お歳暮を贈る時期
毎年、お歳暮の時期がやってくると、品物の準備に奔放する方も多いことでしょう。「お歳暮」「年(歳)の暮れ」それは、文字が示す通り、一年間お世話になった方々への感謝と敬意の気持ちを込めて、歳が暮れる時期に贈るものです。
お歳暮を贈る適切な時期は、「正月事始め」にあたる12月13日から、12月20日までとされています。ただし、関西と関東では少々時期が異なり、関東では12月初旬から12月31日まで、関西では12月13日から12月31日までに贈るのが一般的だそうです。
近年では、年末が押し迫った忙しい時期に届くのは迷惑かもしれないということで、11月末に贈るという方もいるようです。全国的に見ると、12月20日までに贈るのが無難です。
お歳暮の由来と意味
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そもそも、お歳暮の由来はなんでしょうか。古来日本では、お正月に初日の出ともに現れる「歳神様」をお迎えし、お祀りするという風習がありました。年末になると、他の家に嫁いだ娘は実家へ、分家した親族は本家へ、使用人は雇い主へ、新年に歳神様をお迎えするためのお供えものを贈ったのです。
その行事は「お歳暮」と呼ばれ、それが現在のお歳暮の始まりとなったといわれています。歳神様へのお供えものは、魚、餅などの日持ち食品が主で、神酒のつまみに由来しているといわれています。
お歳暮が現在のように、お世話になった人への感謝の気持ちを込めた贈り物の意味へと変わっていったのは、江戸時代だといわれています。
江戸時代の日本の商売は、掛売り商売が一般的でした。つまり、代金後払いの約束で、商品を売っていたのです。そして年に2回、盆と暮れの時期にその精算をする際、商人が得意先にお礼のための贈り物をするようになります。
商人の習慣は、徐々に庶民の文化にも影響をもたらしました。明治時代になると、庶民の間でも次第にお世話になった方にも贈り物をするようになります。そして現代のように、年末の時期が訪れると贈り物をする形へと定着していったといわれています。
お歳暮はいつまでに送ればいいのか
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「師走はどのご家庭も忙しく、手配をうっかり忘れてお歳暮の時期が過ぎてしまった。」そんなこともありますよね。 しかし、年内には必ず届くようにしましょう。
相手方の忙しい時期に届くことになってしまっても、年内であれば、マナー違反にはなりません。
お歳暮を贈り逃してしまった場合の対処法
万が一、なんらかの事情によりお歳暮の時期に品物を贈り逃してしまった場合にも、対処法があります。関東の場合は1月7日(松の内)まで、関西の場合は1月15日までにのし紙の表書きを「御年賀」に変えて品物を手配しましょう。
さらに、いずれの時期にも間に合わなかった場合は、2月4日(立春)までにのし紙の表書きを「寒中御見舞い」または「寒中お伺」として贈る方法もあります。
お歳暮の値段の相場と適した贈り物
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一般的には、お歳暮の予算は3千~5千円程度が適切です。お歳暮の時期が訪れると、11月あたりからデパート百貨店などでお歳暮のギフト本を取り扱っているので、その中から選ぶ家庭も増えているようです。
お歳暮は、お世話になった相手への感謝の気持ちなので、一律で同じものを選ぶよりは、それぞれおの贈り先に合ったものを選びましょう。例えば、子どもがいる家庭にはお菓子の詰め合わせ、お酒好きな夫婦にはビールの詰め合わせ、お料理好きな家庭には調味料など、相手の好みを押さえられるとよいです。
人気なのは、ハム・ソーセージの詰め合わせや酒類、洋菓子や乾物・缶詰、洗剤、入浴剤などになります。食品であれば賞味期限が長いものを選ぶと良いでしょう。また、迷って決められない場合は、商品券やギフト券を贈るのも一つの手です。遠方に住んでいる方には、自分の地域のご当地グルメを贈るのもオススメです。
次のページでは、お歳暮で「ハンカチ」を送ってはいけない理由を紹介します。