精米歩合とは
精米歩合とは、精米後の白米の、元の玄米に対する重量の割合になります。 お米は、周囲を削り、中心になればなる程に香りが良くなります。 つまり精米歩合とは、お米がどの程度削られたかを表す数値になるのです。 例えば、純米大吟醸酒で見かける精米歩合45%というのは、55%お米を削っているということになるのです。
削った表面部には、タンパク質、脂肪、灰分、ビタミン等が多く含まれているので、栄養満点ですが、多すぎると日本酒としての味や香りを悪くしてしまうデメリットが発生してしまうのです。 基本的に清酒と呼ばれるお酒は、精米歩合が75%以下の白米を使用することになっています。
ちなみに、削った分の残りは、ぬか漬けの原料や上質な飼料になります。 なお、一般家庭で食べられている米は、精米歩合92%程度の白米なのです。 また、全く精米されていない精米歩合100%のお米は玄米です。
精米歩合が低い日本酒の特徴
出典:写真AC
精米歩合が低い日本酒は、削る分だけの手間が非常にかかります。 それに、削る分だけ米粒が割れてしまうリスクも発生するので、高度な技術を必要とします。 その分だけの手間や技術を要する為に、高価な日本酒になるのです。
また、精米歩合が低ければ低い程、吟醸香(略して吟香とも言う)と呼ばれるフルーティーな香りが表れやすい上に、雑味が無くなりスッキリとした飲みやすい味わいになるのです。
その為、精米歩合が低い日本酒と言うのは、日本酒に慣れていない人やお酒がそこまで得意ではない人向けではあります。 単純に「飲みやすさ」という観点からお伝えすると、苦手意識が無くなりやすい為でもあります。
精米歩合が高い日本酒の特徴
逆に精米歩合が高い日本酒は、雑味やクセがあり、甘みが無いのが特徴的です。 元々お米の表面部のタンパク質や脂肪は雑味を生みやすいので、それが余計に発生しやすいです。 ただし、これはあくまで好みになるので、その雑味やクセが良い方が好きという人もいらっしゃいますし、反対に嫌いだという人もいらっしゃいます。
一概に「精米歩合が高いからまずい」というカテゴリーは設けることはできませんし、逆に「精米歩合が低いから美味しい」とも言い切れません。 さらに、精米歩合が高い日本酒は、悪酔いしやすいのもポイントとなっています。 表面部の雑味の元となっている部分が混じれば混じる分だけ、酔いやすいので注意が必要です。
その為、精米歩合が低い日本酒の時は悪酔いしなかったのに、精米歩合が高い日本酒になったら悪酔いするようになったというケースも発生するので、「同じ日本酒だから大丈夫」と油断しないようにして下さい。
精米歩合による日本酒の分類①
(純米)大吟醸酒
出典:写真AC
純米大吟醸酒は、精米歩合が50%以下、麹歩合15%以上、アルコール添加をしていないものを指します。 この日本酒のグレードの中で、フルーティーでクセの無いスッキリとした味をしているのが純米大吟醸酒なのです。 なお、精米歩合が50%以下であれば全てが対象になる為、40%、30%、20%、何なら10%以下でも対象となります。
ただし、その分だけ手間も技術も要する為、超高級な日本酒とも言える上に、よりフルーティーでクセが全くなく、非常に魅力的な日本酒とも言えるでしょう。 また、精米歩合と麹歩合が純米大吟醸酒と同じで、アルコール添加をしている日本酒のことを、純米を付けずに「大吟醸酒」と呼びます。
このアルコール添加の違いは、「防腐」「香りを引き立たせる」「軽快な味わいを生み出す」効果を含んでおります。 その為、純米大吟醸酒よりも防腐効果があり、フルーティーでスッキリした味わいがあるのが大吟醸酒なのです。 ただし、品質向上がより強くなった今では、防腐効果の役割は低くなりました。
精米歩合による日本酒の分類②
(純米)吟醸酒
出典:写真AC
純米吟醸酒は、精米歩合60%以下、麹歩合15%以上、アルコール添加をしていないものを指します。 また、大吟醸酒同様にアルコール添加をしているものは、純米を付けずに「吟醸酒」と呼びます。
その為、精米歩合が60%~50%に満たないお酒は上記のものが対象になります。なお、大吟醸酒も含めて「吟醸」と名の付く日本酒は、「吟醸造り」をした日本酒になります。
定義として「伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」を指します。 精米歩合で表すのであれば60%以下が吟醸に当てはまります。 それ以上の精米歩合は吟醸と名乗ることはできません。