甘酒の効果や効能|美肌効果やダイエットにも最適な甘酒

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甘酒とは

 甘酒は古くから日本に伝わる飲み物で、すでに『日本書紀』の中にもそれらしき記述が見られます。 「お酒」という名前がついていますが、アルコールはほとんど含まれていません。見た目は濁酒(どぶろく)のように白く濁り、「甘粥」などともいわれます。 もともとは神事の際に用いていました。

現在でも、初詣で参拝客に甘酒が振る舞われる光景はよく目にします。地域によっては、いまだに収穫のお祝いで甘酒を造ったり供えたりする風習が残っています。最近は、ひな祭りの白酒の代用品としても一般的になりました。 甘酒には、原料の違いによって大きく2つの種類があります。

1つは、米から造る「米麹甘酒」。そしてもう1つは、酒粕から造る「酒粕甘酒」です。この2つを混ぜ合わせた甘酒もあります。 現在では、缶入りや瓶入り、あるいは粉末、フリーズドライ、さらに甘酒ヨーグルトといった様々な形で製品が販売されています。 古くから変わらず、日本人にとってなじみ深い飲み物といえるでしょう。

甘酒に含まれる栄養素と効果


出典:写真AC

甘酒は「飲む点滴」といわれるように、その成分は栄養剤とよく似通っています。 中でも、米麹甘酒には豊富なブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は体内で吸収しやすく、すぐにエネルギーに変換されやすい性質があります。

さらに、甘酒には糖を代謝するために必要な、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、といったビタミンB群も多く含まれています。 糖分たっぷりでもほとんどがエネルギーとして消費され、脂肪として溜まる心配もありません。

また、ブドウ糖は脳が活動するのに必要な唯一のエネルギー源です。集中力や思考力を高めるうえでも役立つでしょう。 ビタミンB群には、ほかにも血行をよくする作用があります。皮膚までしっかり栄養素を送り届け、老廃物を排出して、女性にとって大敵の肌荒れやシミを改善する美肌効果も期待できます。

さらに、麹にふくまれるコウジ酸やアミノ酸の一種であるシステインには、メラニンの発生を抑える美白効果もあるとされています。麹にふくまれる酵素には抗酸化作用もあるので、肌のサビつきを防ぐアンチエイジング効果も期待できるでしょう。

また、甘酒には食物繊維も多く、善玉菌のエサとなるオリゴ糖もふくまれているので、腸内環境を整える効果もあります。 他にも、リラックス効果のあるGABAやパントテン酸など、健康から美容まで幅広い効果を持った栄養素が甘酒には含まれているのです。

米麹の甘酒の効果


出典:写真AC

今では、すっかりお正月やひな祭りに飲むイメージがついた甘酒。 しかし、江戸時代には夏の暑い日に甘酒を売り歩く行商が名物となっていました。夏の季語として、多くの俳句にも詠まれています。 米麹から造られた甘酒は、このようにかつては夏バテ対策の飲み物として親しまれていました。 その理由は、米麹甘酒の甘味のもとであるブドウ糖にあります。

米麹に含まれる酵素は、米のデンプンを分解してブドウ糖にします。もともと分解されているため吸収も良く、さらにビタミンB群が糖の代謝を助けてくれます。 消化にも優しく、まさに疲労回復にはもってこいの飲み物だといえます。

また、血糖値が上昇しやすいので、少し飲むだけでも空腹感を抑えられるのが特徴です。これを活かし、現代人にとってはダイエット効果も期待できるでしょう。

イライラを抑えるGABAも含まれているので、より空腹を我慢しやすいといわれています。 血糖値が気になる人は、上昇が穏やかな玄米の米麹甘酒もおすすめです。 他にも、米麹に含まれるコウジ酸やビタミンB2には、肌に潤いやハリをもたらす美容効果もあります。

酒粕の甘酒の効果


出典:写真AC

酒粕から造られる甘酒には、タンパク質やビタミンB2、B6などが多く含まれています。 中でも、レジスタントプロテインというタンパク質は体内で分解されにくく、そのまま油分と共に体外へ排出される性質があります。そのため、コレステロールを下げる効果があるといわれています。

また、便に油分が含まれることで柔らかくなり、お通じを良くする効果もあるとされています。 食物繊維も米麹甘酒より多いので、腸内環境を整えるにはより向いている甘酒です。

また、酒粕甘酒にはビタミンB2、B6以外にも、8種類のビタミンB群がすべて含まれています。その働きによって肌のターンオーバーを正常化、肌荒れやくすみなど様々なトラブルを改善する効果もあります。 さらに、酒粕甘酒には麹菌や酵母菌の作り出す酵素が数千種もあるとされています。

これらの酵素が栄養素の消化吸収を助け、新陳代謝を高めて、免疫力アップやデトックス効果などももたらしてくれます。 このように、酒粕から造られた甘酒にもやはり、健康から美容まで幅広い効果が数多く秘められているのです。 

酒麹の甘酒は妊婦や子供には良くない?

現在市販されている甘酒は、基本的にアルコール度数が1%未満のため酒類としては扱われていません。 そのため、未成年でも安心して飲むことができます。 ただし、アルコールがまったくゼロではないことに注意してください。

特に、酒粕はもともと8%程度のアルコール分が残っていて、製造過程でもさらにアルコールが作られます。 甘酒を飲んだだけで酒気帯び運転で警察に捕まった、というニュースもあるほどです。

お酒に弱い人や、特に子供や妊婦はあまり多く飲まないに越したことはないでしょう。 また、酒粕甘酒には甘さを加えるため砂糖を用いることがあります。カロリーを気にする人や0歳児などは気をつけましょう。 

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