妖怪の種類を紹介|有名な日本三大妖怪からユニークな妖怪まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

全国に存在する妖怪や物の怪に関する伝説・説話は、その種類も異色さも豊富です。鬼や天狗といった有名なものから、いったんもめんやぬらりひょんなど創作物に取り上げられるもの、塗り壁ややまびこなど奇想天外なものまで、日本全国の様々な種類の妖怪を紹介します。

妖怪の歴史

日本の妖怪伝説のベーシックな部分が完成したと考えられるのは奈良時代です。妖怪が最初に文献に登場したのが奈良時代に編纂された『日本書紀』で、「鬼」や「天狗」が登場します。

平安時代に入ると様々なもののけや妖怪が姿を現し始め、妖怪の種類が増加しました。有名な『源氏物語』や『日本霊異記』、『今昔物語集』などでは妖怪の様子が生き生きと描かれています。

戦乱の時代であった鎌倉・室町時代にはさらに妖怪の種類が増え、有名な『百鬼夜行絵巻』でその姿を確認することができます。

庶民の文化が活性化した江戸時代には怪談話が流行し、「妖怪ブーム」ともいえる現象が発生しました。時にはユーモラスな種類の妖怪が登場したのも、この妖怪ブームが影響しているのでしょう。

明治、大正、昭和と文明社会として日本が成長すると共に妖怪は存在感を失っていきますが、「口裂け女」や「トイレの花子さん」などの都市伝説が、形を変えた現代の妖怪の種類だと言えるでしょう。日本の歴史は妖怪変化の類との付き合いが長い歴史と言うこともできそうですね。

日本三大妖怪①

河童


出典:写真AC

全国的に伝説が残る河童は、日本で最も有名な妖怪だと言えます。非常に広範囲で伝承されているために「河太郎」や「猿猴(えんこう)」、「シバテン」など呼び名や伝えられる姿も地方によって異なります。

様々なキャラクターにモチーフとして採用されるなど、人々から親しまれている妖怪の代表的な種類だと言えるでしょう。一般的には「頭に皿、背中には甲羅、手足には水掻きがあり、キュウリが好物で悪戯好き」と言われています。

「土木工事を手伝った」「河童を助けた人間に魚を贈って感謝をした」「秘伝の薬の製法を教えた」など人間に愛される言い伝えもある一方で、「通行人や泳いでいる人を水に引き込み溺れさせる」「水中で尻子玉(架空の臓器)を抜く」など恐ろしい話も伝えられています。

日本三大妖怪②


出典:写真AC

鬼は、超人的な力を持つ妖怪として全国的に伝承されています。一般的には「細かくちぢれた髪で頭に角が生え、口と指には鋭い牙と爪があり、虎の皮の腰布を身に付け突起のある金棒を持っている」のが鬼のイメージでしょう。「赤鬼」、「青鬼」、「黒鬼」などいくつかの種類があります。

鬼は人に危害を加え、人を食べる悪い存在であり、地獄の閻魔の配下も言われます。 また、能で使用される「般若の面」のように、憎しみや嫉妬の念が満ちた人が鬼に変化するとも考えられ、人間が持つ「負の感情」を象徴する存在とも言えます。 鬼は妖怪の種類の中でも、人の内面的なものを投射したものだと言えるでしょう。

日本三大妖怪③

天狗


出典:写真AC

天狗は「山の神」として崇められる妖怪です。一般的には「赤ら顔で鼻が高く(長く)、山伏の装束で一本歯の高下駄を履き、羽団扇を持って自在に空を飛ぶことができる」と言われます。鼻が高い「鼻高天狗」、鼻先が尖った「烏天狗」、「木の葉天狗」などの種類に分けられます。

山岳信仰の修験者である山伏などは、天狗について「富と名声を得ようとする傲慢で我の強い者が死後に転生する天狗道は魔界の一種である」としていました。

世に仇をなし、業が尽きたのちに再び人として転生しようとする「波旬」、自尊心と驕慢を縁として集まる「魔縁」と解釈されることもあります。科学的知識が無かった時代には「流星の落下」や「火山活動」など不可思議なことが起こると「天狗の仕業」だとされたようです。

【百鬼夜行絵巻】妖怪大好き日本人のルーツ?妖怪の大行進「百鬼夜行絵巻」

全国各地で伝えられる日本三大妖怪を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加