焼酎の割り方による味わいの変化
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本格焼酎ブームの影響もあり、幅広い層で人気となっている焼酎。それにともない、現在ではさまざまな割り方も増えてきています。 皆さんは、どのような方法で飲んでいるのでしょうか。
実は、焼酎というのはその割り方によって、さまざまな味わいの変化を見せてくれるお酒でもあります。 いつも決まったように同じ飲み方をしていては、少々もったいないかもしれませんよ。
焼酎にどのような味わいを求めているのか、あるいは種類や銘柄によっても割り方に合う合わないがあるので、ぜひ覚えておきたいところです。
焼酎のおすすめの割り方その1【ロック】
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ロックは、焼酎本来の味わいを楽しむのに向いている割り方です。 この飲み方が広まったことが、焼酎ブームを作るきっかけになったともいえるほどです。
ストレートではきついと思われがちな焼酎ですが、飲みやすい銘柄が増えてきたことでロックでもかなり飲みやすくなりました。 香りを引き立てる割り方でもあるので、芋や米、麦といった原料の風味をほどよく残した乙類の本格焼酎におすすめです。
作り方は、まずできるだけ大きめの氷を、あらかじめ冷やしておいたグラスに入れてください。このとき、氷を軽く回してから水を捨てると、グラスの温度が下がってよりゆっくり溶けるようになります。
その氷に当てるように、ゆっくり焼酎を注いでいきます。 あとは、グラスに水滴が出てくれば飲みごろです。ゆっくりと、焼酎の香りや味を楽しみながら飲んでください。
好みで、梅干しやレモンで酸味をくわえても、美味しく飲めます。 ロックは、時間が経つにつれて、少しずつ水割りのように味わいが変化していくのも特徴です。
ですから、氷自体もできるだけ美味しい水で作られたものを用意しておきましょう。 アルコール濃度は高くなるので、もっとも酔いやすい割り方でもあります。
焼酎のおすすめの割り方その2【お湯割り】
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お湯割りは湯気によって香りが広がり、味がまろやかになる割り方です。 焼酎の本場の鹿児島では定番となっていて、焼酎の魅力をもっとも引き出すことができる、通の割り方ともいわれています。
まずは、お湯を70℃ぐらいまで冷ましてから、湯呑などに注いでください。焼酎は、そのあとから注ぐのがポイントです。そうすることで、温かいお湯が自然に対流を起こして混ざり合ってくれます。
また、お湯の温度を焼酎が下げることで、もっともおいしいといわれる40℃前後の温度となるのもポイントです。 温度を計るのが面倒なときは、一度別の器に移してから注ぎ替えると、ちょうどよい温度となります。
割合については、焼酎の黄金比といわれる「焼酎:水=6:4」がおすすめです。まろやかな味わいを重視する場合は、ちょうど半々ぐらいに薄めるとよいでしょう。
小ぶりの酒器で少しずつ作りながら、ゆっくり時間をかけて飲みましょう。 干物やエイヒレなど、うまみのある乾き物をおつまみにすると、よりその香りを引き立ててくれます。
焼酎のおすすめの割り方その3【水割り】
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水割りは、焼酎の割り方のなかでももっともポピュラーな割り方です。原料の旨味や香りを活かすことができるので、本格焼酎をすっきりと味わいたいときに向いています。 アルコール濃度も低くなるので、お酒に弱い人や食事のお共にもおすすめです。
まずは、ロックと同じように冷やしたグラスに大きめの氷を入れ、ゆっくりと焼酎を注いでください。その後、自分の好きな濃さまで水を加えていきます。
このとき、お湯割りとは反対に焼酎を先に入れるのがポイントです。こうすることで、比重の重い水が沈んで自然に混ざり合います。 水の割合次第で、飲み口が変わるのも特徴です。
基本的には、焼酎の黄金比とされる「焼酎:水=6:4」で割ってみて、これを基準にするとよいでしょう。はじめての人やお酒に弱い人は、4:6ぐらいで始めるのがおすすめです。
水の味も重要になるので、できるだけ美味しいものを選ぶようにしましょう。その焼酎と同じ産地の水は、特に相性がよくなります。また、硬水はミネラルで味を壊してしまうので、必ず軟水を使用してください。
焼酎のおすすめの割り方その4【前日割り】
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前日割りは、あらかじめ水で割っておいた焼酎を一日寝かせる割り方です。「前割り」ともいわれます。 こうして時間を置くことで、さらによく焼酎と水が混ざり合って、まろやかな味わいが生まれます。
一日置いたあとは、冷やでもお燗でも好きな方法で飲むことができます。 お燗で飲む場合は、前日割りしておいた焼酎を容器に注ぎ、それをお湯につけて温度を調節してください。
また、ヂョカで直接火にかけると、より旨味や甘味が深まります。 最近では、あらかじめ前割りしたものや、前割り用のメモリがついたボトルも販売されているので、ぜひ気軽に試してみてください。