着物の種類と用途|様々なシーンに合わせた着物と和小物

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不幸の場合に着用する着物

着物の種類その7 喪服(もふく)

不幸があった場合に喪主や親族としても、弔問する参列者としても着用して失礼のない着物の種類、「喪の礼装」が喪服です。

男性の場合は、黒羽二重染め抜きの五つ紋の着物に、羽織紐が黒か白の羽織と平織りの袴を着用します。

半襟・長襦袢は白または黒かグレーを使用します。扇子は不要ですので注意しましょう。 女性の場合は背中と両袖の後ろ、胸元に「五つ紋」と呼ばれる合計5つの家紋が入ったものが正式なものです。

家紋が三つ入った「三つ紋」や一つの「一つ紋」は準喪服とされます。着用時には半襟・長襦袢は白黒の帯を合わせ、髪飾りや帯止めは不要です。

既婚女性の第一礼装として知られる着物

着物の種類その8 黒留袖(くろとめそで)


出典:写真AC

絵羽模様が腰よりも下の位置にのみに描かれる黒留袖は、背中と両袖の後ろ、胸元に「五つ紋」と呼ばれる合計5つの家紋が入ります。

着物の種類の中では最も格が高いものとされ、洋服のイブニングドレスと同等の扱いとなり、「第一礼装」に位置付けされています。既婚の女性が身に付けるものとして用いられ、結婚式や披露宴では新郎新婦の母親や仲人夫人、親族の既婚女性の出席時などに用いられることが多い着物です。

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未婚・既婚問わず誰でも気軽に着れる着物

着物の種類その9 色留袖(いろとめそで)


出典:写真AC

色留袖は 黒以外で染められた留袖で、絵羽模様が腰よりも下の位置にのみに描かれています。

五つ紋であれば、着物の種類の中で最も格が高いとされる黒留袖と同等の第一礼服となります。日本の伝統が色濃く残る宮中では、「黒は喪の色」とされ黒留袖では無く色留袖が用いられます。

慣例的に叙勲などの参内行事への参加者や、皇族の方は色留袖を着用することになっています。

また、施す家紋の数が少ない「三つ紋」や「一つ紋」はそれぞれ訪問着や格下げと同様の扱いとなります。色留袖は、既婚者、未婚者を問わず女性用の着物として広く用いられています。

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