泡盛の古酒(クース)とは
泡盛といえば沖縄では調味料として使用されるぐらい日常的なお酒です。
1671年に徳川家綱に献上した目録に「泡盛酒」と記されたのが最初とされています。 そんな泡盛の一番の魅力は、年月を重ね泡盛を寝かせることで泡盛が熟成され、風味がより深く育つところではないでしょうか。
3年以上寝かせた泡盛を「古酒(クース)」と呼び、その味わいは、かつてペリー一行が琉球を訪れた際に、「まるでブランデーのようだ」と感動したほどで、年代物のウイスキーやブランデーと変わらない芳醇さと味わいの深さを備えています。
古酒の定義とは?
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泡盛の古酒としての条件は、3年以上の熟成期間をもたせた泡盛にのみ表記して良いとしています。
以前は、泡盛の全体量に対して3年以上熟成された古酒が50%以上混入されていれば「古酒」との表記が可能としていましたが、平成27年8月1日から現在の規定である、泡盛の全ての量が3年以上熟成させた古酒にのみ「古酒」と表記するように変更となりました。
古酒には3年や5年など、貯蔵した年数を明記している商品が多く、購入する際には貯蔵年数を確認しながら手に取ることができます。
なお、3年未満の量販店などで販売されている泡盛は、古酒と区別するため、「一般酒」と呼ばれています。
古酒の中には「ブレンド酒」というものもあり、例えば3年貯蔵した古酒と5年貯蔵した古酒を混ぜて販売されているものもあります。そうした場合の貯蔵年数の表記は、常に貯蔵年数が少ないものを表記するという決まりがあります。ですから、この場合は「3年」という表記になります。
例えば50年貯蔵されていた泡盛に少しでも3年の古酒が混合されていれば、表記は「3年」となります。 さらに、古酒の中でも一般酒に10%以上の古酒がブレンドされた「混合酒」というものもあり、この場合は、そのお酒に古酒がどのくらいの割合で混合されているか表記する必要があります。
「ブレンド酒」や「混合酒」も、その混合された割合で味わいも変わってきますので、また違った泡盛の古酒を楽しむことができます。
味わい深い古酒の特徴
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泡盛の古酒の最大の特徴はなんといっても香りにあります。 酒造によって古酒の香りも違い、カカオのようなコクのある香りの古酒もあれば、磯の香りの古酒もあり、酒造の個性が光ります。
特にその中でもバニラのような甘い熟成した香りがするものが別格とされています。 古酒の香りの持ちは長く、飲んだ後も口の中でその風味の余韻を味わえる所も特徴です。
また、熟成されることにより、甘味や酸味、辛味など酒独特の味わいが程よくなり、バランスの取れた味わいになります。