ほうじ茶の原料や製法
日本茶の中でも煎茶、番茶に並んで人気が高いのがほうじ茶です。紅茶は発酵茶、烏龍茶は半発酵茶と呼ばれ、日本茶は不発酵茶として分けられます。同じ茶の樹から収穫(摘採:てきさいと呼ばれます)した茶葉の発酵度合いで分類されるので、ほうじ茶の原料は他のお茶と同じ茶の樹から収穫します。
一般的に茶葉の収穫は年4回行われ、新茶と呼ばれる1番茶から収穫時期の順に2番茶、3番茶、4番茶と格付けされます。 独特の風味がほうじ茶の魅力ですが、ほうじ茶の独特の風味は茶葉を強火で焙煎することで引き出されます。
みずみずしい茶葉の香りが魅力の煎茶などは新茶と呼ばれる1番茶が用いられますが、焙煎をかけることで茶葉の風味を変えてしまうほうじ茶は3番茶、4番茶 の茶葉が用いられるのが一般的だと言えます。収穫後に一旦番茶となった茶葉を焙煎してほうじ茶にすることも多いことから、ほうじ茶は番茶の加工品だとも考えられます。
ほうじ茶の効能その1「リラックス効果(テアニン・ピラジン)」
ほうじ茶に含まれる成分の中には、リラックス効果をもたらす効能がある成分が含まれています。テアニンというアミノ酸の一種はリラックス効果が期待できる成分で、玉露や抹茶にも多く含まれています。玉露や抹茶は同時にカフェインも多く含んでいるためにテアニンの効果が相殺されると言われています。
ほうじ茶は焙煎して作られるため、熱でテアニンが破壊されますが、カフェインも同時に破壊されるためにテアニンの摂取効率が高く効率的に効能を得られると考えられています。
またほうじ茶には血管拡張効果があり血流を促す効能が期待できるピラジンという成分も多く含まれています。血管が拡張し血流が改善されることは健康維持には欠かせない効果ですが、同時に高いリラックス効果をもたらすと言われています。
ほうじ茶の効能その2「殺菌作用(茶カテキン)」
ほうじ茶には高い殺菌作用の効能を持つ茶カテキンが含まれています。抗菌作用が高い茶カテキンは食中毒を引き起こすO-157などの食中毒菌や胃潰瘍や胃がんの原因菌との1つと考えられるピロリ菌、虫歯の原因となるミュータント菌など様々な菌やウィルスの活動を抑制する効能が期待されています。
またインフルエンザウィルスが体内に侵入することを抑制する働きも確認されており、インフルエンザ予防の効能がある考えられています。
しかし、これはあくまでインフルエンザ予防に対する効能が期待できるということで、感染後にほうじ茶を飲んだからといってインフルエンザの治療になるわけではないことは理解しておいて下さい。
ほうじ茶の効能その3「抗酸化作用(ビタミンC・茶カテキン)」
ほうじ茶の成分の中にはビタミンCやビタミンE、茶カテキンが含まれます。これらの成分には効能として抗酸化作用があると考えられています。抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンE、茶カテキンを摂取することで、がん予防やアンチエイジング作用、美容効果などが期待できます。
活性酸素は体内の細胞に影響を及ぼし、本来の細胞の働きを抑制します。この状態が続くと細胞異常が発生し、がんに繋がると言われています。また細胞の働きが抑制されることで新陳代謝がの効率が低下し、老化が進みます。
ビタミンCやビタミンE、茶カテキンが持つ抗酸化作用は活性酸素の発生を抑制し、細胞の本来の働きを促すことでがん予防やアンチエイジングなどの効能が期待できると言えます。
ほうじ茶の効能その4「消臭作用(クロロフィル)」
口臭や体臭はブレスケアやデオドラントで処理するしかないと考えている方も少なくないでしょう。自分ではなかなか気付くことができないこれらの匂いの多くの原因は、体内体臭と腸内体臭だと考えられています。
体内が酸素不足に陥ると刺激臭を持つ乳酸が発生しますし、腸内で発生する含硫化合物や窒素化合物も匂いの原因となります。 ほうじ茶に含まれる成分の1つクロロフィルは体内で発生する匂いの原因に作用し、効能の1つとして消臭効果が期待できる成分だと考えられています。
増血剤の1つとして用いられるクロロフィルは体内の酸素供給を促し、酸素不足に陥るのを予防します。またほうじ茶を飲むことで腸内の含硫化合物や窒素化合物にクロロフィルが直接働きかける消臭効果も期待できます。
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