【張り子は可愛さだけじゃない】伝統工芸「張り子」の”縁起物”としての魅力

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張り子とは


出典:写真AC

張り子とは、木などで骨組みを作り和紙などを張って形どられたもので、中が空洞になっているため軽いのが特徴です。

もともとは中国が作り出したものですが、平安時代のころに日本に渡ってきたと言われています。形はいろいろありますが動物を形どっているものが多く、縁起ものとして重宝されるようになりました。

今日ではデザイン性のあるものも多いので、行事に用いるだけでなく置物として部屋に飾ることも一般的です。

張り子といえば首がユラユラ揺れる置物を想像することが多いですが、実は置物だけではありません。お面や青森のねぶた祭で使われている巨大な人形も張り子です。張り子とは置物のことではなく、「形どって紙を張ってつくったもの」のことです。

張り子の作り方

作り方はまず木や竹、粘土などで原型となる型をつくっていくことから始めます。そしてその出来上がった型に細かく切った和紙を糊で張っていきます。ある程度張れたらそのまま乾かし、完全に乾いてから切り込みを入れて中に入っている型を取り出します。

切った部分はまた和紙を貼り付けていき修復していきます。その後塗料で下塗りを何度か行い、色をつけていき、仕上げとして更に色付けをして最後に絵付けをして完成です。

地域や物によって作り方は異なりますが、だいたい同じような工程で作られることになります。置物の張り子は首がユラユラ揺れるものもありますが、その場合は頭は同じ工程で別々に作られ、糸をつけてつないでいきます。

張り子のだるま


出典:写真AC

張り子には色々な種類がありますが、その中には「張り子だるま」というだるまの形をしたものもあります。

「だるま」はその丸みを帯びた形からも「倒れても何度でも起き上がる」ということもあって、古くから魔除けとして縁起ものとして重宝されています。張り子だるまは厄除けや家庭円満、願いが叶うという意味があるので、玄関先などに置くだけではなく祝いごととしても幅広く用いられています。商売繁盛や必勝としてなど、願い全般に使われています。

張り子の犬


出典:写真AC

犬の張り子は安産祈願として、そして子供の魔除けとしての意味があります。

犬は人間にとって昔から身近な存在ですし、人と比べても出産が軽いことからも犬の張り子はお産に関する縁起物として使われてきました。

また犬は子だくさんなので、そういった意味でも縁起がいいとされています。更に犬は産まれてからの成長が早いので、そのことからも子供の成長祈願、魔除けになるとされています。型は竹や粘土から作られますが、「竹」と「犬」を合わせると「笑」という漢字に似ていることからも縁起が良いとされています。

お産や子供の健康を祝うという意味合いがあるため、ひな祭りで飾ったりお宮参りの贈り物としても重宝され、自宅に飾るなどされています。

張り子の虎


出典:写真AC

もともと虎は神の使いとして崇められていました。そのため昔は虎の骨を薬として使用したり、虎の掛け軸を飾ったり、また襖に虎を描くなとして厄除けをしていました。魔除けや厄除けとしての意味があるので、災いがおきないようにしてくれるとして重宝されています。行事で特に使われる機会が多いのは端午の節句です。

端午の節句は男の子の健康や成長や願って行う行事のことですが、この節句でも虎の張り子が使われることがあります。張り子そのものが縁起ものですが、虎は魔除けや守り神としての意味があるため、兜などと共に飾る風習があります。

また虎は強さの象徴でもあるので、たくましく育ってほしいという意味合いもあります。虎は「千里を走りぬく」とも言われているので、勝負強くなり出世するようにとの意味も込められています。

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