よりも長い期間着用することができます。 絽も紗も見た目は似ていますが、よく見ると見分けることができます。

絽は平織と綾織部分があるので、全体的に隙間が縞模様のように入りますが、紗は、隙間の網目が細かく全体的に透け感が強いものです。 また、絽より透け感のある紗は糸と糸の間の隙間が多いので友禅模様などの細やかな柄を染め上げるのは難しくなっています。

ちなみに、夏に用いられる生地としては、絽や紗以外にも、羅があります。日本では古くは冠などに用いられていましたが、織り方が複雑で特殊な機織り機を使わなくてはならないので、現在では紗に押され、生産量は減少しています。 

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天然氷のかき氷屋さん7選in東京|作り方や普通の氷との違いも紹介

天然氷とは?普通の氷と何が違う?

 「天然氷」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 夏場も近づくとテレビでかき氷の特集の際にこの言葉がよく使われます。 一体天然氷とは何でしょうか?普通の氷とどの様に違うのでしょうか? 天然氷とは、元々は「自然の場所で採取された氷」を指します。

つまり、湖や池、山などから直接採取したものをそのように言うのです。 しかし、いわゆるかき氷の銘店で使われる「天然氷」はもっと深い意味があります。

それは単純に「天然物」という意味にとどまりません。 素材の品質を最大限に活かすために、様々な工夫をして出荷された職人技の結晶なのです。 

手間暇かけて作りあげる!天然氷の作り方を紹介


出典:写真AC

高い品質を持つと言われる「天然氷」。 それでは具体的にはどのように作られるのでしょうか?

天然氷は、まず透明さが均等で、ムラがない状態が好ましいとされています。 そのためには、低温で少しづつ生成していく必要性があり、最低でも2週間以上の時間がかかります。

急速に機械的に氷結させるのではなく、自然の力を用いて凍らせていくのです。 なので、氷結は原則野外で行われます。

しかし、そのままにしておくと氷の中にチリが入ってしまいます。 なので、常にゴミが入らないように昼夜問わず管理する必要があるのです。

そして、ムラの出来た部分は破棄したり、かき混ぜて均等になるように常に細かな調整をします。 折角氷結したものの大部分を破棄してしまうことも多いとのことです。

また朝夜の気温の変化や雨などによっても影響を受けてしまうので、都度調整します。 緻密な衛生管理の検査なども日々行われます。 そうして綺麗に氷が張ると、かき氷器の規格に格納出来るような綺麗な四角形に切り出し出荷されます。

また切り出し後の温度管理も非常に大事で、これを怠っても上質な天然氷は作ることが出来ません。 昔ながらの氷保管方法で、「氷室(ひむろ)」と言われる場所で寝かしてから出荷します。

氷室は必須の施設ではありませんが、天然氷の貯蔵の為には最も優れた方法と言われており なんと全国に6件しかありません。

その手間と管理の難しさから、天然氷を製造している業者は全国でも10箇所以下となっています。 少数精鋭の業者が、プライドを持って日々職人技を磨きつつ製造しているのですね。

ここは絶対はずせない!超有名店!天然氷のかき氷屋さん①

ひみつ堂


出典:写真AC

それでは、この貴重で上質な天然氷はどこに行けば食べることが出来るのでしょうか? 都内には人気の天然かき氷の食べれる銘店がいくつもあります。

希少性のある天然氷を使うだけあり、どの店もこだわりの銘店です。 都内ということもあり行列は必至ですが、味わうだけの価値はありそうです。

ここでは都内でも最も有名なお店を7つ紹介したいと思います。 それではまず、東京都台東区谷中の「ひみつ堂」をご紹介します。 テレビ等でもおなじみの超有名店です。 また、西日暮里駅から北口から徒歩1分とアクセスも良好。

こちらでは上質な天然氷と厳選された果物が特徴です。 それらを包み込む、甘すぎない蜜も絶品で、常に新メニューを発表し続けています。 氷の味わいを損ねないシンプルな味わいを意味する「純粋氷蜜」をコンセプトとしています。

【住所】東京都台東区谷中3-11-18
【アクセス】JR「日暮里駅」西口から徒歩約4分、東京メトロ千代田線「千駄木駅」2番出口から徒歩約6分。
【営業時間】11:00~20:00(平日)10:00~20:00(休日)
【定休日】月曜日
※10月~5月は曜日により18時閉店で夏季は9時30分開店となっております。また、10月~5月は月曜日と火曜日が定休日となりますのでご注意ください。
ひみつ堂公式サイト:http://himitsudo.com/

国立文楽劇場で伝統芸能を楽しむ|チケット購入方法/歴史/楽しみ方

文楽とは

江戸時代に大阪で生まれた伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」。文楽は、音楽的な曲節をもって劇曲的な内容を物語る「浄瑠璃」と、それを演奏する弦楽器の「三味線」によってストーリーが展開されます。

人形がこの浄瑠璃と三味線に合わせて喜怒哀楽の表現をしますが、この登場人物全ての喜怒哀楽を語り分ける「太夫」と、人形を操る「人形遣い」、人形遣いは、姿を隠すことなく人形を操りますが、1体の人形に対して人形遣いは3人がつきます。

この3人がかりで人形を動かすことを「三人遣い」といい、世界的にも珍しいとされ、2003年にはユネスコの「人類の口省及び無形遺産の傑作」に登録されています。 かつては全国的に上演されていた文楽ですが、浄瑠璃の竹本義太夫と作者の近松門左衛門の協力により、大阪を本場の拠点に置き、現在に至っています。

国立文楽劇場とは


photo by m-louis .®

国立文楽劇場とは、大阪府大阪市中央区にある国立劇場で、文楽をはじめ邦楽・舞踊・民俗芸能・歌舞伎・大衆芸能などの伝統芸能を上演する劇場です。

総座席数753席の大ホールと総座席数159席の小ホールの2つの劇場と展示室があり、大ホールでは、世界無形遺産にも指定された日本独自の伝統芸能・文楽を始め、人形浄瑠璃、演劇や舞踊などが行われ、小ホールでは落語や漫才、浪曲などが行われています。3階には図書閲覧室があり、文楽関係の図書の閲覧が行えます。

【国立文楽劇場友の会】

伝統芸能を愛する方のためにより手軽に主演公演を見て頂けるよう作られているのが、国立文楽劇場友の会です。チケットを一般販売開始より前に申し込むことが出来る他、チケットの割引、チケット無料郵送、提携劇場での優待等さまざまな特典がついています。

入会金:1,030円(税込) 年会費:1,030円(税込)/毎年自動継続

国立文楽劇場の歴史


出典:写真AC

国立文楽劇場の歴史 明治時代に入ると、文明開化の世となり、西洋の演劇が入ってくる中歌舞伎を近代社会にふさわしい内容に改めようと提唱する演劇改良運動が起きました。運動自体は成功したとは言えませんでしたが、刺激を受けて歌舞伎座が開場する等、歌舞伎の新時代が築かれました。

第二次世界大戦後には、文化財保護委員会に芸術施設調査研究協議会が設置され、協議会の答申に基づき国立劇場の計画が具体化します。その後1966年7月に特殊法人国立劇場が設立され、同年11月に国立劇場本店、1979年には国立演芸場が開場、続いて国立能楽堂、大阪の国立文楽劇場、沖縄の国立劇場沖縄が設立されています。

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【2019年度版】奈良の日本酒おすすめ8選|甘口から辛口まで


Photo by Tatsuo Yamashita

奈良県は、東北地方のように全国的に知られている日本酒の生産地ではありませんが、歴史は非常に古く、日本酒発祥の地といわれています。諸説ありますが、米を発酵させた日本酒ができたのは、奈良時代頃といわれています。

今回は、奈良の日本酒についてご紹介します。奈良のおすすめの日本酒も紹介しているので是非、こちらを参考にお気に入りの日本酒を見つけてみてください。

奈良の日本酒とは

奈良は高原の豊かな伏流水や、寒冷地ならではの酒造りに適した気候、澄み切った空気など、質の高い日本酒を作るのに向いている地域です。今でも、数多くの奈良の日本酒が多くのファンを魅了しています。

 奈良の日本酒はなぜできたのか


出典:写真AC

たまたま米が水に濡れたことにより糖化作用が発見され、これを利用して米を発酵させて日本酒が醸造されるようになりました。中世になると、寺院で酒造りが行われるようになり、僧房酒と呼ばれる奈良の地酒が多く作られるようになったのです。

中でも、奈良の正暦寺の「菩提もと仕込み」による酒は非常に上質であるばかりか、現代でも酒造りの基本となっている諸白作りや火入れ殺菌法まで開発されていました。当時は奈良酒は高級酒の代名詞でもあったのです。

奈良の日本酒おすすめ8選

では、早速、日本酒発祥の地である奈良の日本酒がどのようなものがあるのか見ていきましょう。定番の銘柄からこだわりの地酒までおすすめの奈良の日本酒を8選にしてご紹介します。

自分用にはもちろん、お土産や贈り物にもぴったりな日本酒が多くあるので、是非、こちらを参考にお気に入りの一本を見つけてみてください。

奈良県のおすすめ日本酒その1【春鹿】

超辛口の味わいが人気の一本


出典:写真AC

奈良県でおすすめ日本酒はいくつかありますが、今西清兵衛商店の「春鹿」は、シャープな味わいの超辛口が人気の日本酒です。

奈良には様々な甘口、辛口のお酒がありますが、春鹿は辛口を中心としており、雑味がなく、すっきりとした味わいながら、うまみやまろやかさで辛さを和らげています。

銘柄名は春日の大社と神の使いである鹿からつけられており、その名にふさわしく、凛とした切れ味が淡白な魚介類にもぴったりです。原料の米をしっかり磨き、菩提もと仕込みで丁寧に作り出した繊細な味わいは、海外でも高く評価されています。

種類 純米
アルコール分 15%
原料米 五百万石
精米歩合 60%
日本酒度 +12

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奈良県のおすすめ日本酒その2【風の森】

まるでスパークリングワインのようなお酒


出典:写真AC

油長酒造株式会社の「風の森」は、発酵時の炭酸ガスやフルーティーな香りが、日本酒とは思えない飲み口の良さです。スパークリングタイプの日本酒はお酒本来の辛さやアルコールの強さを感じにくいため、あっさりした味わいの料理に合わせたときや日本酒が苦手な人にも飲みやすいです。

奈良で始まった火入れによる加熱殺菌は伝統的な日本酒の製法として知られていますが、風の森はしぼったままの生酒を一年間通して販売しており、自然な発泡や濃厚な甘みを重視しています。口に含んだときにはボリュームのある香りや味わいが強く感じられ、喉を通るときにはシャープな味わいですっきりとまとめます。

生酒の安全管理は火入れをした日本酒よりも大変ですが、古くから日本酒を製造していた奈良のノウハウを活かし、タンクメーカーとの共同開発を行い、リスクを最低限に抑えています。発泡がある時とない時で味わいが異なる点も特徴的です。

種類 純米
アルコール分 17%
原料米 秋津穂
精米歩合 65%
日本酒度 +2.5

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奈良県のおすすめ日本酒その3【花巴正宗】

優しい味わいとキレが楽しめる欲張りな一本


Photo by Jun OHWADA

美吉野醸造の「花巴正宗(はなともえまさむね)」は、奈良の日本酒の中でも、年間を通して美味しく飲める定番のお酒です。酒質に合わせて米を選択し、大峰山系の伏流水の井戸水を使って仕込みを行っています。

酵母を添加しているもの、無添加のものをブレンドしたことにより、熟成間のある優しい味わいやフルーティーな喉越しを味わえます。それでいて、キレの良い酸味が日本酒全体をまとめていますので、日本酒に料理が負けるようなこともありません。

冷酒で飲んでも、熱燗にしても美味しく飲めるお酒です。米の旨みと醸造による酸の強さのバランスを追求した日本酒となっています。

種類 純米
アルコール分 16%
原料米 吟のさと・日本晴
精米歩合 70%
日本酒度 +4

奈良県のおすすめ日本酒その4【八咫烏】

数量限定!幻の米からできているお酒


出典:写真AC

奈良酒の中でも評価の高い「八咫烏(やたがらす)」はいくつかバリエーションがありますが、ササニシキやコシヒカリの2代前にあたる亀の尾という幻の米を使ったシリーズは、独特の甘さと爽やかな辛口のバランスが良く、数量限定発売ということもあって常に品薄の状態です。

また、山田錦を半分以下にまで磨いたやたがらすは、全国新酒鑑評会用に出品されたほど高品質な大吟醸です。米本来の味がはっきりしているまろやかな味わいで、喉越しが良く、飲みやすいです。

種類 大吟醸
アルコール分 16%
原料米 山田錦
精米歩合 50%
日本酒度 +4

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赤膚焼と奈良絵|歴史や魅力、絵付け体験ができるスポットも紹介

赤膚焼とは

赤膚焼(あかはだやき)は、奈良県奈良市や大和郡山市で生産されている陶器です。その名の通り、赤みを帯びた肌色をしており、乳白色の萩釉を掛けた上に奈良絵と呼ばれる絵付けを施しています。この見た目から赤膚焼という名がついたという説と、赤膚という地域で生産されていることが名前の由来になっているという説があります。

裏には「赤膚山」という刻印のほかに、作家や窯元の印がついているものもあります。赤膚焼は素朴な風合いが特徴で、普段使いに最適な食器や花器類が多く見られます。現在は伝統工芸として6つの窯がありますが、中には江戸時代から続くところも存在します。中の窯と呼ばれていた大型登り窯は、登録有形文化財にも登録されています。

赤膚焼の歴史


出典:赤膚焼窯元大塩昭山

赤膚焼の歴史は古く、桃山時代には、この地域の城主であった豊臣秀長が赤膚山に開窯したと伝えられています。江戸時代後期になると、当時の藩主の保護を受けたことにより、数々の素晴らしい作品が生み出されました。幕末には名工と呼ばれた奥田木白が新たな技術を加え、広く知られる窯の1つにまでなりました。

江戸時代中期の茶人である小堀遠州が好んでいた遠州七窯の1つにも数えられています。長らく多くの人に愛されてきた赤膚焼ですが、第一次世界大戦後は不況によって、五条山に3つあった窯は1つを残すのみとなり、現在の窯の多くは昭和に入ってから作られています。

しかし、赤膚焼の伝統的な工法や絵付けなどは当時の特徴を未だ色濃く受け継いでおり、飽きのこない陶器として多くの人に愛されているのです。

赤膚焼に描かれる奈良絵の魅力


出典:赤膚焼窯元大塩昭山

赤膚焼に施されている奈良絵というのは、御伽草子などを題材とした庶民的な絵柄です。画家の作品のような精巧で洗練された絵柄ではなく、親しみやすい素朴な構図が赤膚焼の特徴にも良く似合います。

また、奈良絵が描かれた赤膚焼は茶人の間で親しまれていました。奈良絵は、かつて因果経の教えを絵で説明しようとしたのがはじまりと言われています。その後赤膚焼に合うよう図案化されました。

元々、奈良絵を赤膚焼に用いたのは、幕末の名工、奥田木白と言われていますが、乳白色の表面に繊細な線と鮮やかな色合いで描かれたデザインは、今も昔も多くの人の心を掴んでいます。まるで絵巻物を眺めているかのような図案は、大人から子供まで親しみを感じさせます。

三笠山や鹿といった奈良を連想させるモチーフが多く、同じ色合いの線を描いてから絵筆を持ち替えるといった描き方です。近年では、奈良絵を赤膚焼だけでなく、土産物などにも用いるほど親しまれています。

吉祥文様の種類8選|様々な願い思いが込められた文様の数々

吉祥文様とは?


出典:写真AC

 日本では古くから、着物や工芸品に様々な文様があしらわれてきました。吉祥文様は、その中でもとりわけ縁起が良いものとされています。 文様ははじめ大陸から伝わってきたため、その図案も龍や鳳凰、松竹梅、四君子といった中国の文化を色濃く残していました。

しかし、平安時代になると遣唐使が廃止され、それにつれて、橘(たちばな)や藤、扇(おうぎ)、熨斗(のし)などの日本らしい図案が、貴族の間で有職文様として定着します。

やがて鎌倉時代になると武家に、江戸時代になると庶民にも多く用いられるようになり、様々な図柄が発案されていきました。 その中で吉祥文様は、繁栄や長寿を表すものとして、様々なお祝い事の品物や日用品に広まっていったのです。

吉祥文様の種類①「麻の葉文様」


出典:写真AC

正六角形の内側に、6つの菱形(ひしがた)が放射状に広がる幾何学的な模様です。見た目が麻の葉に似ていることから名づけられました。 麻は成長が早く、繊維が通気性に優れ、江戸時代以前は衣類として最も広く使用されていた素材です。他にも食用にできるなど、人々の生活にはとても密着した植物でした。

神事では、お祓いに用いられる大幣(おおぬさ)にも用いられています。 その影響もあり、麻の葉文様は魔除けの吉祥文様として、平安時代には仏像の装飾に、鎌倉時代から室町時代にかけては繍仏に多く見られるようになります。

さらに江戸時代には、歌舞伎役者の岩井半四郎が八百屋お七役、嵐璃寛がお染役で麻の葉文様をあしらった衣装を着用していました。以来、町娘役には定番の文様となって、若い女性たちの間でも大流行しました。

また、麻は虫もつかず強くまっすぐ育つことから、赤ん坊の成長を願って産着にも多く用いられました。 現在でも、着物や帯、襦袢をはじめ、工芸品や建具にまで広く見られる吉祥文様です。

吉祥文様の種類②「紗綾形」


出典:写真AC

「卍」を菱形にゆがめ、文字同士を迷路のように繋いだものが吉祥文様です。万字繋ぎ一種で、「菱万字」ともいいます。 インドでは卍の形は太陽をあらわしたものともいわれ、古くからヒンドゥー教や仏教で用いられてきました。 日本では名物裂に多くあることから、明の頃に伝わったと考えられています。

安土桃山時代には、染織品として広く用いられるようになりました。 卍の字がどこまでも途切れずつながっていることから、家の繁栄や長寿を願う不断長久の吉祥文様として扱われています。 紗綾というのは、江戸時代の前後に中国から輸入していた四枚綾の絹織物のことです。その文様に多く用いられていたため、この名がつきました。

光の具合や見る角度によって陰影が変わるのが特徴で、江戸時代には紗綾形に菊や蘭をあしらった「本紋」の綸子もさかんに作られるようになります。

唐紙や神社などにも見られ、黄檗山万福寺の各所に施された「くずし卍」の装飾は有名です。現代では、時代劇や演芸番組のふすまなどでもおなじみです。 

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吉祥文様の種類③「入子菱」


出典:写真AC

入子とは、箱や器の中に同じ形の小さな箱や器が何重にも入っているもののことをいいます。入子菱はそのように、菱形が二重三重になっている吉祥文様です。 菱形の模様自体は、日本でもすでに縄文土器に見られるほど古いものです。 その形が、水草の菱の実に似ていることから名づけられました。

菱の繁殖力はとても強いため、子孫繁栄や五穀豊穣の願いを込めた吉祥文様として扱われるようになります。 奈良時代には正倉院の染織品にも多く見られ、平安時代になると貴族の有職文様として定着していきました。直線のみで描きやすかったことも、広く普及した理由の1つと考えられています。

そこから発展した図案も数多くあり、入子菱もその1つです。江戸時代の初期には、能装束の唐織りなどにかなり精緻な入子菱が現れました。 季節に関係なく着やすいこともあって、現代でも着物や帯などに多用されています。

吉祥文様の種類④「青海波」


出典:写真AC

青海波は、扇型を交互に重ねて波を表した模様になっています。 どこまでもいつまでも、穏やかに波が続いていることから、未来永劫の平安を祈る吉祥文様として扱われています。

その歴史は古く、埴輪の衣装などにも見ることができます。もともとは古代ペルシャで用いられていたものが、シルクロードを経て飛鳥時代に日本に伝わったと考えられています。

青海波というのは、雅楽の舞曲の題名です。源氏物語の作中では、主人公が舞うことでもよく知られています。その舞人がこの文様をほどこした下襲を着用していたため、こう呼ばれるようになったといわれています。

ただし、その文様が現在の青海波と同じものだったかはよく分かっていません。 実際に波の文様として用いられたことがあきらかなものとなると、鎌倉時代の古瀬戸瓶子という焼き物が最も古いものです。

江戸時代の元禄年間には、勘七という塗師が「青海勘七」と呼ばれるほど得意としたため、吉祥文様として広く流行するようになりました。 着物以外にも陶器や手ぬぐいなどの日用品にも多く見られ、地域によっては厄除けの吉祥模様として使われています。

吉祥文様の種類⑤「亀甲」


出典:写真AC

「鶴は千年亀は万年」というように、亀は古くから長寿の象徴として扱われています。その甲羅を図案化し、六角形を敷き詰めた模様にしたものが亀甲です。 西アジアではすでに紀元前からレリーフとして用いられ、日本でも正倉院の宝物裂のなかにその文様が見られます。

平安時代には有職文様として、貴族の間で定着しました。 亀甲には、基本となる亀甲つなぎ以外にも、その中に花びらをあしらった「亀甲花菱」や、亀甲を3つ合わせて「Y」の形にした「毘沙門亀甲」など、様々な種類があります。

毘沙門亀甲は、仏法を守護する四天王である毘沙門天の装束や甲冑などに用いられ、そのありがたみをより増しています。 家紋や紋章にも多く、出雲大社の亀甲花菱はことに有名です。 他にも、小紋や能装束、織部陶器などにも用いられ、現代では帯や帯締めなどによく見ることができる吉祥文様です。 

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長野県の日本酒おすすめ8選|味わい・飲みやすさ・特徴をチェック

米どころでもある長野県は酒造数全国2位を誇り、美山錦を用いた美味しい日本酒の宝庫です。今回は多くある日本酒の中でもおすすめの長野県のおすすめの日本酒を8つ紹介します。

酒造数全国2位を誇る長野の日本酒とは

長野県は創業300年を超える老舗の蔵元も数多くあり、酒造の数は全国2位の規模を誇ります。長野は生産している日本酒の量はそれほど多くはないものの、小規模な酒蔵が丁寧に少量の上質な日本酒を作り出しているケースが多く、希少価値が高いものがそろっています。

そのため、長野に限らず、国内外の日本酒通から高く評価されているものもたくさんあります。長野の日本酒の特徴は、良質な水と清浄な空気、十分な日照で作られた地元産の米を使っているところです。長野産の酒米は大粒で中心部が大きく、日本酒造りに適したものとなっています。

また、長野は夏は湿度が低く涼しい上、冬は空気が澄み渡り、厳しい寒さを迎えます。そして、飛騨山脈や木曽山脈、赤石山脈などの清冽な湧き水は酒造りには欠かせません。

長野ではこのような豊かな環境に恵まれている酒蔵で、丁寧な手作業によってゆっくり時間をかけ、完成度の高い日本酒を生み出しているのです。また、全国的には酒米は山田錦が主流ですが長野では地元の美山錦を用いていますので、味わいが独特です

長野県のおすすめ日本酒その1「大信州」


photo by Spiegel

長野県にはおすすめ日本酒が多数ありますが、大信州酒造株式会社の「大信州」は、蒸米にこだわって丁寧に手作りをしているお酒です。北アルプスに囲まれた長野県松山市にある酒蔵では、金紋錦と北アルプスの天然水を用いて、無濾過・冷蔵瓶貯蔵による丁寧な醸造をしています。

地元の農家と契約栽培をした酒米を自社で精米し、手作りにこだわって作られています。口当たりは柔らかくフルーティーで、バランスの良いうまみと香りが特徴的です。後味はドライでキレが良く、食事にもあわせやすい日本酒です。

長野県のおすすめ日本酒その2「信州亀齢」


出典:写真AC

岡崎酒造の「信州亀齢」は、長野でも有数の老舗の酒蔵で作られた日本酒です。信州亀齢はいくつかのバリエーションがあり、それぞれに酒米や製造法を変更しているため、飲み比べをするのも楽しいシリーズです。

基本的には、突然変異によって育成された、比較的新しい酒米の美山錦を用いているため、すっきりとした軽い口当たりです。

また、長野のひとごこち米は、日本酒に適した酒米であり、これを使用すると淡麗で奥行きのある味わいになります。地元長野の米をメインで使いつつ、一部の日本酒には定番の山田錦を使い、飲みやすさもプラスしています。

長野県のおすすめ日本酒その3「真澄」

宮坂醸造の「真澄」は、長野でも古く、350年以上昔に創業している酒蔵の日本酒で、諏訪大社の宝物「真澄の鏡」からとった銘柄の通り、すっきりとした味わいとさわやかな酸味、柔らかな口当たりが特徴的です。

真澄には全国の酒蔵で使われている七号酵母が使われていますが、この酵母はもともと、長野県のこちらの酒蔵のものであり、「真澄酵母」と呼ばれていたものです。シリーズの中でも人気が高い真澄 純米吟醸 辛口生一本は、インターナショナル・ワイン・チャレンジ2015で銀メダルを受賞しています。

長野県のおすすめ日本酒その4「ソガ・ペール・エ・フィス NUMERO SIX」

小布施ワイナリーで作られている「ソガ・ペール・エ・フィス NUMERO SIX」は、ワイナリーが閑散期にごく少量だけ作り出す、珍しいタイプの日本酒です。

製造されている期間が短いこともあり、かなり希少価値が高い日本酒ですが、決して片手間に作っているわけではなく、伝統的な製法を大切にしながら、様々な酵母を使って幅広い味わいを提供しています。中には、70年ぶりに復刻させた希少な酵母を用いて作られたものもあり、毎回発売と同時に品薄になる人気ぶりです。

長野産の美山錦と自社栽培の美山錦を用い、とろみのある旨みや芳醇な甘み、すっきりとした喉ごしなど、ワインのような上質な味わいを楽しめます。

長野県のおすすめ日本酒その5「明鏡止水」

大澤酒造の「明鏡止水」は、長野の自然を活かし、高品質な美山錦等の酒米と良質な水を使って作られている日本酒です。明鏡は綺麗に磨かれている鏡、止水は静止している水を差しています。

つまり、曇りのない鏡や物事に動じない心を指しているといわれていますが、このようなイメージで職人さんが製造しているこちらの日本酒は、くせがなく、すっきりと爽やかな飲みごこちです。

幅広い人に受け入れられるように作られたフレッシュさや爽やかさを感じさせるシリーズもありますが、旨みがたっぷりの薄にごり生酒や華やかな味わいの生酒も作られています。

甘酒の効果や効能|美肌効果やダイエットにも最適な甘酒

甘酒とは

 甘酒は古くから日本に伝わる飲み物で、すでに『日本書紀』の中にもそれらしき記述が見られます。 「お酒」という名前がついていますが、アルコールはほとんど含まれていません。見た目は濁酒(どぶろく)のように白く濁り、「甘粥」などともいわれます。 もともとは神事の際に用いていました。

現在でも、初詣で参拝客に甘酒が振る舞われる光景はよく目にします。地域によっては、いまだに収穫のお祝いで甘酒を造ったり供えたりする風習が残っています。最近は、ひな祭りの白酒の代用品としても一般的になりました。 甘酒には、原料の違いによって大きく2つの種類があります。

1つは、米から造る「米麹甘酒」。そしてもう1つは、酒粕から造る「酒粕甘酒」です。この2つを混ぜ合わせた甘酒もあります。 現在では、缶入りや瓶入り、あるいは粉末、フリーズドライ、さらに甘酒ヨーグルトといった様々な形で製品が販売されています。 古くから変わらず、日本人にとってなじみ深い飲み物といえるでしょう。

甘酒に含まれる栄養素と効果


出典:写真AC

甘酒は「飲む点滴」といわれるように、その成分は栄養剤とよく似通っています。 中でも、米麹甘酒には豊富なブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は体内で吸収しやすく、すぐにエネルギーに変換されやすい性質があります。

さらに、甘酒には糖を代謝するために必要な、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、といったビタミンB群も多く含まれています。 糖分たっぷりでもほとんどがエネルギーとして消費され、脂肪として溜まる心配もありません。

また、ブドウ糖は脳が活動するのに必要な唯一のエネルギー源です。集中力や思考力を高めるうえでも役立つでしょう。 ビタミンB群には、ほかにも血行をよくする作用があります。皮膚までしっかり栄養素を送り届け、老廃物を排出して、女性にとって大敵の肌荒れやシミを改善する美肌効果も期待できます。

さらに、麹にふくまれるコウジ酸やアミノ酸の一種であるシステインには、メラニンの発生を抑える美白効果もあるとされています。麹にふくまれる酵素には抗酸化作用もあるので、肌のサビつきを防ぐアンチエイジング効果も期待できるでしょう。

また、甘酒には食物繊維も多く、善玉菌のエサとなるオリゴ糖もふくまれているので、腸内環境を整える効果もあります。 他にも、リラックス効果のあるGABAやパントテン酸など、健康から美容まで幅広い効果を持った栄養素が甘酒には含まれているのです。

米麹の甘酒の効果


出典:写真AC

今では、すっかりお正月やひな祭りに飲むイメージがついた甘酒。 しかし、江戸時代には夏の暑い日に甘酒を売り歩く行商が名物となっていました。夏の季語として、多くの俳句にも詠まれています。 米麹から造られた甘酒は、このようにかつては夏バテ対策の飲み物として親しまれていました。 その理由は、米麹甘酒の甘味のもとであるブドウ糖にあります。

米麹に含まれる酵素は、米のデンプンを分解してブドウ糖にします。もともと分解されているため吸収も良く、さらにビタミンB群が糖の代謝を助けてくれます。 消化にも優しく、まさに疲労回復にはもってこいの飲み物だといえます。

また、血糖値が上昇しやすいので、少し飲むだけでも空腹感を抑えられるのが特徴です。これを活かし、現代人にとってはダイエット効果も期待できるでしょう。

イライラを抑えるGABAも含まれているので、より空腹を我慢しやすいといわれています。 血糖値が気になる人は、上昇が穏やかな玄米の米麹甘酒もおすすめです。 他にも、米麹に含まれるコウジ酸やビタミンB2には、肌に潤いやハリをもたらす美容効果もあります。

酒粕の甘酒の効果


出典:写真AC

酒粕から造られる甘酒には、タンパク質やビタミンB2、B6などが多く含まれています。 中でも、レジスタントプロテインというタンパク質は体内で分解されにくく、そのまま油分と共に体外へ排出される性質があります。そのため、コレステロールを下げる効果があるといわれています。

また、便に油分が含まれることで柔らかくなり、お通じを良くする効果もあるとされています。 食物繊維も米麹甘酒より多いので、腸内環境を整えるにはより向いている甘酒です。

また、酒粕甘酒にはビタミンB2、B6以外にも、8種類のビタミンB群がすべて含まれています。その働きによって肌のターンオーバーを正常化、肌荒れやくすみなど様々なトラブルを改善する効果もあります。 さらに、酒粕甘酒には麹菌や酵母菌の作り出す酵素が数千種もあるとされています。

これらの酵素が栄養素の消化吸収を助け、新陳代謝を高めて、免疫力アップやデトックス効果などももたらしてくれます。 このように、酒粕から造られた甘酒にもやはり、健康から美容まで幅広い効果が数多く秘められているのです。 

酒麹の甘酒は妊婦や子供には良くない?

現在市販されている甘酒は、基本的にアルコール度数が1%未満のため酒類としては扱われていません。 そのため、未成年でも安心して飲むことができます。 ただし、アルコールがまったくゼロではないことに注意してください。

特に、酒粕はもともと8%程度のアルコール分が残っていて、製造過程でもさらにアルコールが作られます。 甘酒を飲んだだけで酒気帯び運転で警察に捕まった、というニュースもあるほどです。

お酒に弱い人や、特に子供や妊婦はあまり多く飲まないに越したことはないでしょう。 また、酒粕甘酒には甘さを加えるため砂糖を用いることがあります。カロリーを気にする人や0歳児などは気をつけましょう。 

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組子細工とは?|職人の技が光る伝統工芸品「組子細工」の美しさ

組子細工とは

 規則正しく並ぶ姿はシンプルなデザインでありながら、作り込みは非常に複雑な姿をしています。その凛とした姿から見るものを感動させてくれる「組子細工」(くみこざいく)という工芸品があります。おそらく一度はお寺や神社などで目にしたことがあるはずです。

「組子」とは本来は建具を作る上で必要となる、細かい部材のことを表しています。1700年代に生み出された「組子細工」は、細い板3本で正三角形を正確に組み合わせて作り出す「三組手」といわれる技術が発展したものだといわれています。

また「組子細工」は島根県で多く作られているため、島根県ふるさと伝統工芸品として認定されています。 近代日本における曼荼羅と言われている「組子細工」ですが、飛鳥時代の建築物として歴史的にも有名な法隆寺の金堂・五重塔・中門などの高欄に施されているのが最も古い「組子細工」となります。

室町時代になると障子などにも「組子細工」が施され、さらには欄間や建具、桟など多くの場所でその技術が見られるようになりました。現在では「組子細工」の模様や組み方は200通りを超えると言われており、江戸時代までのシンプルなデザインからは飛躍的に進歩しています。

「組子細工」が表現している世界観は日本の季節を鮮やかに演出してくれていて、その「組子細工」が作り出す光と影の空間は、日本建築の装飾において非常に重要な役割を果たすものとなっています。

組子細工のしくみ


photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋

「組子細工」では釘などを使うことはありません。数ミリからなる細い板に「ほぞ」や「切り込み」を入れたものを丁寧に手作業で組合せることで、あの正確で規則正しい模様を生み出していきます。さらに板の太さを調整したり、板に穴や溝などで加工を加えることでさまざまな模様を表現しています。

「組子細工」の原材料となる木材は主にヒノキや杉などを利用します。木材の特性に合わせて組み込む必要があるため、扱う木材の性質を熟知していることが重要です。

また、コンマ数ミリの差が生まれるだけで、木を組み合わせることが出来なくなるため、職人としての技術力はもとより品質の良い木材を選別できる眼も兼ね備えている必要があります

組子細工のデザイン(柄)

その模様と組み方で200通り以上のデザインを持つ「組子細工」ですが、大きく分けると主なデザインは2種類に区分することができます。

まずは、「菱組子」と呼ばれる菱を基本とした模様で、このデザインは「組子細工」の基本ともいえる模様です。もう1つは「格子組子」と呼ばれている縦と横に網目状に木材を組み合わせる水平と垂直を基本にした「組子細工」です。

これらの組み方を基本としながら、隙間部分などに装飾された木片などをはめ込むことで様々なデザインが生み出されます。 「組子細工」を施す場合には、作り上げる模様により木材や道具を変える必要があり、全ての模様に長ける職人になるには長い修行と経験が必要となります。 

長瀞(ながとろ)のかき氷おすすめ6選|アクセス・営業時間


出典:フォト蔵

埼玉県の長瀞(ながとろ)は、日本でも有数の寒冷地であり、名水が湧き出ることでよく知られています。また、寒冷地ならではの名水が自然に凍った天然の氷を多く有しており、これを利用したかき氷専門店がいくつも軒を連ねています。

天然氷を使ったかき氷は、一般的な店で販売されているものとは全く異なり、一度食べてみる価値があります。口当たりが滑らかで口どけもよく、一度に食べても頭やこめかみが痛くならないという特徴があります。

長瀞のかき氷は全国的にもよく知られており、東京からも近い立地ということで、夏場には2時間以上並ぶ行列になることもある人気ぶりです。天然の氷は冷凍庫で保管されており、年中おいしいかき氷が楽しめます。

長瀞のおすすめかき氷店その1【阿左美冷蔵 金崎本店】


photo by Manabu Itoh

長瀞には、いくつもおすすめのかき氷店があります。長瀞にあるかき氷店中でも、130年以上も続く天然氷の製氷業者である阿左美冷蔵 金崎本店は、テレビや雑誌で取り上げられたこともあって、全国からかき氷目当てに訪れる人が行列をなしています。

木曜日は定休日ですが、基本的に一年中営業しており、10:00~16:30と営業時間も長めです。アクセスは秩父鉄道上長瀞駅から徒歩3分程度、駐車場も完備されています。

天然氷に天然素材、無添加のシロップをかけて食べるため、余計な雑味がなく、自然の美味しさをそのまま味わえます。本店限定のメニューや期間限定の季節メニューなどもありますので、何度も通いたくなります

阿左美冷蔵 金崎本店

営業時間:10:00~16:30
定休日    :木曜日
アクセス:秩父鉄道上長瀞駅から徒歩3分
予算  :800~1500円

長瀞のおすすめかき氷店その2【阿佐美冷蔵 寶登山道店】


photo by emi moriya

阿左美冷蔵 寶登山道店は、長瀞でも老舗のかき氷店の支店にあたります。こちらの店舗は秩父にある本店とは別に、長瀞町の寶登山神社の山道に支店を設けており、こちらでしか食べられないメニューもあります。

どちらも夏場は2~3時間待ちの大行列になりますが、こちらの方が若干待ち時間が短いことが多いです。本店と同じように原則天然氷を使ったかき氷に無添加のシロップをかけて食べますが、氷が不足しているときには工場で作った純氷を使用することもあります。

アクセスは秩父鉄道長瀞駅から徒歩3分、無料駐車場が併設されています。こちらは火曜日定休で10:00~17:00の営業です。

阿佐美冷蔵 寶登山道店

営業時間:10:00~17:00
定休日 :火曜日
アクセス:秩父鉄道長瀞駅より徒歩3分
予算  :800~1500円

長瀞のおすすめかき氷店その3【やました】


photo by whity

長瀞町にある寶登山神社(ほどさんじんじゃ)への参道沿いに佇むギャラリー喫茶やましたは、シックな店内に雰囲気の良い陶芸がたくさん飾られており、落ち着いてくつろげる店舗です。看板メニューの焼きプリンやわらびもち、窯焼きピザなどのほか、阿左美冷蔵から仕入れた天然氷を使ったかき氷も扱っています。

定番のイチゴや宇治金時だけでなく、キャラメル味やラフランス味など、こちらでしか味わえないものもあります。アクセスは秩父鉄道長瀞駅から徒歩7分程度、駐車場も用意されています。定休日は不定休,10:00~18:00の営業です。

やました

営業時間:10:00~18:00(不定休)
アクセス:秩父鉄道長瀞駅より徒歩7分
予算  :600~1000円

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