皆さんは「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉をテレビや映像などで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この言葉は次のような文章の中で使われます。「オリンピックが決まったからといって、風が吹けば桶屋が儲かるといったような事は期待するなよ」
さてこの「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは一体どのような意味をもつのでしょうか。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味
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この「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは次のような内容を意味しています。ある出来事によってそれが原因となり次々と様々な事象が起こっていくことで思わぬ結果を招く、という意味で使われるのが「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味になります。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来
ではこの「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざはどのような由来をもつのでしょうか。
このことわざの由来は江戸時代に及びます。江戸時代に「世間学者気質」という浮世草紙が書かれました。無跡散人という方が書かれた書物なのですが、この中で、次のような話が書かれているのです。
ある日、大風で土埃がたちました。その土埃で人の目が見えなくなり、盲人が増えていきました。その後盲人が増えたことにより、三味線が売れるようになります。三味線は猫の皮を使うことから猫が三味線に使われるため、捉えられて殺されていきます。
この猫が減ったことからネズミが沢山発生し、ネズミが桶をかじる習性があるので、今度は桶屋さんは儲かってしまう、というなんともおかしなお話しから来ていることわざなのです。このお話しは同じような内容で「東海道中膝栗毛」でも書かれています。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の例文
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ではどんな場面でこのことわざは使えるのでしょうか?
「ある日市場で母が高い鉢植えの花を売りつけられたのだけど、母は断り切れず、買ってしまった。しかし、その後母はせっかく売りつけられたのだから必死にその花を世話して沢山の花を育てて増やしたところ、今度それがある方の目に留まり、その鉢植えの花を売ってほしいとなった。風が吹けば桶屋が儲かるというけど、こういうこともあるのだね。」といった使い方。
または、「数年前会社でとうとう左遷を言い渡されてしまったよ。窓際ともいえる部署だったのだけど、ある事件がきっかけでその部署であつかっている商品が爆発的なヒットとなってしまったのだ。おかげで風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、こっちは一躍会社のヒット商品を開発する部署になってしまったよ。」というような状況で使われます。