だるま市特有の開眼
photo by motoshi ohmori
だるまは目が空白のまま作られます。そこに願をかける時に片方の目を描き入れ、叶った時にもう片方の目も描き入れます。 合格祈願に使われることも多いので、一度は経験したことがある人も多いでしょう。 深大寺では、このだるま開眼を僧侶みずからが目入れを行ってくれます。
しかも、その目入れの方法はかなり独特のもの。書き記されるのは黒目ではなく、「阿吽」という文字なのです。 阿吽というのは、インドの仏典などに用いられたサンスクリット語を表す梵字です。
口を開いて発する最初の音と、口を閉じて発する最後の文字。この二文字で、宇宙の始まりから終わりを表すとされています。 息を合わせることを「阿吽の呼吸」というのは、ここに由来しています。
深大寺ではこれにちなみ、願掛けのさいには左目にすべての始まりを表す「阿」を、そして叶った際には右目に終わりを示す「吽」を入れて納めているのです。 この開眼を行う「だるま納め所」は、元旦からだるま市の3月4日まで開かれています。
だるま市の魅力
photo by TANAKA Juuyoh (田中十
だるま市の魅力は、何といっても大小様々なだるまが一堂に会する点でしょう。真っ赤なだるまさんが辺り一面の視界を埋め尽くすのは、迫力満点です。 中には、白や黄色や緑、ピンクや黒といった願掛けごとに異なるだるまも並んで目に鮮やかです。
深大寺のだるま市では。値切れば値切るほどご利益があるとされ、安く購入できるのも魅力のひとつです。 ほかにも元三大師祭では、絢爛豪華な法衣に身を包んだ高僧の「お練り行列」や、「護摩祈願」を受けるなど、だるま市以外にも見どころはたくさんあります。 だるまを買い求める機会に、ぜひ一度は体験してみてください。
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