かつては、安酒や男臭いといったイメージから敬遠されがちだった焼酎。しかし、2003年ごろに迎えた本格焼酎ブームによって、今やすっかり老若男女に愛されるお酒となっています。 その火点け役となったのが鹿児島の芋焼酎、いわゆる薩摩焼酎でした。
一部の銘柄は、その入手の難しさから「幻の焼酎」や「プレミア焼酎」と呼ばれ、一升瓶で1万円を超える価格まで跳ね上がるほどの人気を集めました。
いずれの焼酎も、口当たりがよく、芋焼酎とは思えないフルーティーさが魅力。それまでの焼酎のイメージをがらりと塗り変えたのです。
鹿児島は焼酎の本場として知られる地域で、その生産量も消費量も全国トップ。焼酎の蔵元も100以上を数え、定番の芋焼酎以外にも、奄美群島の黒糖焼酎や、米や麦を原料としたものまで幅広い焼酎があります。
ここでは、そんな鹿児島の焼酎の中から8つの銘柄を厳選して紹介したいと思います。
抽選で当選した人だけが飲める?鹿児島の焼酎8選①
森伊蔵
森伊蔵は、鹿児島の代表的な薩摩焼酎です。 蔵元の森伊蔵酒造は、鹿児島県垂水市で明治18年に創業。錦江湾を望む場所にあることから、かつては「錦江」という銘柄で売り出されていました。 それが昭和末期に、四代目当主の名前を取って新たに森伊蔵と名づけられます。
その特徴は、何といっても手間ひまをかけた丁寧な酒造り。サツマイモは有機栽培による鹿児島県産の黄金千貫、米は福井県産のコシヒカリ、そして地元の垂水の水と、厳選した素材ばかりを使用しています。
それを、昔ながらの合掌造りの蔵でかめ壷を使ってじっくり熟成させていきます。
芋焼酎に特有のクセはまるでなく、なめらかですっきりとした口当たり。甘みのあるまろやかな味わいと、かぐわしい香りで、飲んだあとにはやわらかい後味が残ります。 本来の価格はそれほど高いわけではなく、一升瓶で数千円程度と一般的。
ところが、その人気の高さから一般への販売は電話による抽選のみ。その確率がとても低いことから、1万円から数万円といった高価格で取引されるようになっています。 まさに、名実ともにプレミア焼酎の名にふさわしい鹿児島の焼酎です。
黒・白・麦の3つの味が楽しめる!鹿児島の焼酎8選②
佐藤
佐藤は、佐藤酒造が手がける焼酎の人気シリーズです。 佐藤酒造は鹿児島でも焼酎の本場といわれる霧島市の蔵元で、明治39年創業の伝統から、今でも職人による手作りの酒造りが行われています。
原材料の違いによって、黒麹仕込みの「佐藤 黒」、白麹と米麹で仕込んだ「佐藤 白」、麦を原材料にした「佐藤 麦」といった種類があります。 黒は、サツマイモの風味がしっかりとしていて、芋焼酎を楽しみたい人におすすめです。
一方、白は軽い口当たりで、それでいて芋焼酎の香りや味わいも十分に楽しめます。お酒に強くない人にもおすすめの一品です。 「麦」は、麦ならではの旨味と香りをはっきり味わえる焼酎です。芋焼酎の風味が得意ではないという人には、こちらをおすすめします。