火祭りとは
火祭りというのは、火を焚いたり、松明を用いたりするなど、火を中心とした祭り全般を指しています。火祭りは神社で行われる神事の他、村の行事や修験道の祭りなどでも見られ、時期的には年末から2月頃にかけての寒い時期か、7~8月頃のお盆の行事に重なる時期に多く行われています。
火祭りの内容も様々で、大きな松明を設置してそれらに火をつけるものもあれば、大勢の参加者がそれぞれに松明を持って練り歩くというもの、京都の大文字五山送り火のように山で篝火を焚くものなど、同じ火の扱いでもずいぶん違いが見られます。
火祭りの由来
出典:写真AC
火祭りの由来には諸説あり、夏の時期に行われるものは慰霊のため、あるいは盆の送り火としての意味合いを持つものが多いです。
また、主に神社などで行われる火祭りは、火を焚くことでその神社の神様を祀るという意味もあります。
火山が近くにある地域の火祭りでは、鎮火のために開催するということが多いですし、農業を営んでいる地域では、豊穣を祈って火祭りを行うケースも見られます。
元々は神話や故事にちなんで始められた火祭りが多いですが、その内容は松明を持った人が神様を追手から守ったというものや、不貞を疑われた姫が出産のときに小屋に火を放って出産して身の証をたてたというものなど、様々です。
火祭りの歴史
出典:写真AC
火祭りの歴史は古く、中には2000年近く昔から行われていたと伝えられるものもあります。由来となる故事や史実は地域によって異なりますが、昔から日本では火を信仰する風習があり、火に宿る神々を敬うため、あるいは先祖の魂を慰めるために神事において火を焚くことが少なくありませんでした。
これに神話や故事、史実などで火にまつわるものが組み合わさり、独自の火祭りを行うようになっているのです。
最初は火を焚いたり松明を持って練り歩いたりする程度でしたが、徐々に祭りに火祭りの由来となった故事などの内容に即した役割や流れが出来上がり、今では神事と祭りを兼ねた大規模な火祭りに成長しているケースも見られます。
火祭り①
日本三大奇祭の一つ「吉田の火祭り」
「吉田の火祭り」は日本三大奇祭の1つといわれている、国が指定する重要無形民俗文化財です。
山梨県富士吉田市上吉田地区で毎年夏に行われ、2018年は8月26・27日に開催予定です。8月26日は鎮火祭で、大神輿や御影が諏訪神社の参道を下って氏子町内を回ります。
日が暮れると高さ3mのたけのこのような形をした大松明約70本、および各家に積まれた松明に一斉に点火します。27日は夕方になると2基の神輿が氏子の町内を回り、浅間神社に戻る際、氏子がすすきの玉串を持って神輿の後に高天原を回ります。
火祭りの激しさもインパクトがありますが、すすき祭りの荘厳さも一見の価値があります。
アクセスは、新宿駅から富士山駅までホリデー快速を使えば約120分、新宿高速バスターミナルや東京駅八重洲北口からバスで出向く場合も120分程度です。
火祭り②
長瀞の火祭り
長瀞の火祭りは、毎年3月に埼玉県長瀞町の宝登山ロープウェイ下大駐車場で開催される祭りです。2018年は3月4日開催で、午前中から屋台ばやしや居合抜刀術、獅子舞などが披露されます。
火祭りといわれる由縁は火渡り荒行修行が行われるためで、真言宗の総本山である醍醐寺の修験者が、燃え盛る炎の上を走り抜けます。
この炎は護摩の浄火で、最後まで渡ることによって、穢れや災難、障害などを焼き清め、宝福招来、開運厄除などのご利益がもたらされるといわれています。修験者の火渡りの後、一般奉賛者の火渡りもできるようになっています。
会場は長瀞駅から徒歩15分程度のところにあり、当日駅前では獅子舞の演舞を見たり、甘酒のサービスを受けたりできます。
車での移動も可能ですが、会場が駐車場ということもあり、毎年混雑しています。
日本の奇祭6選|裸に炎に竹、あなたの知らない日本が見れる祭り
【本場徳島の踊り子が東京で踊る】高円寺阿波踊り祭りの魅力と2018年の日程
【25万人を無言の盆踊りで魅了】富山県「おわら風の盆」2018年の日程と魅力