おわら風の盆とは
おわら風の盆(おわらかぜのぼん)は、三味線、笛、太鼓の曳山囃子につれて6台の曳山が曳かれる「曳山祭」でも有名な、富山県富山市の八尾地区で毎年9月1日から3日にかけて行われるお祭りの事をいいます。
おわら風の盆は、八尾市で歌い継がれている越中おわら節にのって、無言の踊り手さんたちが洗練された優雅な踊りを坂道が多い町の道筋で披露します。 おわら風の盆には優雅な踊りが特徴の女踊りと勇壮な男踊りがあり、2006年には富山の文化財百選にも選ばれました。
この見事な踊りを一目見ようと、踊りが行われる3日間の間には25万人もの見物客が八尾市に押し寄せます。
おわら風の盆の2018年日程・アクセス・料金など
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おわら風の盆は8月20日から8月30日までの間、八尾曳山展示館の観光会館ホールで前夜祭が行われます。 続く本祭のおわら風の盆は9月1日土曜日から9月3日月曜日までの間、富山市八尾小学校グラウンドの「おわら演舞場」で開催されます。
富山私立八尾小学校グラウンドまでのアクセスは、電車の場合だと少し不便ですが、シャトルバスなどが随時運航しているので交通規制がかかりシャトルバスの運行が止まってしまう午後3時までに会場入りすることをオススメします。
時間は午後7時から午後8時55分までの約2時間となっており、この約2時間の間に4つの出演グループが約25分ずつの間隔で入れ替わり、踊りを披露します。 演舞場への入場料は指定席3600円、自由席は2100円で、ローソンチケット、ピケットぴあ、電話、インターネットからの予約販売が可能になっています。
当日は交通安全、混雑防止のために午後3時から交通規制が行われるので、自車で現地まで行き、町民ひろばの特設専用駐車場を利用する場合は、交通規制が行われる午後3時までに駐車場に入っておく必要があります。
電車を利用する場合はJR高山線の越中八尾駅が一番近いですが、越中八尾駅から会場の八尾小学校グラウンドまでは徒歩40分ほどかかるので、越中八尾駅から出発するバスを利用するか、富山駅からのバスを利用することをおススメします。
おわら風の盆の歴史
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おわら風の盆の起源は、江戸時代の元禄(1688年から1704年まで)にさかのぼり、町外に流出してしまった重要文書を町衆が取り戻したことを称え喜び三日三晩踊り明かしたのが由来だといわれています。
おわら風の盆は、従来はどんな踊りでもよく、三味線、太鼓、尺八などの鳴り物も多種多様で、歌や仮装にも一定の縛りはありませんでした。 それがやがて、二百十日の風の台風が多い厄日に育てている作物が台風の風の被害にあわないようにと風神鎮魂を願い初め、「風の盆」と呼ぶようになったといわれています。
1985年には「越中おわら保存研修道場」が設立され、1989年に現在の呼び名である「越中八尾おわら道場」へと改名されました。
おわら風の盆の特徴・見どころ
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おわら風の盆の見どころは何といっても情緒ある街並みを舞台とした踊りです。 踊りを踊る踊り手たちの、指先までもが細かでしなやかな動きを表現しており、今までに味わったことのないような情緒あふれる雰囲気を漂わせます。
全員が息をそろえ、しなやかに、柔らかく、ときに機敏に舞う姿は、見る者の魂が揺さぶられます。 踊りの中で一瞬止まる間合いの見事さが、洗練された音楽ととても融合している風景もおわら風の盆の特徴ともいえるでしょう。
胡弓の音色は一度聴いたら耳から離れないほどのもので、「永遠にこの世界にとどまっていたい」と感じてしまうほどの見事さです。
越中おわら節の歌詞と意味を紹介
越中八尾おわら節は富山県富山市八尾地域で歌い継がれている民謡です。 越中八尾おわら節の歌詞は、7,7,7,5のリズムを基本とした26文字程度の構成になっています。 数千にもおよぶ様々な種類の創作歌詞が存在し、代表的な歌詞に「オワラ」という歌詞が特徴の八尾の春夏秋冬を読んだ「八尾四季」などが存在します。
春は「春の風」、夏は「灯とり虫」、秋は「霧や時雨」、冬は「雪」に焦点を当てて八尾の季節感を表現しています。 最初の7文字には場所を示す言葉が入っており、次の7文字には行動や仕草を表す言葉、次の7文字目には風景、次に八尾四季の特徴である「オワラ」が登場し、最後に季節の占めの言葉が入ります。
歌詞の上の区と下の区の間に「キタサノサ ドッコイサノサ(サッサ)」と掛け声のようなものが入り、会場の一体感がとても増します。
おわら風の盆の前夜祭
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午後6時30分から午後7時50分まで開催されるオワラステージの前夜祭は、8月20日から8月30日までの10日間行われます。
オワラステージでの前夜祭では、おわら風の盆の紹介映像の上映や、富山県民謡おわら保存会演指導者によるおわら踊りの踊り方の解説やレクチャー、富山民謡おわら保存会による唄、三味線、太鼓、胡弓の演奏鑑賞、男女の洗練させた舞台踊りの鑑賞などを体験することができます。
オワラステージ以外に各町内でも前夜祭を行っており、午後8時から午後10時までの間輪踊りや町流しを期間中毎日実施しています。 輪踊りに関しては自身も参加することが可能で、本際にはない前夜祭独特の雰囲気を味わうことができます。各町によって前夜祭の会場が異なってくるので、参加する場合は事前に調べておきましょう。
続いては、おわら風の盆を行っている諏訪町本通りについてご紹介します!