金平糖(こんぺいとう)とは?|作り方から形の秘密や専門店まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんぺいとうの特徴

「こんぺいとう」の名前の響きから無国籍な印象を受ける方は少なくないのではないでしょうか?小粒でカラフル、ゴツゴツとしたこんぺいとうの外見には和菓子とも洋菓子とも付かない不思議な雰囲気が漂っています。

実際にこんぺいとうを口にするとゆっくりと広がる「どことなく懐かしさを感じさせる優しい甘さ」には小さな子供から高齢者まで世代を超えた多くのお菓子好きを引き付ける魅力があると言えるでしょう。

こんぺいとうの独特の風味もさることながら、可愛らしい外見で和婚の引出物としても高い人気があるこんぺいとうは、身近なお菓子でありながらそのルーツや製法が意外と知られていないとも言えます。こんぺいとうを掘り下げて紹介します。

こんぺいとうの語源と由来


出典:写真AC

こんぺいとうの無国籍な名前とカラフルで独特の外見から「洋菓子の1つでは?」と捉えている方もいるのではないでしょうか?こんぺいとうという名前はポルトガル語のConfeito(コンフェイト)が訛ってこんぺいとうとなったと伝えられています。

Confeitoは球状の菓子の意味を持つポルトガル語であることからこんぺいとうがポルトガルから日本に渡来したお菓子であることが推測されます。

古い時代に来日したポルトガル人と言えば宣教師のフランシスコ・ザビエルを思い浮かべる方も少なくないでしょう。御名答です!こんぺいとうは来日した宣教師達が日本に伝えた南蛮菓子と呼ばれたものの1つです。

南蛮菓子として知られるのはカステラやビスケット、カルメラや有平糖(あるへいとう)が知られていますが、こんぺいとうもこの時代にポルトガルから日本に渡来したお菓子の1つだと言われています。

こんぺいとうの歴史


出典:写真AC

ポルトガルの宣教師、フランシスコ・ザビエルの来日は1543年と伝えられ当時の有力武将であった織田信長と交流があったと伝えられています。織田信長が天下人となり日本に君臨した安土桃山時代は今から約450年前と言われていますから、日本におけるこんぺいとうの歴史は約450年と考えられています。

南蛮渡来の南蛮菓子とはいえ約450年の歴史を持つこんぺいとうは和菓子にカテゴライズしても問題ないと言えるでしょう。こんぺいとうが渡来した当時は砂糖は非常に貴重なものでしたからこんぺいとうは公家や大名など一部の特権階級の人間のみが口にすることができる特別なお菓子だったと伝えられています。

こんぺいとうが一般の庶民の手の届くものになったのは、渡来から150年ほど経過した江戸時代中期以降だと言われています。江戸時代中期には砂糖の生産量が向上し、かつては高嶺の花であった南蛮菓子は徐々に庶民が口にすることができるものに変貌していきます。

砂糖を自由に手に入れることが可能となった近年、こんぺいとうは身近なものになりましたが、こんぺいとうの製造には熟練した職人の技術力が必要となるためにこんぺいとうを手作りする製造業者は減少傾向にあると言えるでしょう。

有平糖とは?|飴との違いや有平糖の老舗店も紹介

落雁と和三盆の違いとは?|落雁の作り方から美味しいお店まで

干菓子とは?|優しい味わいを作る過程や干菓子の種類

  • このエントリーをはてなブックマークに追加