玉露とは?|煎茶との違いや歴史、美味しい入れ方を紹介

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玉露と煎茶の違い

煎茶とは茶葉の新芽を摘んで蒸して揉んだ後乾燥させたものをいい、玉露は煎茶の一種です。

ただ違うのはその栽培方法で、玉露は収穫する2週間から20日ほど前に、葦簀(よしず)と呼ばれるヨシの茎で編んで作ったすだれや藁で茶葉を覆い、日光を遮る栽培方法を用いられます。

こうすることで旨味成分であるテアニンが茶葉に多く含まれるだけでなく、渋み成分のタンニンが抑えられ、玉露独特の香りと味になるのです。

玉露の味の特徴

玉露の中でも品質の高いものは、海苔の香りに似た独特の香りがあります。「覆い香」と呼ばれるその香りは強い甘味と旨味が醸し出すもので、玉露独特の栽培方法から出るものです。

玉露には濃厚な甘みとコクがあり、口に入れただけでその甘みを感じることができます。エスプレッソと同じように少量で味を楽しむのが玉露の美味しい飲み方です。

煎茶の味の特徴

玉露と違い茶葉に覆いをせず、日光をたっぷりと浴びる方法で栽培されるのが煎茶ですが、そうすることで甘味・旨味・苦味・渋味のバランスが絶妙に調和され、すっきりとした透明感のある爽やかさを感じる味になります。

茶園によっては、摘採前の数日間は覆いをして苦味や渋味を抑えることで荒々しさのない上品な煎茶を作るところもあります。ずっと味を変えないためにあえて覆いをしない茶園もあるので、煎茶でも茶葉によっては味に幅が出るようになりました。

玉露の栽培方法

玉露を栽培する方法は、新芽が出始めた際、茶摘みを行う3週間前から日光を遮って栽培します。

遮光率(しゃこうりつ)は、日光を遮る割合のことです。遮光率を3週間前の段階では、70%前後から始めます。その後、茶摘み直前には90%以上まで遮光率を上げます。

なぜ、日光を遮るのかというと、日光を遮ることで茶に葉緑素が増すのです。葉緑素が増すと鮮やかな緑色に染まり、新緑と呼べる葉に育ちます。

収穫は基本的に手摘みで行います。手間をかけるからこそ、玉露は高級茶として扱われます。

茶摘みが終わった後、生の葉は手で揉む作業を通して針状に仕上げられます。

生葉の酵素が失活しないようにする必要があります。失活とは、葉の成分の変化をそれ以上止めるために、酵素などの働きを止めることです。方法は、蒸熱(じょうねつ)と呼ばれる葉を蒸す作業で防ぎます。

蒸した生葉を以下の作業を行います。

1、振るい

2、揉み

3、解きほぐして

4、乾かし

5、針状に伸ばす

非常に時間も工程もかかる手揉み製法は、半日程度かかる大変な作業です。手作業で仕上げられた生葉は、この作業により葉が細かに扱われて美しい針状に仕上がります。

もともとは、お茶の製法として労力と時間を必要とした手揉みですが、現在では効率的に機械を利用して作られています。

玉露はなぜ誕生した?玉露の歴史を紹介

1835年に江戸日本橋の茶商「山本山」の6代目である山本嘉兵衛が、高級な煎茶を開発しようと碾茶の栽培方法にある覆下栽培を煎茶にも行ったことで玉露が誕生したことから歴史は始まります。

「玉露」という名前は、開発者の山本嘉兵衛が製茶中に茶葉を露のように丸くあぶったことが由来とされています。しかしこれには諸説あり、碾茶の新芽から甘露の味がすると評されたという説や、玉露の旨みが玉の露のようだからという説もあります。

江戸時代に誕生!煎茶の歴史を紹介

煎茶は1738年、日本ではまだ江戸時代に今の製法が誕生しました。それまで庶民が飲むお茶は粉末のものでしたが、宇治湯屋谷の永谷宗円がそれまでの一般的な製法である釜炒りや碾茶に手を加え工夫し、蒸し製法といいうものを確立させたのです。

蒸し製法というのは積んだ茶葉を蒸して、和紙が貼られた焙炉の上で揉み乾燥させる方法で、これが煎茶の始まりといわれています。この製法が生まれたことにより、急須に茶葉を入れてお湯を注いで飲む「淹茶(えんちゃ)法」も誕生しました。

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