黒豆茶の原料や製法
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黒豆茶は、黒豆を原料としたお茶です。 黒豆は大豆の品種の一つで、種皮が黒い以外は他の大豆と大きな違いはありません。 江戸時代からの主な産地として、兵庫県篠山市や京都府京丹波町などがよく知られています。 砂糖と醤油で煮豆にするのが一般的で、黒い皮に含まれる効能から、古くから薬としても用いられてきました。
黒い色は邪気を払い健康を招く意味合いがあり、「一年間をまめ(丈夫)に暮らす」という縁起担ぎから、おせち料理にも欠かせない一品です。 その黒豆を、煮たり焙煎したりして抽出したのが黒豆茶です。香ばしく、仄かな甘みがあるのが特徴です。
現在ではティーバッグも販売されていますが、粉砕した黒豆を使用したものは濁りが多く、ややえぐみも残ります。一方、丸粒で煮出したものは、濁りもなく香り高いお茶を楽しめます。 また、商品によっては杜仲茶や大麦茶などを混ぜているものもあります。
黒豆茶の効能①
抗酸化作用(アントシアニン・サポニン)
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黒豆の皮には、アントシアニンという天然色素のポリフェノールが含まれています。 これが黒豆の独特の色を作り出しているため、他の大豆からは得ることができない成分となっています。
アントシアニンはナスやブルーベリーなどにも含まれていますが、黒豆に多く含まれるシアニジン-3-グルコシドは、その中でも特に強い抗酸化作用を持っています。 それによって、種子を紫外線のダメージから守る役割を果たしているわけです。
このアントシアニンを摂取することで、体内の有害な活性酸素が取り除かれ、動脈硬化や老化、ガンの予防などの効能があるといわれています。
また、黒豆には「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEも含まれていて、アンチエイジング効果もあります。 このような効能から、黒豆茶を飲むことで健康と美容を保つことが期待できます。
黒豆茶の効能②
目の疲れに効果的(アントシアニン)
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ブルーベリーが目に良いというのは、よく聞く話です。 その効能は、アントシアニンによってもたらされるものです。つまり、同様にアントシアニンを含む黒豆茶にも、目にとって良い効能があると考えられています。 アントシアニンが目に良いのは、ロドプシンという物質を含んでいるためです。
眼の網膜にあるロドプシンは、光が当たることでビタミンAに分解されます。この時の電気信号が脳に伝わることで、ものを見ることができるわけです。 分解されたロドプシンは、やがて時間が経つと再び合成されます。 パソコンやスマホの使用で疲れ目になるのは、このロドプシンの再合成が間に合わないことが原因です。
したがって、アントシアニンを補給することで、これを解消する効能が期待できるわけです。 他にも、アントシアニンは白内障や緑内障などの予防にも効能があると考えられています。 また、血行促進の効能によって、ドライアイや目の下のクマを改善するのにも役立ちます。
黒豆茶の効能③
貧血予防(鉄分)
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黒豆は、漢方でも古くから体に良い食材として扱われてきました。 特に、黒い食材は血を補うと考えられ、貧血気味の時に摂ることが勧められています。 実際に、黒豆には血の元となる鉄分が多く含まれているので、黒豆茶は貧血予防の効能も持つと考えられています。
鉄分は栄養素として吸収しにくいのが難点ですが、黒豆に含まれる鉄分は有機鉄という吸収されやすい種類になっているのも特徴です。
また、アントシアニンには活性酸素を取り除くことで血をさらさらにする効能もあります。その作用で血流が改善されて、体の隅々にまで血が行き渡るようになります。 貧血や冷え性に悩まされがちな女性にとっては、とても嬉しい効能といえるでしょう。
黒豆茶の効用④
肝機能補助(ビタミンB1)
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黒豆茶には、肝機能を助けて二日酔いを予防する効能もあるとされています。 アルコールは、体内に入ると胃や腸から吸収されて、血管を通って肝臓まで運ばれます。ここでアセトアルデヒドに代謝されるわけですが、その際にアルコール脱水酵素が必要となります。
その時、足りない酵素に代わって代謝を助けてくれるのがビタミンB1です。 アセトアルデヒドは、さらに酢酸、水と二酸化炭素へと分解されていきますが、ビタミンB1はそれが体外に排出される際にも必要となります。
そのため、アルコールを飲む前や飲んでいる時に黒豆茶から補給することで、二日酔いを予防することができるわけです。 また、アントシアニンによる血流促進も肝臓の代謝をサポートします。
さらに、アセトアルデヒド脱水素酵素を活性化させる効能も持っています。 アルコール以外にも、黒豆茶に含まれるレシチンから生成されたコリンは、脂肪肝の予防にも効能があるとされています。
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