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「異口同音(いくどうおん)」の意味と使い方|由来・類語・対義語

【意味】 たくさんの人たちが口を揃えるように同じことを言う様。
【由来】 釈迦の説法に感激して衆生が口々に賛嘆する様、堂に集まった信者が口々に念仏を唱えるさま。
【類語】 異口同辞(いくどうじ)・異口同声(いくどうせい)
【対義語】 諸説紛粉(しょせつふんぷん)・賛否両論(さんぴうりょうろん)・甲論乙駁(こうろんおつばく)
【英訳】

皆さんは「次期社長への就任に社員たちは異口同音に賛成した。」 などの「異口同音」という四字熟語を聞いたことはありますか? そしてどういった意味があるのかをご存知でしょうか?

「なんとなくはわかってはいるつもりだけど、ちゃんと調べたことはないな…」なんて方も 多いのではないでしょうか 。

異口同音の意味


出典:写真AC

「次期社長への就任に社員たちは異口同音に賛成した。」などの 異口同音とは、たくさんの人たちが口を揃えるように同じことを言う様を表現した四字熟語で、大勢の意見が一致したという様を意味します。

上記の例文をわかりやすい言い方に変えると「次期社長への就任にたくさんの社員たちが賛成した。」となります。

異口同音の由来


出典:写真AC

読んで字のごとく、異口(いく)は、異なる口と書きますが、要はたくさんの人の口という意味、同音(どうおん)は同じ音を発すること。

元々は、仏典によく出てくる言葉で、本来は、釈迦の説法に感激して衆生が口々に賛嘆する様、堂に集まった信者が口々に念仏を唱えるさまなどを形容して言うものです。

異口同音の使い方


出典:Pixhere

上記のことを踏まえて例文を見ていきましょう。

「解説者が異口同音にジャイアンツの勝利を予想した」「 社員たちは社長の方針に対して異口同音に不満を語った」 「どこの家の親も異口同音に最近の子供の体力のなさを嘆いた」「引っ越すことに妻と子供たちは異口同音に反対した」「 首相の説明に国民は異口同音に怒りを訴えた」

異口同音という四字熟語は何かに対して集団で声を上げたり、主張する際に使われることが多いようですね。

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「漁夫の利(ぎょふのり)」の意味や使い方|由来となった故事も紹介

私達が生活の中で何気なく使っている言葉には、故事によるものであったり、由来が隠れている事があったりするのを皆さんは御存知でしょうか?

日本は歴史を経ながら、私達の祖先は日々使う言語の中に大事な要素を含むものを沢山残していってくれています。

こんな話を見聞きされたことはないでしょうか?

「A子さんとB子さんの二人はC雄くんがとても好きで二人で彼の取り合いをしていたのだけど、ある日いざこざが起こり、C雄くんをめぐりA子さんとB子さんが激しい争いをしてしまったんだよ。ところがそんな争いの間に、急にD子さんが現れ、二人に幻滅したC雄くんはD子さんと結局ゴールインしてしまったんだ。これって漁夫の利だよね。」

漁夫の利の意味


出典:写真AC

ではこの漁夫の利という言葉の意味を一緒に見ていくことにいたしましょう。漁夫の利と言う言葉は、当事者同士が争っているうちに、第三者が何の苦労もせずに利益を得てしまうという様を表しているのです。

現代では、労をせず簡単に第三者が利益を取るという意味合いで使われることが多い言葉でもあります。

漁夫の利の由来


出典:ぱくたそ

さてこの漁夫の利と言う言葉、ちょっと難しそうな表現ですが、どのような由来が隠れているのでしょうか?古代の中国の戦国時代の事をまとめた歴史書に「戦国策」というものがあります。漁夫の利はその史書から来ている言葉なのですが、一体どんな話なのでしょうか?

昔、趙という国がありました。趙の国は燕の国を攻撃しようと考えていました。そんなある日、燕の遊説家である蘇代という人物が趙の国の恵文王に会いに来ます。蘇代は恵文王に次のような話をします。

「ある時貝が殻をあけて日向ぼっこを楽しんでおりました。貝は気持ちがよくて、ぱっくり口(殻)があいてとてもよい気持ちです。そこへ一羽のシギが舞い降りて、貝の身を啄み始めました。びっくりした貝は、いきなり殻を閉じ、シギの嘴を思い切り挟んでやりました。

そこへ一人の漁師が通りかかります。この光景を見た漁師は、貝とシギへ近づきます。しかし争っている双方は漁師に全く気づきません。何の苦労もなく、漁師は貝もシギも捉えてしまいます。」

この話を蘇代から聞いた恵文王はハッと気づかされたのでしょうか?燕の国を攻めるをやめてしまいます。

なかなか面白い話ですよね。それにしても、恵文王を上手く説得した蘇代はとても賢い人物だということも私達に教えてくれます。

漁夫の利の使い方


出典:ぱくたそ

ではこの漁夫の利という言葉はどんな状況で使われているのでしょうか?

次のようなフレーズの中でよく使われます。「選挙になってA党が割れて、どの議員も今、飛ぶ鳥落とす勢いのB党に移ろうと必死になって争って内輪もめをしている間に、選挙に入って結局無難な戦いをしたC党が勝ってしまった。まさしく漁夫の利だよね。」

という状況や、

「この前バーゲンセールで二人のおばさんが一つの商品を巡って取り合いをしていたんだけど、どちらかが癇に触ったことをしたのだろうね。あろうことか、二人のおばさんが商品そっちのけで喧嘩をし始めたんだ。大騒動になり店員さんが止めに入ったんだけど、その間に別の女性がさっと現れて、その商品を持ってレジへ行ってしまったんだよ。この光景が漁夫の利っていうのだろうな。」

というような表現の中で使われます。

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「当意即妙(とういそくみょう)」の意味と使い方|由来や類語も

当意即妙

【読み方】とういそくみょう
【意味】 その場その場に応じて、機転を利かせて柔軟に対応をする
【類義語】臨機応変、才気煥発
【対義語】 ―
【例文】 彼はどんな難問にも当意即妙に答えるね。

当意即妙とは

出典:Pixhere

私達が日々使っている日本語は、それぞれが意味や由来を持っています。今回ご紹介する言葉も、何気なく使っている言葉ではありますが、実は私達の思わぬところから来ている言葉なのです。

皆さんは、このようなフレーズを耳にされたことがないでしょうか?

「彼女に仕事の事で質問をすると、いつも当意即妙に答えが返ってくるので、助かっているよ。」

ということで、今回はこの「当意即妙」という四字熟語の意味や由来、類義語、例文などについて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

当意即妙の意味


出典:写真AC

さてこの当意即妙はどのような意味を持っているのでしょうか。この当意即妙は、その場その場に応じて、機転を利かせて柔軟に対応をするという意味を示しています。

「当意」とはその場で考え工夫することを表しており、「即妙」はその場で働く機転や才能、知恵のことを意味します。この2つが合わさって、当意即妙という四字熟語になったというわけですね。

略して「即妙」というように後半のみで用いることもあり、その場合も意味は変わりません。また「当意」というように前半のみで用いることも稀ながらありますが、その場合は「その場で考え工夫する」というような意味になります。

一般的に私達が生活の中で使う言葉で当意即妙に似た言葉としては、臨機応変という四字熟語があります。

当意即妙の由来・言葉の背景


出典:Pixabay

この当意即妙という言葉、なかなか言葉の由来が想像つきませんよね。

実は、この言葉は仏教当位即妙から来ている言葉だとされています。もともと仏教用語においては当位即妙と書かれていたものが、現在では当意即妙と書かれるようになりました。

もともとの仏教用語としての当位即妙とは、なにごともそのままの状態(当位)で妙なる真理に従って現じている(即妙)ということを表しています。つまり、普段の精進により様々な対処や知恵が身についていることから、自然と出た言葉や行動が仏の真理や悟りになっている、ということだそうです。とても興味深い由来ですね。

なぜ「位」を「意」と書くようになったのかということについては諸説ありますが、一説には、人が気を利かせて柔軟に対応するということで、人の「意志」が介在することから「当意即妙」と書くようになったのではないかとされています。

当意即妙の使い方


出典:写真AC

ではこの当意即妙はどのような場面で使われるのでしょうか?

「彼はどんな難しく、無理難題だと思われるお客さまの要望にも、当意即妙に答えるね。これが彼が仕事ができるという秘訣なのだね。」であったり、

「私はいつも困ったら、彼女の電話をして尋ねるのだけど、彼女っていつも当意即妙に見事な答えや意見を言ってくれるのよね。本当に頼りになるわ。」

という様に、その人の対応の素早さや機転の利くさまを評価するという様な場面で使われています。当意即妙は使い方が難しい言葉ではありませんので、ふとした時に使ってみるといいかもしれませんね。ここぞという時に使えると、周りの人から一目置かれるかもしれませんよ。

当意即妙な人の特徴


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当意即妙な人はその意味の通り、機転がきいて柔軟な対応ができる人のことを指します。一般的には、地頭がいい、そつがないというような表現のされ方をすることがあるかもしれません。

当意即妙な人は仕事ができ、また人間関係など複雑な心配りが必要とされることもそつなくこなしてしまう人が多いそうです。上司に気に入られやすく部下にも慕われやすいので、昇進も早いかもしれませんね。

ただ、あまりにも頭の回転が速くて機転が利きすぎてしまうと、小賢しくて鼻につくというような不当な評価を受ける可能性もありますので、他人の妬みを買わないようにうまく立ち回る必要があるかもしれません。

「うららか」の意味や由来|例文や類義語・対義語も紹介

「うららか」と聞くと何となくのどかなイメージがつくのではないでしょうか? 

その意味はなんとなく感覚的に分かる、それを雰囲気で使っている、といった人も多いでしょう。しかしながら、厳密には「うららか」という語の本当の意味はどのようなものなのでしょうか?

こちらでは、「うららか」の意味や由来、用いられる場面などについて解説していきたいと思います。

うららかの意味と例文


出典:ぱくたそ

うららかな春の日差しに誘われて、土の中からは様々な植物の芽が顔を出しました」

「作業をしようと庭に出たのにそこでうたた寝をしてしまったのは、昼下がりのうららかな陽気があまりにも気持ち良かったからだ」など、「うららか」という言葉を使った文章は日常生活においても時々見受けられるものです。

「うららか」という言葉は、漢字では「麗らか」と書くことができます。なのでその意味も「麗」という漢字から推測することのできる、麗しい、美しいといった内容が含まれるものです。

大きく4つの意味があります。

⑴晴れた空が広がっていて、柔らかくのどかな日差しが差し込まれているというもの。

⑵雰囲気や空気、声などに曇りがなく、晴れ晴れとしていて明るい、朗らか、楽しげであるというもの。

⑶心が穏やかでおっとりしており、隠し事などがなくわだかまりを感じないといったものです。

⑷「美しくて輝いている」、「優美で美しい」というもの。

うららかの意味がわかった後に、例文をみてみましょう。

麗か(うららか)の例文

・彼女は、麗かな和服を着て舞台に登場した。
・今日は、麗かな夕日が沈む海岸で散歩を楽しもう。
・景色が麗かったので、写真を撮るのを忘れずに。
・その映画は、麗かな音楽と映像で私たちを魅了した。
・彼の絵には、麗かな色彩と独特のタッチが感じられる。

「麗かな春」の例文

「麗かな春」という表現は、春の美しさや優雅さを表現する言葉としてよく用いられます。

・麗かな春の陽気に誘われ、公園でピクニックを楽しんだ。
・窓を開けると、麗かな春の風が部屋に入り込んできた。
・散歩中に見かけた桜の木は、麗かな春の光景を作り出していた。
・麗かな春の朝、鳥たちのさえずりが聞こえてきた。
・麗かな春の日差しを浴びて、公園の芝生でのんびりと読書をしていた。

 

麗か(うららか)は季語としても使われている!


出典:写真AC

春の季語でもある「麗か(うららか)」は様々な俳句・発句上で見ることができます。ここでは、季語の麗か(うららか)の解説をしていきます。

春の晴れた日に、太陽が明るく照ってその光を浴びた生き物たちが輝いている様子を指し、類似の季語である長閑(のどか)がありますが、長閑(のどか)はより静けさを、麗か(うららか)はより明るさ・光の様子を表しています。

では、実際に麗か(うららか)が季語として使われている俳句を見ていきましょう。

1.うらゝかや女つれだつ嵯峨御堂 (正岡子規『子規句集』)
2.かほるより雪気はげしく朝うらら(鬼貫『柏崎』)
3.麗かや大荷をおろす附木売 (前田普羅『定本普羅句集』)
4.麗かや松を離るる鳶の笛 (川端茅舎『川端茅舎』)
5.三椏のはなやぎ咲けるうらゝかな (芝不器男『芝不器男』)
6.玉と呼び絹と称ふ島波うらら (松本たかし『石魂』)

このように、春の俳句には春の季語である「麗か(うららか)」を用いている俳句が多くあります。

うららかの由来・言葉の背景


出典:写真AC

「うららか」の語源は、上でも書いた通り漢字の「麗」と共通しています。美しさ、上品さを表す「うらら」に接尾語がついた結果として「うららか」という言葉は生まれました。

では、次に「うらら」の語源を見ていきましょう。「うらら」はもともと「うらうら」という言葉で使われていました。

江戸時代の国学者である大石千引(おおいし ちびき)によって書かれた語学書、『言元梯(げんげんてい)』によると、「うらうら」は「ゆらゆら」という言葉から転じたものだとされています。ゆらゆらは、繰り返し動いたりゆったりとした動きを意味します。

また、「うらうら」が使われていた古代では、「うら」には心や心のうちという意味がありました。なんとなくもの悲しいことを意味した「心悲しい(うらかなしい)」という言葉にも心という漢字を使いながら「うら」という読み方をしています。

また、何気ないや無心である、屈託のないなどの意味を持った「心もなし(うらもなし)」という言葉も生まれました。

その後に、「心(うら)」のみで「のどか」を表すようになり、やがて「うらうら」に、そして今使われている「うらら」「うららか」に変化したといわれています。

うららかと春うららの違いとは?

「春の うららの 隅田川~」という歌をご存知でしょうか?この歌に出てくる「春うらら」は「うららか」と何が異なるのでしょうか。両者の違いを見ていきましょう。

まず、春うららの意味を見ていきましょう。春うららは冬の気配が消え、肌寒さは有りながらもちらほらと桜が咲き始める頃のことをいい、春の空が晴れていて太陽の日差しが穏やかに照らしている様子や春の雰囲気のことを春うららと表現します。

春の季節が持つ明るさや朗らかな様子を春うららは的確に表現しています。春うららは「うららか」の晴れた空が広がっていて、柔らかくのどかな日差しが差し込まれているという意味が「うらら」の部分にあたるといえます。

 

有名な著書でのうららかの例文


出典:ぱくたそ

「春うらら」という言葉があるように、「うららか」はその意味から、暖かい春の日のような過ごしやすい環境を表す際に用いられることが多いです。

他著名な作家の著書の中に麗か(うららか)の例文が見られます。

「~折々人の影がかなたの山の背こなたの山の尾に現われては隠れた、日は麗らかに輝き、風はそよそよと吹き、かしこここの小藪が怪しげにざわついた。」国木田独歩の著書『鹿狩り』。

「~或る麗らかな天気の日に、秋の高い青空を眺めながら、遠い昔の夢を思い出した。その夢の記憶の中で、彼は支那人と賭博をしていた。」荻原朔太郎の著書『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』。

また、「うららか」は天気や環境ばかりでなく気持ちに対しても用いられる言葉なので、その場合には「試験前に分からなかったことが全て解決したので、今の私はうららかな気分になっている」

「喧嘩をしていた旧友と仲直りし、新しい友人とも大分親しくなることができたので、今の私の心はとてもうららかだ」といった形で使うことが可能です。

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「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味と使い方|風で桶屋が儲かる理由とは

皆さんは「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉をテレビや映像などで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この言葉は次のような文章の中で使われます。「オリンピックが決まったからといって、風が吹けば桶屋が儲かるといったような事は期待するなよ」

さてこの「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは一体どのような意味をもつのでしょうか。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味


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この「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは次のような内容を意味しています。ある出来事によってそれが原因となり次々と様々な事象が起こっていくことで思わぬ結果を招く、という意味で使われるのが「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味になります。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来

ではこの「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざはどのような由来をもつのでしょうか。

このことわざの由来は江戸時代に及びます。江戸時代に「世間学者気質」という浮世草紙が書かれました。無跡散人という方が書かれた書物なのですが、この中で、次のような話が書かれているのです。

ある日、大風で土埃がたちました。その土埃で人の目が見えなくなり、盲人が増えていきました。その後盲人が増えたことにより、三味線が売れるようになります。三味線は猫の皮を使うことから猫が三味線に使われるため、捉えられて殺されていきます。

この猫が減ったことからネズミが沢山発生し、ネズミが桶をかじる習性があるので、今度は桶屋さんは儲かってしまう、というなんともおかしなお話しから来ていることわざなのです。このお話しは同じような内容で「東海道中膝栗毛」でも書かれています。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の例文


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ではどんな場面でこのことわざは使えるのでしょうか?

「ある日市場で母が高い鉢植えの花を売りつけられたのだけど、母は断り切れず、買ってしまった。しかし、その後母はせっかく売りつけられたのだから必死にその花を世話して沢山の花を育てて増やしたところ、今度それがある方の目に留まり、その鉢植えの花を売ってほしいとなった。風が吹けば桶屋が儲かるというけど、こういうこともあるのだね。」といった使い方。

または、「数年前会社でとうとう左遷を言い渡されてしまったよ。窓際ともいえる部署だったのだけど、ある事件がきっかけでその部署であつかっている商品が爆発的なヒットとなってしまったのだ。おかげで風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、こっちは一躍会社のヒット商品を開発する部署になってしまったよ。」というような状況で使われます。

どの四字熟語にも、由来があります。

「鑑みる(かんがみる)」の意味と使い方|由来・類語・対義語

【意味】 以前起こったことやルールなどを参考にすること。
【由来】 模範やお手本という意味に使われることから。
【類語】 顧みる・省みる・照らし合わせる
【対義語】 踏まえない
【英訳】

「○○の件への取り組みに鑑みると、今後××しなければならないと分かる」このように、ビジネス文書などで「鑑みる」という言葉を見かけたことがある人もいるでしょう。 鑑みるという言葉を見たとき、この言葉の意味を正確に理解することができるでしょうか。

言葉の意味を知ることで、もっと相手の伝えたいことが理解できます。

意味や由来、そしてどのような時に使うのか、今回は鑑みるの類義語や対義語についてご紹介します。

鑑みるの意味


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鑑(かんが)みるとは、以前起こったことやルールなどを参考にすることです。 例えば過去に起きた失敗、成功、そうした先例やお手本に照らし合わせてみることをいいます。

鑑みるの由来


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鑑みるという言葉には、「鑑」という漢字が使われています。 鑑とは音読みを「かん」、訓読みを「かんが(みる)」、そして時には「かがみ」と読むこともある漢字です。 この漢字は、あらゆる物事について書き記された図鑑、そして物事の嘘や本当を判定するなどの意味に使われる鑑定という言葉にも使用されています。

また、鑑という漢字の「金」は金属の象形を覆う様子、臣は大きく見開いた目の象形、臣の右横にあるのはタライを覗く様子の象形で、皿は水の入っているタライの象形です。 金と監の合わさった会意兼形声文字である鑑には、こうした文字の成り立ちから金属製の鏡という意味もあります。

鏡は顔や体を映す道具という意味で用いられることが多いですが、模範やお手本という意味に使われるのは鑑の方です。 そうした所から「鑑みる=お手本にする、参考にする」といった意味がつけられるようになったのでしょう。

鑑みるの使い方


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鑑みるという言葉はこのような場面で使うことができます。

・以前起きたこと(先例)と照らし合わせた時

・ルールなどを参照した時

・ある事例など、他の出来事と比べてみた時

鑑みるという言葉を使うのは、先例やルールと照らし合わせた場合、他の出来事と比べた場合など、簡単にいえばあることを参考にした時です。 「過去のA社との取引結果に鑑みて、B社とは○○することで更に良い結果を得られるだろう」というような使い方をします。

または「以前は○○してしまったため失敗に終わった。これに鑑みて、もう少し余裕をもった行動をしよう」という使い方もあるでしょう。

ちなみに、鑑みるという言葉を使用する際に起こりやすい間違いが、「~を鑑みる」と表記することです。 鑑みるとは、先例“に”照らし合わせるという意味をもつ言葉なので、「~を鑑みる」ではなく「~に鑑みる、~に鑑みて」と表記します。 ビジネス文書などでは特に気をつけて鑑みるという言葉を用いましょう。 

「天衣無縫(てんいむほう)」の意味や由来|使い方や英語も紹介

「あの老女は若いころから天衣無縫で、今なお多くの老若男女から愛されています」というようなときに用いられる、「天衣無縫」という言葉の意味をご存知でしょうか。

天衣無縫という言葉自体は、稀に耳にすることがあるものの、漢字の組み合わせから正確な意味を想像するのが難しい言葉の一つと言えます。

しかし一方で、この言葉を知っておくと役に立つ機会も少なくありません。そこで、こちらでは、天衣無縫という言葉の意味や由来、使い方などについてご紹介していきます。

天衣無縫の意味


出典:ぱくたそ

天衣無縫(てんいむほう)という言葉の意味は、性格が自然で、取り繕うことや飾り立てることがないという意味です。

また、これが転じて取り繕う必要がないほど素晴らしいという意味で用いられることもあります。

「天衣」というのは天界の人々の衣服のことで、穢れのない美しい衣装を意味します。また、「無縫」というのは縫製がないこと、つまり縫い目がないことを指しており、飾りつけなどが必要ないという意味になります。

太平広記の話からきている天衣無縫の由来


出典:ぱくたそ

天衣無縫という言葉の由来は、霊怪録、太平広記の女仙という話から来ています。

この話では、郭翰という青年が一人の天女と出会います。しばらく一緒に過ごすうち、その天女が来ている衣服に縫い目が全く見えないことを不思議に思い、尋ねてみたところ、「天の衣服は針や糸を用いて作らないのです」と言われました。

不思議なことにその天衣は、天女が身につけるとひとりでにその体にぴったりと寄り添ったということです。

ここから、天衣無縫というのは、針や糸で形を作る必要がなく、何も手を加えなくても自分らしく素晴らしいという意味に使われるようになりました。

「三々五々(さんさんごご)」の意味や由来|例文も紹介

「大義名分(たいぎめいぶん)」の意味と使い方|政治の場でよく使われる言葉

「金科玉条(きんかぎょくじょう)」の意味と由来|お金は関係ありません

「傍目八目(おかめはちもく)」の意味と使い方|囲碁に関する由来

【意味】 物事を見る時に直接関わっている当事者より、関わっていない第三者の方が冷静に判断を下すことができるということ。
【由来】 実際に囲碁を打っている対局者より周りで対局を見ている傍観者の方が、焦りなどを感じることなく冷静に盤上の動きを観察することができて、八手先まで動きを読むことができることから。
【類語】 他人の正目・灯台下暗し・近くて見えぬは睫
【対義語】
【英訳】

「傍目八目(おかめはちもく)」という言葉をご存知でしょうか?「自分のことなのに彼の意見の方が正しいなんてまさに傍目八目だ」というように使われる四字熟語です。日常会話ではあまり使われることはなくなったように感じられますが、是非意味や使い方を知っておきたい言葉です。

傍目八目の意味

「傍目八目」は「おかめはちもく」と読みます。物事を見る時に直接関わっている当事者より、関わっていない第三者の方が冷静に判断を下すことができるという意味です。 当事者は物事にのめり込んでいるあまりに視野が狭くなっていて、普通なら気が付くことができることでも見えなくなってしまっているということがよくあります。

一方、第三者は自分のことではないので、より広い視点から物事を見ることができて状況を把握しやすいという場合があります。

利害関係のない人の方が利害を冷静に判断できるということでビジネスシーンでも通用する概念です。 このことを端的に表しているのが「傍目八目」です。「岡目八目」と書くこともありますが、「傍目八目」と「岡目八目」は同じ意味です。

傍目八目の由来・言葉の背景

「傍目」は脇から見ることを、「八目」は囲碁における八目先の手のことを意味しています。つまり、実際に囲碁を打っている対局者より周りで対局を見ている傍観者の方が、焦りなどを感じることなく冷静に盤上の動きを観察することができて、八手先まで動きを読むことができるということが「傍目八目」の由来になっています。

八目は八手先という意味ではなく、対局者より傍観者の方が八目分得をする手を思いつくことができる、という意味であるという説もあります。

傍目八目の使い方


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「傍目八目」は由来通りに囲碁や将棋などの対局やスポーツの場面で使うことができます。「自分で囲碁を打っている時は全然良い手が思いつかないのに、人の対局を見ているとどんどん先を読めるなんて傍目八目だね。」

「野球については素人の友人だけど、傍目八目ということもあるからときどきアドバイスを求めている。」などのように使えます。

ビジネスシーンなら「プロジェクトに参加していない同僚からの指摘にハッとさせられて、傍目八目を実感した。」というように使うことができます。

傍目八目の類語

「傍目八目」には「他人の正目」、「灯台下暗し」、「近くて見えぬは睫」といった類語があります。 「他人の正目」は「たにんのまさめ」と読み、利害関係を持っていない他人による物事の見方は公平であり正しいという意味です。

正目とは木の中心に平行で真っ直ぐな木目のことです。 「灯台下暗し」は「とうだいもとくらし」と読み、灯台の真下は灯台の光が届かずに暗いことから、自分にとって身近なことはかえって分かりづらいという意味です。

「近くて見えぬは睫」とは睫毛が目に近いにもかかわらず、近すぎてよく見ることができないということで、他人のことはよく分かっても自分のことはよく分からないというという意味です。

全て同じ意味というわけではなく、多少のニュアンスの違いはありますが、いずれも自分が当事者となると自分のことが見えなくなってしまうということで、客観的な目線の重要性を示しています。

ありがたい言葉「傍目八目」


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「傍目八目」は当事者より第三者の視点で物事を見た方が物事の本質を見極められて、正しい判断を下すことができるということを教えてくれるありがたい言葉です。

人は自分のこととなると必死になり、視野が狭くなってしまうことが多いですが、「傍目八目」を思い出すことで冷静になって客観的に物事を見ることができるようになります。

全てを自分で抱え込むのではなく、人にアドバイスを求めることも大切です。仕事でもプライベートでも「傍目八目」を心に留めて余裕を持って対処したいものですね。 

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2019年の「十六夜」をチェック!意味・由来・月の特徴・和歌


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みなさんは「十六夜(いざよい)」という言葉を聞いたことがありますか?

「十五夜」は知っているけれど「十六夜」は聞いたことがない、という人もいるかもしれませんね。「十六夜」も「十五夜」と同じく月に関する言葉です。「十六夜」と書きますが、一体いつから16日目の夜のことを指しているのでしょう?

今回は、「十六夜」の意味や由来、2018年の十六夜の日付までまとめてご紹介します。

【意味】 新月から16日目の夜、陰暦の8月16日の夜、もしくは陰暦の16日の夜、またはその夜の月のこと。
【由来】 十五夜を過ぎ、月が顔を出すのをためらっていることから。
【2018年の十六夜】 1月3日 2月2日 3月4日 4月2日 5月2日 5月31日 6月30日 7月29日 8月27日 9月25日 10月25日 11月23日 12月23日

十六夜の意味

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「十六夜」と書いて「いざよい」と読みます。 もうひとつ「じゅうろくや」という、漢字そのままの読み方をすることもありますが、多くは「いざよい」として呼び親しまれています。また、昔は「いさよい」という清音(濁点のつかない音)で、人々に呼ばれてきました。

「十六夜」とは、新月から16日目の夜、陰暦の8月16日の夜、もしくは陰暦の16日の夜、またはその夜の月のことを指します。

月を愛でる日本の代表的なイベントとして「お月見」をする「十五夜」がありますが、これは中秋の名月、つまり旧暦の毎年8月15日です。もともと中国の風習を起源としており、日本でも古くから親しまれています。

また、中秋の名月には当たりませんが、月が最も満月に近くなる日として、旧暦の8月15日以外の月の15日も「十五夜」と呼ばれます。

お月見が行われるのは、月がその年で最も満月に近くなる夜。月が見える縁側や窓際に、季節の作物や月見団子、ススキなどをお供えし、神様にその年の豊作を感謝する、という習慣なのです。「十六夜」の中でも、この中秋の名月の翌日(旧暦の8月16日)の「十六夜」の月は、とても明るく美しく見えると言われています。 

十六夜の語源・由来


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現在、私たちは太陽暦、いわゆる「新暦」と呼ばれているものを用いて暦を決めています。

しかし、新暦が施行される明治6年以前は、太陰太陽暦によって暦が決められていました。これは、「旧暦」または「陰暦」と呼ばれています。陰暦では、月の満ち欠けによって1カ月の長さを定めていたため、月は人々の生活にとってとても身近な存在だったといえるでしょう。

月にはそれぞれ呼び名があります。例えば、1日目は「朔」と呼ばれます。「朔」は、地球から見て月と太陽の黄道が重なる日または時刻のこと。陰暦では朔を月の始めとしていました。月の始めは「月立ち」と言われ、この「月立ち」が転じて「ついたち」と読まれるようになったのだとか。そのため「朔日」と書いて「ついたち」と訓読みされます。

このように、月の名称には言葉の美しさだけでなく、しっかりとした意味が込められているのです。

それでは「十六夜」という言葉には、どのような由来があるのでしょうか?もちろん、月の様子が関係しています。

陰暦16日の月の出は、15日の満月の月よりも少し遅くなります。これは月が出る時間が、十五夜よりも約50分遅くなるためです。

「十六夜」と書いて「いざよい」と読ませるのには、「十五夜を過ぎ、月が顔を出すのをためらっている」という見方からきています。「ためらう」「躊躇(ちゅうちょ)する」を意味する動詞に当たる「いざよう」の連用形が名詞化したことが語源だと言われています。

また、満月(望月)を過ぎたという意味から、「既望(希望)」と言う場合もあるそうです。

野点傘から垣間見る日本文化の”粋”|茶会で欠かせない野点傘とは?

野点傘(のだてがさ)とは

茶の楽しみ方の中に屋外で茶を点てる野点(のだて)があります。美しい景色の中に紅色の緋毛氈(ひもうせん)を敷き、やはり紅色の野点傘(のだてがさ)を立てて行われる野点は、古くから日本に受け継がれる優雅で雅な和のピクニックだと言えるでしょう。

緋毛氈や野点傘は、観光地などに存在するお茶屋でも用いられていることから、見覚えがあるのではないかと思います。また話題性の高い著名人らが招かれる宮中茶会などの報道でも、紅色の緋毛氈と野点傘を目にすることができます。

屋外で行われる茶会である野点は、茶室の中で行われるしきたりを重視した堅苦しい茶会ではなく、自然の美しさを楽しみながら茶を楽しめることから人気の茶会で、日本庭園や景色の美しい公園などで頻繁に行われています。

そこには必ず紅色の緋毛氈と野点傘が設置されますので、大きな番傘のような紅色の野点傘を見つけたらその下では茶会が催されていると言えるでしょう。

野点傘の歴史


出典:写真AC

野点は約500年以上前に豊臣秀吉によって行われた九州平定の際に、同行した千利休が野外で茶を点てたことが始まりだと言われています。同年茶人のノ貫(へちかん)が紅色の野点傘を立てて茶室を演出したことで茶会を催した秀吉を喜ばせ、それ以降野点傘は野点に欠かすことができないものとなりました。

戦国時代が終わり江戸時代に入ると、野点は益々盛んに催されるようになり野点に欠かすことができない紅色の緋毛氈や野点傘の需要は高まります。

屋外で行われる茶会ではしばしば俳句や和歌を楽しむ催しも併せて行われ、茶会以外に軸足を置いた野外での催し物にも紅色の緋毛氈や野点傘は用いられるようになりました。

既に紹介した通り現在では、観光地の茶屋の装飾として広く用いられると共に宮中茶会に代表される野点にも野点傘は用いられ続けています。

野点傘の特徴・用途


出典:写真AC

雨具として開発された傘を日傘として転用したのが野点傘だと言えます。野点傘の本来の姿は紙や布で作られていましたが、現在ではビーチ・パラソルの素材で形状だけ野点傘を模したものも存在しています。

しかし日本の伝統文化である野点に用いられる野点傘は、従来通りの製法を用いて手作りで作られたものが用いられており、商業施設で用いられているものとは一線を画していると言えるでしょう。

しかし、近年では和モダンの装飾に対する評価が高まってくるにつれ、本物志向の強いディスプレイの人気も高まり、店舗用ディスプレイなどにも本格的な野点傘が用いられるようになってきているのも事実です。

美しい野点傘が再評価される時代が到来したとも考えられます。

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