福島の日本酒と言えば「この銘柄」と、ひとつには絞れない程多くの日本酒が存在しており、その様々な味わい・飲み心地は日本全国多くの人を魅了しています。
これだけ福島に日本酒の種類が多く存在する理由は、全国の中でも3番目に広い面積、その広大な土地にそびえ立つ山脈、山々に区切られた盆地、流れる清流、標高差の大きさがうみだす気候の差が挙げられます。 山に囲まれた盆地は、夏は蒸し暑く冬は雪が多くなる特徴があり、周囲の山々からは清らかな水が流れ込みます。
このような寒暖の激しさ、綺麗な伏流水が美味しいお米を作りだすのです。会津産のコシヒカリは、新潟県魚沼産同様の特Aという高い評価を得ており、福島県は全国的にお米の産地としても知られています。
その大地の恵みを存分に吸収し美味しく育ったお米は、伝統を守り続けてきた各酒蔵の杜氏によって、美味しい銘酒へと加工されるのです。
毎年開かれる国内最大規模の新酒鑑評会となる全国新酒鑑評会で、福島県から出品した日本酒が、全国から860銘柄集まる中31銘柄が入賞しています。このうち19銘柄が金賞を受賞し、6年連続で金賞受賞数が日本一となったのです。
福島県の蔵元は、会津若松市に12、両沼市に4、田島市に4、喜多方市に10、福島市に1つ、いわき市に3、相双市に4、二本松市に5つ、郡山市に7つ、須賀川市に3つ、東白川に3つ、白河市に5つと現在61。福島県内の様々な地域で優秀な日本酒が製造されているのです。
福島県のおすすめ日本酒①
天明
旨味、甘み、酸味のバランスと個性を大切にしている天明ブランドの日本酒は、女性が3代続けて蔵元を務めたという、全国でも珍しい「女系の酒蔵」という歴史を持つ曙酒造で製造されています。
仕込みは基本的には速醸仕込みで、100年以上伝統の味を守り続けていますが、最近では独特の酸を目指して山廃や生酛といった新しい仕込みにも挑戦しています。
純米吟醸・無濾過生の天明は、無濾過生らしいみずみずしいフルーツの香りとフレッシュな酸味、お米の甘みと旨味を感じることの出来るお酒となっています。
曙酒造は、震災の際に蔵が被災したことから被災地支援も積極的に行っており、「ハート天明」シリーズの売り上げの一部を寄付するなどの取り組みを行っています。
福島県のおすすめ日本酒②
写楽
福岡の銘酒「写楽」は、会津若松城の門前に蔵を構える宮泉銘醸の日本酒です。創業は昭和29年で、仕込み水に使用する自家井戸水が名水の「宮水」に極めて近い品質を示していたことから命名されています。写楽は、同じ市内に合った東山酒造から譲り受けた銘柄で、大変人気のある日本酒となっています。
地酒専門店向けに立ち上げられたお酒であるため蔵では購入することが出来ず、購入は正規特約店での購入となりますが、入荷本数は少なく1人当たりの注文が制限されて販売されることもあるお酒です。
様々な種類の中でも定番となる純米吟醸は、お米は五百万石、精米歩合50%と大吟醸レベルまで磨かれたものを使用します。みずみずしいメロンのような甘みとフレッシュな酸味が特徴的で、上品な味わいで飲みやすい日本酒となっています。