米どころでもある長野県は酒造数全国2位を誇り、美山錦を用いた美味しい日本酒の宝庫です。今回は多くある日本酒の中でもおすすめの長野県のおすすめの日本酒を8つ紹介します。
酒造数全国2位を誇る長野の日本酒とは
長野県は創業300年を超える老舗の蔵元も数多くあり、酒造の数は全国2位の規模を誇ります。長野は生産している日本酒の量はそれほど多くはないものの、小規模な酒蔵が丁寧に少量の上質な日本酒を作り出しているケースが多く、希少価値が高いものがそろっています。
そのため、長野に限らず、国内外の日本酒通から高く評価されているものもたくさんあります。長野の日本酒の特徴は、良質な水と清浄な空気、十分な日照で作られた地元産の米を使っているところです。長野産の酒米は大粒で中心部が大きく、日本酒造りに適したものとなっています。
また、長野は夏は湿度が低く涼しい上、冬は空気が澄み渡り、厳しい寒さを迎えます。そして、飛騨山脈や木曽山脈、赤石山脈などの清冽な湧き水は酒造りには欠かせません。
長野ではこのような豊かな環境に恵まれている酒蔵で、丁寧な手作業によってゆっくり時間をかけ、完成度の高い日本酒を生み出しているのです。また、全国的には酒米は山田錦が主流ですが長野では地元の美山錦を用いていますので、味わいが独特です。
長野県のおすすめ日本酒その1「大信州」
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長野県にはおすすめ日本酒が多数ありますが、大信州酒造株式会社の「大信州」は、蒸米にこだわって丁寧に手作りをしているお酒です。北アルプスに囲まれた長野県松山市にある酒蔵では、金紋錦と北アルプスの天然水を用いて、無濾過・冷蔵瓶貯蔵による丁寧な醸造をしています。
地元の農家と契約栽培をした酒米を自社で精米し、手作りにこだわって作られています。口当たりは柔らかくフルーティーで、バランスの良いうまみと香りが特徴的です。後味はドライでキレが良く、食事にもあわせやすい日本酒です。
長野県のおすすめ日本酒その2「信州亀齢」
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岡崎酒造の「信州亀齢」は、長野でも有数の老舗の酒蔵で作られた日本酒です。信州亀齢はいくつかのバリエーションがあり、それぞれに酒米や製造法を変更しているため、飲み比べをするのも楽しいシリーズです。
基本的には、突然変異によって育成された、比較的新しい酒米の美山錦を用いているため、すっきりとした軽い口当たりです。
また、長野のひとごこち米は、日本酒に適した酒米であり、これを使用すると淡麗で奥行きのある味わいになります。地元長野の米をメインで使いつつ、一部の日本酒には定番の山田錦を使い、飲みやすさもプラスしています。
長野県のおすすめ日本酒その3「真澄」
宮坂醸造の「真澄」は、長野でも古く、350年以上昔に創業している酒蔵の日本酒で、諏訪大社の宝物「真澄の鏡」からとった銘柄の通り、すっきりとした味わいとさわやかな酸味、柔らかな口当たりが特徴的です。
真澄には全国の酒蔵で使われている七号酵母が使われていますが、この酵母はもともと、長野県のこちらの酒蔵のものであり、「真澄酵母」と呼ばれていたものです。シリーズの中でも人気が高い真澄 純米吟醸 辛口生一本は、インターナショナル・ワイン・チャレンジ2015で銀メダルを受賞しています。
長野県のおすすめ日本酒その4「ソガ・ペール・エ・フィス NUMERO SIX」
小布施ワイナリーで作られている「ソガ・ペール・エ・フィス NUMERO SIX」は、ワイナリーが閑散期にごく少量だけ作り出す、珍しいタイプの日本酒です。
製造されている期間が短いこともあり、かなり希少価値が高い日本酒ですが、決して片手間に作っているわけではなく、伝統的な製法を大切にしながら、様々な酵母を使って幅広い味わいを提供しています。中には、70年ぶりに復刻させた希少な酵母を用いて作られたものもあり、毎回発売と同時に品薄になる人気ぶりです。
長野産の美山錦と自社栽培の美山錦を用い、とろみのある旨みや芳醇な甘み、すっきりとした喉ごしなど、ワインのような上質な味わいを楽しめます。
長野県のおすすめ日本酒その5「明鏡止水」
大澤酒造の「明鏡止水」は、長野の自然を活かし、高品質な美山錦等の酒米と良質な水を使って作られている日本酒です。明鏡は綺麗に磨かれている鏡、止水は静止している水を差しています。
つまり、曇りのない鏡や物事に動じない心を指しているといわれていますが、このようなイメージで職人さんが製造しているこちらの日本酒は、くせがなく、すっきりと爽やかな飲みごこちです。
幅広い人に受け入れられるように作られたフレッシュさや爽やかさを感じさせるシリーズもありますが、旨みがたっぷりの薄にごり生酒や華やかな味わいの生酒も作られています。