九州で有名なお酒といえば芋焼酎ですが、皆さんも一度は飲んだことがあるのではないでしょうか?香りが強く、好みが分かれる味ですが、飲みやすいものから味わい深いものまで、様々な芋焼酎が販売されています。
今回は、粋編集部が選ぶオススメ芋焼酎を紹介します。
女性にも人気沸騰中の芋焼酎とは
出典:フォト蔵
芋焼酎は、サツマイモを原料として造られた焼酎です。
主に鹿児島県や宮崎県の蔵元で造られていて、なかでも「薩摩焼酎」はWTO世界貿易機関の協定に基づく産地指定を受け、世界的なブランドとなっています。
焼酎には、ほかにも米や麦などを原料としたものがありますが、芋焼酎はサツマイモ特有の濃い香りと味わいが大きな特徴です。あっさりとした飲みやすい麦焼酎にくらべると、かなり好みの分かれる焼酎でもありました。
しかし、近年では原料や製法に工夫をくわえ、よりクセの少ない口当たりのよい製品が数多く作られています。その後の本格焼酎ブームなども手伝って、現在ではほとんど需要がなかった若い女性たちの間でも人気のお酒となっています。
芋焼酎はどうやって作られる?
芋焼酎はまず、製麹からお酒づくりを行います。
麹にもさまざまな原料が用いられますが、その多くは米麹です。蒸した米に麹を付着させ、適度な温度と湿度で数日間かけて培養し、そうしてできた麹に、酵母と水を混ぜて1週間ほど置きます。
この一次仕込みによって、酒造に必要な酵母を増やすとともに、腐敗を防ぐクエン酸も生成することができます。これに原料のサツマイモをくわえ、もろみを造るのが二次仕込みです。 サツマイモは傷みやすいので、前日か当日に収穫したものを用います。
端の部分などをカットして洗浄、蒸した芋を粉砕機でつぶし、もろみを2週間ほど発酵させたら、次は蒸留を行います。蒸留器の蒸気で沸騰させ、アルコールの蒸気を集めて冷やし、タンクや甕で貯蔵します。こうして熟成させることで焼酎の質を安定させ、味わいもまろやかになります。
出荷前にはアルコール度数を調整する割水をくわえ、瓶詰めを行って商品とします。
一次仕込 |
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蒸した米に麹を付着させ、適度な温度と湿度で数日間かけて培養(麹完成)→麹・酵母・水を混ぜて1週間ほど置く。 |
二次仕込 |
一次仕込で酒造に必要な酵母を増やすとともに、腐敗を防ぐクエン酸も生成し、サツマイモを加えもろみを造る。 |
蒸留 |
蒸留器の蒸気で沸騰させ、アルコールの蒸気を集めて冷やし、タンクや甕で貯蔵。 |
おすすめ芋焼酎①赤霧島
まるでワインのような味わいの一本
赤霧島は、宮崎県都城市の霧島酒造が造るおすすめの芋焼酎です。
原料に用いられているムラサキマサリには、豊富なポリフェノールがふくまれています。このポリフェノールが麹の生成するクエン酸と反応すると、もろみが真っ赤に染まります。赤霧島という銘柄は、ここから名付けられました。
芋焼酎とは思えない、まろやかで上品なワインのような味わいが特徴。飲んだ後も、しばらく余韻を楽しむことができます。ワインのようにすっきりとしているので、いろいろな料理に合わせるのもおすすめです。
原料のムラサキマサリは「幻の紫芋」といわれ、赤霧島も平成15年の発売当時はとても手に入りにくい銘柄となっていました。 しかし、現在では供給量も安定。スーパーでも簡単に購入できるようになっています。価格もお手頃で、おすすめ芋焼酎のなかでもトップクラスの人気をほこっています。
おすすめ芋焼酎②白霧島
麹からサツマイモを使用したすべてサツマイモの芋焼酎
白霧島は、赤霧島と同じ霧島酒造が造るおすすめの芋焼酎です。 霧島酒造は、大正5年創業の100年以上に渡る老舗の蔵元で、その代表銘柄として長らく親しまれてきた「霧島」を、リニューアルしたのが白霧島です。
その名のとおり白麹で仕込みますが、米ではなく、サツマイモ蒸して作った芋麹を使用するのが特徴。つまり、すべてがサツマイモから造られた、まさに芋焼酎のなかの芋焼酎といえる一品です。
従来の霧島とくらべると、より華やかな香りで飲みやすくなっています。それでいて、伸びのある甘みと、芋らしいふくよかな香りも楽しめます。後を引かないのでついついお酒が進んでしまう、おすすめの一品です。