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みなさんは「十六夜(いざよい)」という言葉を聞いたことがありますか?
「十五夜」は知っているけれど「十六夜」は聞いたことがない、という人もいるかもしれませんね。「十六夜」も「十五夜」と同じく月に関する言葉です。「十六夜」と書きますが、一体いつから16日目の夜のことを指しているのでしょう?
今回は、「十六夜」の意味や由来、2018年の十六夜の日付までまとめてご紹介します。
【意味】 | 新月から16日目の夜、陰暦の8月16日の夜、もしくは陰暦の16日の夜、またはその夜の月のこと。 |
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【由来】 | 十五夜を過ぎ、月が顔を出すのをためらっていることから。 |
【2018年の十六夜】 | 1月3日 2月2日 3月4日 4月2日 5月2日 5月31日 6月30日 7月29日 8月27日 9月25日 10月25日 11月23日 12月23日 |
十六夜の意味
出典:写真AC
「十六夜」と書いて「いざよい」と読みます。 もうひとつ「じゅうろくや」という、漢字そのままの読み方をすることもありますが、多くは「いざよい」として呼び親しまれています。また、昔は「いさよい」という清音(濁点のつかない音)で、人々に呼ばれてきました。
「十六夜」とは、新月から16日目の夜、陰暦の8月16日の夜、もしくは陰暦の16日の夜、またはその夜の月のことを指します。
月を愛でる日本の代表的なイベントとして「お月見」をする「十五夜」がありますが、これは中秋の名月、つまり旧暦の毎年8月15日です。もともと中国の風習を起源としており、日本でも古くから親しまれています。
また、中秋の名月には当たりませんが、月が最も満月に近くなる日として、旧暦の8月15日以外の月の15日も「十五夜」と呼ばれます。
お月見が行われるのは、月がその年で最も満月に近くなる夜。月が見える縁側や窓際に、季節の作物や月見団子、ススキなどをお供えし、神様にその年の豊作を感謝する、という習慣なのです。「十六夜」の中でも、この中秋の名月の翌日(旧暦の8月16日)の「十六夜」の月は、とても明るく美しく見えると言われています。
十六夜の語源・由来
出典:写真AC
現在、私たちは太陽暦、いわゆる「新暦」と呼ばれているものを用いて暦を決めています。
しかし、新暦が施行される明治6年以前は、太陰太陽暦によって暦が決められていました。これは、「旧暦」または「陰暦」と呼ばれています。陰暦では、月の満ち欠けによって1カ月の長さを定めていたため、月は人々の生活にとってとても身近な存在だったといえるでしょう。
月にはそれぞれ呼び名があります。例えば、1日目は「朔」と呼ばれます。「朔」は、地球から見て月と太陽の黄道が重なる日または時刻のこと。陰暦では朔を月の始めとしていました。月の始めは「月立ち」と言われ、この「月立ち」が転じて「ついたち」と読まれるようになったのだとか。そのため「朔日」と書いて「ついたち」と訓読みされます。
このように、月の名称には言葉の美しさだけでなく、しっかりとした意味が込められているのです。
それでは「十六夜」という言葉には、どのような由来があるのでしょうか?もちろん、月の様子が関係しています。
陰暦16日の月の出は、15日の満月の月よりも少し遅くなります。これは月が出る時間が、十五夜よりも約50分遅くなるためです。
「十六夜」と書いて「いざよい」と読ませるのには、「十五夜を過ぎ、月が顔を出すのをためらっている」という見方からきています。「ためらう」「躊躇(ちゅうちょ)する」を意味する動詞に当たる「いざよう」の連用形が名詞化したことが語源だと言われています。
また、満月(望月)を過ぎたという意味から、「既望(希望)」と言う場合もあるそうです。