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「ぞっとしない」の意味や由来|「怖くない」という意味ではない?

「先日、友人と旅行に出かけたが、あまりぞっとしなかった」 「じゃあ、特に事故とかなく帰って来られて良かったね」 これを見て何か感じることはありませんか?

一見ごく普通の会話に見えますが、実は会話として全く成り立っていません。

ぞっとしないの意味


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先程の例文のように「ぞっとしない」とは怖くなかったという意味ではありません。 「ぞっとしない」の正しい意味は、「面白くない」、「感心できない」、「嬉しくない」という慣用句になります。

「ぞっとする」は、大体の場合「怖い」などの感情を表す慣用句となりますので、否定の言葉である「ない」がついたら「怖い」の反対の「怖くない」という意味だと勘違いされることが多いようです。

平成28年に行われた文化庁の調査によると、「ぞっとしない」の意味を「面白くない」と回答した人は全体の23%程度で、「怖くない」と回答した人は56%までのぼっているという結果が報告されています。

この数字を見て分かるように「ぞっとしない」を、本来の意味である「面白くない」という言葉だと理解していない人の方が数多くいることがわかります。

ぞっとしないの由来・言葉の背景

そもそも「ぞっと」という言葉には、寒くて体が震えるという意味や、身の毛もよだつぐらいの恐ろしさで体が震える感じを表している意味が知られています。

しかし、実は江戸時代後期頃までは「美しいものなどに強い感動を覚える」などの意味で使われるのが一般的でした。

それがいつのまにか時代と共に、「怖い」という部分だけが言葉の意味として広まっていったと考えられます。

ぞっとしないの例文


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 では、どういった場面で使用するのが正しいのでしょうか。いくつか例文を挙げてみますので参考にしてください。

「この小説はどうでしたか?」 「私はあまりぞっとしませんでした」 この場合の「ぞっとした」は、「あまり怖い小説ではなかった」ではなく、あまり面白い小説ではなかったことを表しています。

「会社の同僚が先日、無断欠勤をしたんだ」 「それはあまりぞっとしないね」 この場面では、無断欠勤に対して「感心しない」といった意味で使用されています。

「この前誕生日だったけど、彼氏から何もらったの?」 「それが既に持っている写真集だったの。正直あまりぞっとしなかったな」 これは、あまり「嬉しくなかった」という意味で使われている場面となります。

いずれの場面においても「怖くない」と言う意味で捉えてしまい、「ホラー小説じゃなかったのね」とか「無断欠勤って怖くないってこと?」など返答してしまうと、会話として全く辻褄が合わない意味の分からないやり取りとなってしまいます。

「怖くない」という意味ではなく、「面白くなかった」、「感心できない」、「嬉しくない」といった意味が正しい言葉の表現となります。

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「月下氷人(げっかひょうじん)」の意味や使い方|例文も紹介

 月下氷人、やや耳慣れない言葉ですね。ぱっと見ただけでは、サボテン科の花「月下美人」と間違って読んでしまいそうです。「月下氷人」、一体どういうときに使う言葉なのでしょうか。

月下氷人の意味


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例えば、「恩師に月下氷人を勤めていただくことになった」など、あるおめでたい儀式関連で使えるんですよ。 もうわかりましたか?「月下氷人」とは男女の仲立ちをしてくれる仲人さんのこと。省略形で、「氷人」と呼ばれることもあります。 

月下氷人の由来 ・言葉の背景・語源

それではどのような由来から、仲人さんが月下氷人と呼ばれるようになったのでしょうか。実は、中国の故事からきているのだと言われています。話は遡って、唐の時代を見ていきましょう。

「月下」の部分は、月野の晩に韋固(いご)という若者が、将来自分の妻になる人を告げられたという話からきています。このとき予言した老人を、月下老人といいます。

また、「氷人」については、晋の時代へ行ってみましょう。狐策(こさく)という人物が占い名人に自分の夢を占ってもらいました。「氷の上に立ち、氷の下にいる人と話す」という不思議な夢です。すると占い師は狐策が仲人を務めるという予言をしたのです。

その後狐策は占い師の言うとおり、結婚の仲介役を務めたということです。この狐策が氷上人、あるいは氷人と言われ、「月下氷人」という言葉が生まれました。 

月下氷人の例文を紹介


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冒頭でも例を挙げましたが、さらに例文を見てみましょう。日常生活ではあまり使われない言葉であり、実際に耳にしても「何のことですか?」と質問したくなるかもしれませんね。

わざわざ仲人を立てる人も以前に比べて少なくなりましたから、なおさらわかりにくいかもしれません。それでもこの美しい日本語を使って、仲人にまつわる例文を考えてみましょう。もしそのようなおめでたい機会があれば、どんどん使ってみたいものです。

「結婚することが決まりましたので、○○さんに月下氷人をお引き受けいただきたいのですが」 このように、上司に対して仲人をお願いするときに使えます。また、 「○○さんからぜひ月下氷人をと頼まれたときは、正直役不足かと思いました」 仲人を頼まれる側でも、同じような使い方ができます。

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「空前絶後(くうぜんぜつご)」の意味と使い方|中国の皇帝が送った言葉

空前絶後という言葉の意味をご存知ですが?

人気芸人のネタのフレーズもなっており、聞く機会が多い四字熟語になっていますが、その空前絶後の正しい意味や由来を知っている人は少ないかもしれません。

「まさに空前絶後の出来事であった」「空前絶後の歴史的事件」このような用法で使うのが、空前絶後になります。

これがどのような意味であるのか、というのはなんとなく知っている人も多いでしょう。しかし、正確な意味やどんな状況で使うのか、ということを明確に理解している人は少ないかもしれません。

空前絶後の意味


出典:ぱくたそ

空前絶後の意味は、これまでなかったこと、そしてこれからもないことです。しかし、この今後ないことというのは、間違いなく起きることがないものにしか使えないというわけではありません。

例えば地震とかの天災もどんなに大きなものであろうと地震という事象はその後も起きうることですが、空前絶後という言葉は使うことができます。

何かスポーツの記録でもそうです。その時に空前であれば基本的に空前絶後という言葉は問題なく使うことができるのです。

空前絶後の由来

空前絶後の由来として、実は歴史的な由来があります。風流の造詣が深かった中国の皇帝・徽宗が唐代の画家・呉道子の絵画についての評価をした時の話しです。

「東晋の顧愷之の絵画は、それ以前には比べ得ることができるものは一切なく、後梁の張僧繇の絵はそれ以後に比べて得るものがないと言われているが、呉道子というはその二人の画才を兼備しているほどの画家である、と評価をしたのですが、このときの言葉が空前絶後、という言葉になりました。

ある意味で呉道子という画家を褒めるために作られた言葉であるといえます。言葉の成り立ち、故事成句というのが多いのです。

空前絶後の例文


出典:ぱくたそ

割と空前絶後という言葉は日常でも使えますし、ニュースなどにも出てきます。

「空前絶後の記録が出た」や「空前絶後の大事件となりました」といった使い方ができます。良いことにも使えますし、悪いことにも使うことができる言葉になっています。

空前絶後自体に善悪はなく、これまでにないことであり、今後もないようなことというだけですから、そこに善悪の感情が入り込むことはないので、どちらにも使えるようになっているといえます。

文章やニュース、あるいは激励などには使えますが、そこまで日常的に頻繁に使う言葉ではありません。

どうしても気宇壮大な感じになりますから、極端な表現、となってしまうこともありますので使用するときにはそれに相応しいものであるのかということをよく考えるようにした方がいいかもしれません。

どの四字熟語にも、由来があります。

空前絶後の類義語・対義語


出典:ぱくたそ

「いわゆる(所謂)」の意味や使い方|例文も紹介

「その決断において彼は上司に気を使った、いわゆる忖度をしたのだ。」

この中の「いわゆる」という言葉、よく耳にしますよね。 日常においても、挨拶やスピーチの中でも使われる機会の多い言葉です。あなたは正しく使えているでしょうか。 「いわいる」と言ってみたりしていませんか。せっかくですのでこの「いわゆる」という言葉について考えてみましょう。

いわゆるの意味


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「いわゆる」とはどういう意味なのでしょうか。この言葉は、何かを言い換えるときに使います。 特に、「世の中で言われている表現で言うと」といった意味があります。 上の文で考えてみましょう。

「その決断において彼は上司に気を使った、いわゆる忖度をしたのだ。」 これを言い換えると、 「その決断において彼は上司に気を使った、世の中でよく言われる表現で言うと、忖度をしたのだ。 」長いですよね。たった四文字で使える「いわゆる」はとても便利な言葉です。

でも、だからこそ違和感のある使い方になってしまわないように気を付けなくてはいけません。 ちなみに、漢字では「所謂」と書きます。

いわゆるの由来・言葉の背景

このいわゆるという言葉がどこからきているのか、漢字からひも解いてみましょう。 「所謂」の「謂」という字ですが、ここでは「言う」と同じであると考えてよいでしょう。 これを漢文のように読んでみると、言うところの。 これを一気に訓読みして「いわゆる」と読み変えているわけです。 “いわゆる”熟字訓というものですね。

いわゆるの例文を紹介


出典:写真AC

ここからは、この「いわゆる」という言葉をどういう時に使うのかを考えていきましょう。 例を挙げてみます。

「このお店のスイーツは、いわゆるインスタ映えというやつだね。」 この文は、「いわゆる」前に出てくる「このお店のスイーツ」について、後に出てくる「インスタ映え」と説明するような文です。 このように、前に出てきた事柄を、後につける名詞で説明する使い方が一般的です。

もう一つ例を見てみましょう。 「このウェブサイトには、いわゆるフェイクニュースが多い。」 今度は、「このウェブサイト」について、「フェイクニュース」が「多い」と説明しています。 言い換えると、「このウェブサイトに多い」のは「フェイクニュース」と説明しているのです。

このように、ただの説明ではなく、「フェイクニュース」という単語を際立たせるような使い方がされることもあるのです。

さらにもう一つあります。 「彼の印象は、いわゆる教師とはかけ離れている。」この場合の「いわゆる」には、「教師」という言葉のステレオタイプな印象を抽出する効果があります。 一つの言葉ですが、色々な効果がありますね。

いわゆる〇〇というやつだの例文

この映画の結末は、いわゆるどんでん返しというやつだ。

あの人の仕事ぶりは、いわゆるプロフェッショナルというやつだ。

この地域の伝統的な料理は、いわゆる郷土料理というやつだ。

この店のデザインは、いわゆるミニマリズムというやつだね。

いわゆる〇〇とかけ離れているの例文

彼女の教育方法は、いわゆる典型的な学校教育とはかけ離れている。

彼女の作品は、いわゆる現代美術とはかけ離れている。

その映画のプロットは、いわゆるハリウッドの大作とはかけ離れている。

いわゆるの類義語・対義語


出典:写真AC

続いては、「いわゆる」の類義語や対義語をご紹介します。 類語としては、

「俗に言うと」世間一般で言うと

「通称」普通に呼ばれている

「いわば」ある意味で

「つまり」や「要するに」も類語といえるでしょう。 「このお店のスイーツは綺麗だ。要するにインスタ映えというやつだね。」 やはり、いわゆると意味の変わらない文になりました。

また、「言うなれば」も類語といえるでしょう。 「このお店のスイーツは、いわゆるインスタ映えというやつだね。」 という例を挙げました。 「このお店のスイーツは、言うなればインスタ映えというやつだね。」 と、置き換えてもいわゆると意味の変わらない文といえます。 

一方で対義語ですが、この「いわゆる」という言葉自体に意味はないため、これといった対義語はありません。

「独自の」が一番近いニュアンスかと思います。

「いわゆる」が一般的なものを指すのに対し、独自性を強調します。

コスパが良い日本語 いわゆる

ここ数年よく「コスパ」という言葉を耳にします。 これは「コストパフォーマンス」の略ですが、「いわゆる」はまさにコスパが良い言葉なのです。 ある事柄を一言で説明するときに使う言葉、つまり文字数の節約に使うことができるわけです。

さらに、「いわゆる」の後に続く名詞を強調していることが多いので、その分の一番大事な部分が一目でわかるという効果があります。 たった四文字で大きな効果をもたらす「いわゆる」という言葉はまさに、コスパに敏感な現代を象徴する言葉であるといえるのです。

「一陽来復(いちようらいふく)」の意味と使い方|古代中国における占いの言葉

私達の生活の中で普段当たり前のように使っている「日本語」ですが、日常生活の中では、なかなか使わないような言葉もあります。

特に四字熟語に関しては、よくその意味を理解していないものもあり、知らない四時熟語が意外と多いものです。

そんな知られざる言葉について、今回は紹介します。 その言葉の意味を理解して、日常の会話の中で使ってみてはいかがでしょうか。

次のような文章がありますので、まず読んでみて下さい。 『最近、熱を出して寝込んだり、財布を落としたりと ここのところ悪いことばかり続いているような気がする。 人生には色々な時期があり、何をやっても上手くいかない時もある。 でもある時期を過ぎれば、一陽来復、全てが上手く行くように変わっていくはずさ。』

上記の文章に出てきた「一陽来復」。 この言葉をご存じでしょうか?

初めて聞いたという方も多くいるかもしれませんね。 それほど聞き慣れない言葉だと思います。

「一陽来復」の読み方は「いちようらいふく」と言います、 今回はこの「一陽来復」についての意味や使い方について、説明致します。

一陽来復の意味


出典:ぱくたそ

上記の例文で使用した「一陽来復」のその意味ですが以下のようなものがあります。

・物事が回復すること。
・陰暦十一月のこと。
・冬至の日のこと。
・冬が去って春がくること(春の兆し)。
・悪いことが続いたあと、ようやく運が向いてくること。

「一陽来復」は冬至の呼び名ともいわれる言葉でもあります

そもそもの意味としては「冬が続いた後、春の訪れのきざしが現れる」ということです。 春は、旧暦でいう春なので、新年が来るという意味も含みます。 昔は冬至を新年の起点としていたのです。

もう一つの意味としては、長く厳しい冬を乗り越えて、やっと温かい春の訪れを感じる喜びから、 悪いことの次には良いことが起こるとの解釈が生まれたことです。

古来の人々にとって冬の時期は、暖をとることや、食料を確保することなど 冬を乗り越えるということは大変な事だったのです。

一陽来復の由来


出典:ぱくたそ

「一陽来復」は冬至を表し、古代中国占いの書「易経」に登場する言葉です。

「陰が極まって陽が生ずる」ということを表しており、 簡単に言い換えると、「陰が極まる→陰が終わる。 陽が生ずる→陽が戻ってくる」となります。 つまり陰が終わって、陽が戻ってくるということです。

これを暗いから明るいへと置き変わる一年の起点が「冬至」となるわけです。 

どの四字熟語にも、由来があります。

「一念発起(いちねんほっき)」の意味と使い方|由来・類語・英訳

【意味】 強い決意をもって、夢や目標を達成する。または、新しい何かを生み出すこと。
【由来】 歎異抄(たんにしょう)という本に掲載されている言葉から。
【類語】 「一年発心」「一心発起」「感奮興起」「一心不乱」「真一文字」「熱烈峻厳」「精神一到」「無二無三」「緊褌一番」
【対義語】
【英訳】 make up one’s mind to do

『一念発起したおかげで、難しい仕事を成し遂げることができました』。この文章を読んだ時に、「一念発起」の意味をしっかりと説明できる人は以外に少ないかもしれません。

「一念発起」という四字熟語は、分かっているようで説明しにくい四文字熟語のように思われます。

そこで今回は、「一念発起」の意味や由来、使い方などを説明していきたいと思います。

一念発起の意味


出典:ぱくたそ

「一念(いちねん)」は、『思いを一点に集中させて、留まらせる』という意味が込められています。

その一方で「発起(ほっき)」は、『それまでの考えを改めて、新しいアイデアを思いつく』という意味が込められています。つまり「一念発起」は、『強い決意をもって、夢や目標を達成する。または、新しい何かを生み出す』という意味がこもっているのです。

一念発起の由来


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「一念発起」は、仏教が由来になっている四文字熟語なのです。ちょっと意外ですよね。

元々は、歎異抄(たんにしょう)という本に掲載されている言葉とされています。

本来の「一念発起」は、「仏の教えを学ぶ機会をたくさん得た結果、仏の教えを心から信じて、その教えに従った生き方をしていく」という決意の表れのようです。

ちなみに、「一念」には、「念仏を唱える」旨の意味が込められているようで、「発起」には、「菩提心」という意味が込められている説もあります。

これらの意味からしても、「一念発起」は、やっぱり仏教に深く通ずる四文字熟語なのが見て取れますね。

一念発起の使い方


出典:ぱくたそ

一念発起という言葉は、

①目標や目的を持って挑戦しようと決意すること
②失敗や挫折から改心して一つのことを成し遂げること
③決意して何かに取り組むこと

この3つにわけて使うことができます。

「一念発起」の意味や由来を理解したところで、ここからは、「一念発起」を使った例文を2つ紹介したいと思います。

まず1つ目は、『一念発起して受験勉強したおかげで、第一志望の大学に合格することができた』です。

これは、『「第一志望の学校に絶対に合格するぞ!」という強い決意を持って、受験勉強に臨んだからこそ、合格できた』という意味ですね。

2つ目にあげる例文は、『良いプロジェクトを成し遂げるために、一念発起しました』です。

これは、ビジネスの場で使える例文ですね。仕事は、いつも同じ内容とは限りません。

時には、自分の限界を試される仕事にチャレンジすることもあるでしょう。そんな時こそ、「一念発起」していい仕事を成し遂げたいものですね。

このようにして見てみると、一念発起という言葉は、まだまだいろんな応用が利きそうですね。もっと、賢い使い方をすれば、周りから注目されること間違いなし!上司からも、一目置かれるかもしれませんね。

どの四字熟語にも、由来があります。

「神出鬼没(しんしゅつきぼつ)」の意味と由来|例文も紹介

「千変万化(せんぺんばんか)」の意味や使い方|類語対義語も紹介

「異国情緒(いこくじょうちょ)」の意味と由来|例文も紹介

異国情緒溢れる光景、異国情緒を感じる風景、という言葉をよく耳にするかもしれません。

どんな風景であるのか、といいますと日本とは異なる雰囲気を持っている風景です。

情緒というのはまさに雰囲気という意味であり、具体的に姿形であることもありますが、場の空気感など感覚的な部分も大きくなっています。今回は「異国情緒」という言葉にスポットを当て、意味や例文を紹介します。

異国情緒の意味


出典:ぱくたそ

異国情緒の意味は、異国風である、つまり外国の風情を感じるということです。外国の風情を感じさえすれば、必ずしも異国の物である必要性はありません。

完全に作られたものであろうとも、そう感じるのであれば異国情緒があるようなもの、と言っても過言ではないのです。

ただし、ここで注意したいのは別に欧米風であることが定義になっているわけではない、ということです。例えば大陸系のものでも異国情緒がそれなりに感じられるものであるといえるでしょう。しかし、あまり中国や韓国などの東アジア系のものは異国情緒があると言われないことが多いです。

元々、日本と物凄く関係が深い地域ですし、建設から服装、風習、制度に至るまでかなり影響を受けていることは間違いないことになりますから、あまり異国情緒を感じるようなものではないと思われることが多いです。

また、日本では海外であることが異国情緒を感じるものであるわけですが、例えばヨーロッパからみれば日本風の家屋を自国で見ると異国情緒を感じるとなります。

その場所の文化や風習、慣習などとは違う様式のものを感じることが異国情緒を感じる、ということになるのです。

異国情緒の由来


出典:ぱくたそ

異国情緒の由来は名前の通り、異国と情緒、という言葉の組み合わせになります。異国は名前の通り、国が違う、ということです。当然、国が違えば風習や建築様式、そもそも雰囲気が違うことになります。

そして、情緒ですがこれは、いろいろな物事触れることによって、起こりうるさまざまの微妙な感情や雰囲気の変化、ということになります。つまりは、異国情緒、というのは異国の文化なり雰囲気を味わうことによって起こりうる感情や心境の変化、ということにもなります。

ちなみに多くの場合「いこくじょうちょ」と読みますが、実は本来の読み方としては「いこくじょうしょ」というのがありました。

しかし、言葉と言うのは読み方も変ることが多いものですから、今では「いこくじょうちょ」でも間違いではありません。

異国情緒の例文

異国情緒という言葉は例えば国内で異国の洋式のものを見たり、使ったりする場面となります。

例文としては、「彼女の出したカップは異国情緒溢れるセンスのよいものであった」や「日本の名山に異国情緒溢れるレンガ造りの建物があり、ちょっとした違和感と共に文化の広さを感じることができた」というような使い方ができるようになっています。

要するに普段、日本では見ないような外国の雰囲気や様式を見た時に使うものであるといえます。極端に間違っていると言う事でもない限りは、海外の雰囲気があるものに関して使うことが出来る言葉です。

異国情緒の類語


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類語としては異国情調というのがあります。意味的にはほぼ同じです。違う部分としては、調、という言葉ですが、これは「しらべ」とも読みます。調査という「調べる」という意味ではなく、音の流れや音程の高低という意味になります。つまり、「異国の調べ」という意味合いになります。

対義語としては国風、というのがあります。国風文化とも言われますが日本の場合、それが異国情緒の反対ともいえる言葉になることでしょう。

しかし、これは日本で言えばという話しであり、日本風であることが必ずしも異国情緒の対義語になるのか、といえばその人の属性によって違ってくることになりますから、その点は注意しましょう。

どの四字熟語にも、由来があります。

「意味深長(いみしんちょう)」の意味と由来|例文も紹介

「意味深長な表情を浮かべる」

この文章を読んで、文中に出てくる「意味深長」という言葉の意味をご存知でしょうか。

日常生活の中では「意味深」という言葉の方が耳にすることが多いと思います。「意味深長」を略しているようにも聞こえますね。よく聞くけど実際にどんな意味?と聞かれると詳しく説明できないかもしれません。

今回は四字熟語である、「意味深長」にはいったいどんな意味があるのか、どんな場面で役立つ言葉なのか、紹介していきましょう。

意味深長の意味


出典:ぱくたそ

 まず読み方です。「いみしんちょう」と読みます。

意味は、発言した言葉や態度に実は奥深い意味があるという様子です。言葉や態度にそれ以上の何か深い意味が込められているということです。

先ほど紹介した「意味深」も同じ意味があります。 「深長」という漢字を、慎重や新調、伸長と間違えて安いので注意しましょう。

意味深長の由来

意味深長という言葉ができた由来を説明します。

昔の中国の王朝である北宋の学者で、程頤(ていい)という方がいました。その学者が17歳のころ「論語」という書物を読んでいました。

読み始めた当時は内容を理解しているつもりでしたが、年齢を重ねれば重ねるごとに読むとより奥深い意味があるということに気づきました。「意味深長」は、この出来事が由来であると言われています。

意味深長の例文


出典:ぱくたそ

 意味深長の意味はよくわかりましたね。 続いてはこの四字熟語はいったいどんな場面で使えるのかみていきましょう。

「上司が意味深長な行動を取るので気になってしまう」

これは上司が何か意味ありげな行動をしていることを表しています。

「母の言い回しは意味深長だ」

こちらも母の発言には何か奥深い意味があるというのを表しています。

「彼女が意味深長な微笑みを浮かべている」

彼女の微笑みには楽しいから嬉しいから笑っているのではなく、ほかに何か違う意味があるように思えます。 普段と違うような物言いや様子に何か深い意味があるのではないかと思ったときに使っていますね。

ストレートに物事を伝えるのが難しいとき、相手にその言い回しや行動から何か察してほしい、読み取って欲しいときに使います。はっきり言ってしまうと相手が傷ついてしまう内容だったりするときには便利ですね。

相手に言葉や行動の裏を読み取る能力が必要になりますが、うまく使えれば相手を傷つけることなく伝えられます。

意味深長の類義語、対義語

 ここでは意味深長の類義語を紹介します。 類義語には、意味深い、意義深い、意味ありげ、などがあります。 類義語というだけに意味は似ています。意味深長よりも日常会話で使うことが多いのではないでしょうか。

同じ四字熟語の類義語には意在言外、微言大義があります。どちらも同じような意味があります。こちらのほうがあまり聞いたことのない言葉かもしれません。

続いて対義語です。 四字熟語の対義語は「単純明快」で、深い意味がなく分かりやすい様子を表します。発言した言葉や行動に特に深い意味はないということです。

どの四字熟語にも、由来があります。

「えもいわれぬ」の意味や語源|例文も紹介

「この創作料理は、えもいわれぬ味わいに仕上がっている」、というコメントをテレビなどで聞くことがあります。そんな美味しそうな料理、人生に一度は口にしてみたいものですよね。

ところで「えもいわれぬ」という言葉、どういう意味があるのかと聞かれても解説するときに、意外に困ってしまうものではないでしょうか。 

えもいわれぬの意味


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「えもいわれぬ」の意味を調べてみると、「言葉では何とも言い表せない」、「言葉として形容し難い」、「言葉に出来ないほど素晴らしい」、などの意味がある事が分かります。

しかし、この「えもいわれぬ」という言葉、言葉にできない様子を言葉にしているという何とも歯痒い言葉と言えるでしょう。 

えもいわれぬの語源

一般的に「えもいわれぬ」の語源は2つの説があります。 まず1つ目は、打ち消しの「え」が言葉の頭にきていることから、「~することができない」という否定の意味となりますので、「いわれる」という言葉が「いわれない」となり、「いうことができない」となった説があります。

次に2つ目は、感動を表現する「え」という感嘆詞に加えて、強調を表現する「も」という副詞で構成されることで、「感嘆の言葉すらでない」というが意味が語源だという説があります。 

えもいわれぬの例文


出典:写真AC

それでは、実際に例文を上げてみていきましょう。また、その状況に合わせた意味を解説していきます。

「赤いスポーツカーが、追い越し車線をえもいわれぬ早さで走り去っていった」 この表現だと、「言葉で言い表せない」というよりも「何ともいえない早さ」、「凄い早さ」と言ったところでしょうか。この場合は、「あっという間」が近い言葉と言えます。

「北極に旅行したとき、オーラロが見える夜空に出会えたときは、えもいわれぬ世界だった」 この場合は「言葉にできないほど美しい世界」ということを表していることとなります。「えもいわれぬ美しさ」と表現してしまう時もありますが、この使い方でも特段間違えというわけではありません。

「ここのお店の料理は、どれを食べでもえもいわれぬ味わいだ」 これは、「なんとも表現しがたい美味しい味だ」といった意味合いになります。

注意点としては、この「なんとも」という表現が、捉え方を変えると「味が美味しくない」といった意味合いに受け取れる場合もありますが、「えもいわれぬ」には、その対象となる物に対して否定の感情を表す意味は持ち合わせていませんので、「美味しくない」としての意味を表す側面はありません。

えもいわれぬの類義語・対義語


出典:写真AC

「えもいわれぬ」の同義語には、「えもいえぬ」、「言い難い」、「言い知れぬ」など多くの言葉があります。同義語の中には否定的な場面でも使われる言葉が含まれていますが、「えもいわれぬ」には否定的な意味合いはありませんので注意が必要です。

一方で、「えもいわれぬ」の対義語となる言葉や表現となる「はっきりと素晴らしくない」といったような言葉の表現は存在しません。理由としては「えもいわれぬ」自体が何とも言えない感情を表しているため、はっきりした感情を表す言葉がないためと言われています。

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【紀元前からある”遊び”】お手玉の歴史と誰でもできる遊び方

お手玉の歴史

 お手玉の起源は諸説ありますが、最古のものは紀元前5世紀ごろ、リディア人からギリシアへ伝達された「アストラガリ」だと言われています。

後にシルクロードを通り、インドや中国へ伝わり、ヨーロッパやアジアなど世界中に広まったと考えられています。

日本に伝わったのは奈良時代の頃です。水晶や石を使っており、「石名取玉」という名前で親しまれていました。聖徳太子が使用していた石は、現在東京上野の国立法隆寺博物館で見ることができます。

お手玉の材料


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そのような歴史を持つお手玉ですので、材料は時代や場所によって様々です。 日本もっともポピュラーなのは小豆です。

ほかには、まるだいず、とうもろこし、そば米などが使われることがあります。珍しいものでは、巻貝やシジミの貝殻を使ったものもあり、独特の心地よい音を出します。

海外をみると、中国では日本の大豆より大きい、茶の実が使われます。ハワイではフクビという花の実を使います。最近では、ペレットというプラスチックを加工した粒が使われ、特に虫食いの心配のない球形ペレットは、世界中で使用されています。

お手玉の種類


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お手玉の形は、大きく分けて四つあります。 一つ目は「ざぶとん」型。底面が広く、安定した形状が特徴です。江戸末期~明治にかけて普及したもので、現在の日本で最も普及しているものです。

「お手玉大会」で使用されるのも「ざぶとん」型です。二種類の布を組み合わせるので、カラフルでかわいらしいお手玉です。 二つ目は「かます」型。穀物の入れ物である「かます」の形をしたもので、最も作りやすく、最も歴史の古い形です。

三つ目は俵型。日本人の主食であるお米を入れる俵をかたどったものです。江戸時代後半から流行りだし、現在のお手玉と同程度の重さ(40~50g)になりました。

四つ目が枕型。同じく江戸時代後半に、作られるようになりました。当時中に入れられていたのは、主にそば、ひえの実です。

お手玉の起源に関する諸説


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お手玉には、「振り技」と「拾い技」と呼ばれる遊び方があります。いくつかを上にあげて遊ぶのが振り技。お手玉を床に撒き、一つだけを上げながら、残りを寄せ集めたり手をくぐらせるのが拾い技です。

お手玉の歴史で見た通り、その起源には諸説があります。 冒頭で紹介したのは、元京都大学教授の藤本浩之輔氏による「紀元前5世紀説」です。古代アナトリア半島(現トルコ)のリディア人からギリシャへ伝えられた「アストラガリ」は、拾い技だったといわれています。

アストラガリは、現在の布袋に代わり、羊のかかとの骨を使って遊んでいたとされ、そのような痕跡を欧州各地の博物館で見ることができます。アジアに伝わった際には、骨の代わりに小石を使いました。

この遊びは「石なご」と呼ばれ、日本でも同様に石を使っていたと考えられています。 また、アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究によれば、最も古いお手玉遊びは古代エジプトにあるとされます。

約4,000年前の古代エジプト壁画に、お手玉のような遊びをする様子が描かれています。 現代の日本では、「日本お手玉の会」により、1992年に9月20日がお手玉の日と制定されました。この日、愛媛県で全国お手玉遊び大会が初めて開かれ、日本のお手玉遊びの文化の継承に大いに貢献しています。

【守り続けられた粋なお座敷遊び】投扇興の遊び方と歴史|体験できるスポットも

【男なら一度はしてみたい?】芸者と遊ぶ「お座敷遊び」の魅力とルール