炊き立てのご飯に生しらす!日本ならではのホッとする優しい味わいはシンプルで手の込んだ献立でないのにも関わらず、非常に高い満足度を与えてくれます。 生しらすとして多くの食卓に登場するであろう、しらすの正体がどんな魚なのかを知っている人は意外と少ないようです。 カタクチイワシやマイワシ、イカナゴやニシン、ウナギ、アユなどの色素が定着する前の色が薄い稚魚を総称してしらすと呼びますが、生しらすなどで一般的に流通しているものはカタクチイワシの稚魚が最も多いと言われています。 しらすの語源には諸説ありますが、しらすを干している様が奉行所のお白州のように見えるからという説と、色素が定着する前の稚魚を白子(しらす)と呼んだという説が有力だと考えられています。 生しらすの漁獲方法 出典:写真AC 生しらすなどで食べられる魚の稚魚しらすは非常に小さいため、一本釣りやハエナワなどの釣り上げる漁法では、捕ることができませんので、網を使った漁法で漁を行います。しらす漁は太平洋沿岸の広い地域で行われることから、全国各地に様々な漁法が存在しますが、一般的にはパッチ網漁や船引き網漁と呼ばれる漁法で行います。 同じ漁法でも2隻の漁船がコンビを組んで稚魚の群れをグルッと回り込みながら行う漁法と単独で網を引きながら行う漁法に分かれます。魚の稚魚である生しらすは小型であることから漁に用いられる網の目も細かく、網を引くのにも巻き上げるのにも大きな力が必要となります。 現在、網の巻き上げにはウィンチが使われますが、強力なウィンチの使用には大怪我や時には命の危険が伴うために、漁業関係者の間ではしらす漁は危険が伴う漁として知られています。 生しらすの旬 しらす漁は各道府県で禁漁期を設定している場合と、設定していない場合があります。しらすが名物として知られる鎌倉や江の島が位置する神奈川県は、水産資源保護のために1月1日から3月10日の間を生しらすの禁漁期として定めています。また近隣の静岡県でも1月15日から3月20日までを生しらすの禁漁期として定めています。 スーパーなどで年中しらすが流通しているのは、生しらすの禁漁期を設定してない地域で水揚げされたものだと言えるでしょう。 いわゆるしらすは一年を通して捕ることができますが、しらすとなるマイワシの産卵期は冬から春、カタクチイワシは一年中産卵を行うものの、産卵のピークは春と秋だと言われています。 美味しい生しらすが食べられる「生しらすの旬」は、春と秋だと言われています。しかし、鮮度が重要な生しらすは一般的に水揚げ当日にしか食べられないために、当日の天候などの理由で出荷されないこともありますから、生しらすを目的に産地に向かう際には現地の天候を確認することをおすすめします。 生しらすとは違った魅力、釜揚げしらすの作り方 出典:写真AC 生しらすも美味しくて魅力的ですけれど、釜揚げしらすにも捨てがたい魅力があります。生しらすは生食を行うために、水揚げされてから時間が経過すると鮮度が失われてしまいます。そのため、なかなか口にすることは難しいのが現実です。 しかし、水揚げ後ゴミと粘膜を水洗いし、新鮮な状態で塩ゆでしたあとに天日に干した釜揚げしらすであれば、生しらすよりも日持ちするために手軽に楽しむことができます。塩ゆでの詳細は各社企業秘密となっているので知ることはできませんが、ゆでて天日に干すことで生しらすとは異なる食感と風味が引き出されます。 何度か挑戦してみればゆでや干しのタイミングが掴めますので、自分好みの自家製釜揚げしらすを作ることは決して難しくないので是非挑戦してみてください。 しらすの加工から学べる!鎌倉・江ノ島でしらす丼づくり体験! 獲って!作って!食べて!江ノ島・鎌倉でしらす漁体験 この記事が気に入ったら いいね!を押して最新情報を受け取ろう
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日本人の大好きな伝統食と言えばお餅です。米になじみの深い私たちにとって、焼餅にもお雑煮にも和スイーツにも化ける変幻自在のお餅は、まさにソウルフード。餅つきをご家庭でやる方法からおいしいお餅の食べ方、餅つき出張サービスまで、お餅に関するあれこれを紹介します。 餅つきの由来 https://pixabay.com/ 餅つきといえば、お正月や縁起が良いなどのイメージがあります。日本人に馴染み深い餅つきはもともと、神様にお供えするものでした。白くて丸い見た目や、お米からつくられていることが、神聖なものという考えと結び付けられました。 食べると力が出るといわれているお餅は、お供え物としてめでたい日に食べられるようになりました。新しい年の始まりでもあり、神様を迎える日でもある元旦にお餅を食べる習慣ができ、日本の食文化の一つとして広まっていったのです。 餅つきに必要な道具 https://www.photo-ac.com/ 餅つきに必要なのはまず、臼と杵です。 餅つきの道具としてまっさきに思い浮かぶものですよね。 そしてもち米を蒸すために使う蒸し器、蒸し布も必要です。あとは杵でお餅をつくときに先端を濡らすので、水を入れておくバケツやボウルなども必要です。 必須アイテムはこれくらいですが、他にも臼の水分を拭く布巾、できたお餅を置くバットやまな板、木べらや、手をつける水を入れるボウルもあると便利です。餅つきの規模にもよりますが、臼と杵、そして蒸し器と蒸し布さえあれば、あとは自宅で代用できるものばかりです。 餅つきの必要な材料 https://www.photo-ac.com/ 餅つきに必要な材料はシンプルです。 何をおいてもまず餅米です。目安は大人1人につき1合で、多く作りたい場合はその分用意します。 そして2つ目は、片栗粉です。 片栗粉がないと、できたお餅がバットやお皿にくっついてしまうので、適量を用意するようにしてください。大量には使わないので、家庭で餅つきをする程度なら1袋もあれば十分です。 餅つきの手順 https://www.photo-ac.com/ 餅つきの手順ですが、始める前日から下準備が必要です。餅米は前日に研ぎ、水につけておきます。つけておく時間は6~12時間で、水温が低い季節の場合10時間ほどはつけておくようにします。水からあげ、1時間ほど水分を飛ばすように乾かしてください。 次にもち米を蒸します。 蒸し器に濡らして絞った蒸し布を引き、その中にもち米をいれます。 そして蒸し器を火にかけて40分~1時間ほど蒸していきます。 蒸す時間がよくわからない場合はある程度時間をかけて炊き少量を食べてみて、もち米が蒸せたかどうか確認するようにしてください。 蒸した米を臼の中に入れて、杵でついていきます。 最初は硬いので潰すように杵で押し、途中から杵を振りかぶって餅をつきます。均等につぶれるように、時折手で返すのも大切です。杵と手が交互になるようにリズムよくやりましょう。杵で手を叩かないようご注意を! 出来上がったら、片栗粉をひいたお皿やバットに入れて、1つずつ形を整えていきます。 時間が経つと固まってしまうので、なるべく手早く形を作っていくようにしてください。 この記事が気に入ったら いいね!を押して最新情報を受け取ろう
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佐原の大祭とは日本の祭は数えきれないほどありますが、そのうちの一つ、千葉県香取市で毎年開かれる盛大な祭りが「佐原の大祭(さわらのたいさい)」です。 1年に2回あり、夏は7月10日以降の金・土・日の3日間行われる八坂神社の祇園祭、秋は10月第2土曜を中日にした金・土・日の3日間行われる諏訪神社の秋祭りで、その両者をまとめて「佐原の大祭」と呼んでいます。 関東3大山車祭りの一つとされ、およそ300年の伝統があります。また、2004年2月6日、佐原の山車行事が国の重要無形民俗文化財に指定されました。 「佐原の大祭」では日本情緒豊かな風景をバックに、夏祭りに10台、秋祭りには14台、合計24台の山車が練り歩きます。 佐原の大祭・2018年日程とアクセス 出典:写真AC 2018年「佐原の大祭」の夏祭りは2019年の4月現在では7月13日(金)から7月15日(日)、 秋祭りは10月12日(金)から10月14日(日)の予定です。 会場は香取市佐原で、夏祭りは本宿地区、秋祭りは新宿地区で開かれます。 時間は午前10時から午後10時まで。 「佐原の大祭」への行き方は、電車はJR成田線佐原駅下車、車は東関東自動車道佐原香取ICから10分、大栄ICから20分、高速バスは京成バス・千葉交通で浜松町・東京駅発佐原経由銚子行佐原駅北口下車、関鉄グリーンバスで東京駅発鉾田駅行佐原駅等下車です。 利根川河川敷に臨時駐車場があり、1,000台無料です。 佐原の大祭の歴史 出典:写真AC 「佐原の大祭」は古い歴史を持つお祭りです。 夏祭りの祇園祭は、859年から877年の貞観年間に京都で疫病、祟りを鎮めるために始まった祇園御霊会に由来しています。 14世紀には八坂神社の前身である牛頭天王社が佐原の地に祀られていました。1702年(元禄15年)までには旧暦の6月10日に浜下りの神事が、6月12日には祇園の神事が行われていました。 1703年(元禄16年)に多くの人が神輿に参詣できるように浜下りの神輿を帰さずに御仮屋へ留め置き、12日に戻すという神幸の形になりました。 その後、各町内にも神輿を廻すようになり、1714年(正徳4年)に初めて神輿神幸に練物が登場するようになりました。 諏訪神社の秋祭りは、元々本宿と新宿の区別なく佐原村に天王社を祀っていましたが、町場として発展した新宿が新たに諏訪社を鎮守として祀るようになったのが発端と言われています。 諏訪祭は信州諏訪社の御射山神事に由来し、1721年(享保6年)に本宿の祇園祭とは別に練物中心の諏訪の祭礼を新たに企画して以降、新宿では祇園祭に係わらなくなりました。 山車祭りの起源を諏訪祭の1721年(享保6年)としていて、現在の「佐原型」といわれるような山車の祭りが成立するのは、1819年から1829年の文政年間以降と考えられています。 佐原の大祭の見どころ この記事が気に入ったら いいね!を押して最新情報を受け取ろう
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釉薬は、素焼きで強度が低く、水漏れを起こしてしまう陶芸作品に、強度を与えます。また、親水性の粘土の表面をガラス質でコーティングすることで、水漏れを防止する役割があります。含有成分の化学変化で起こる発色が、陶器作品の風景を造りだすことで、陶器の産地や陶器作家の作風を決定するといえる重要な働きがあります。 新人の陶器作家は、作品の造形と共に自分の作風を造りだす、釉薬のレシピ開発に力を注ぎ込みます。釉薬の効果は、作品の強度や水漏れの防止などの実用的な面と、作品の芸術性を決定する、非常に重要な効果を併せ持っていると言えます。 釉薬の使い方 出典:写真AC 釉薬の使い方は、作家の作風によって異なります。器の内面にしっかりと釉薬をのせて実用性を確保します。水漏れや作品の強度対策として、施釉(せゆう)した後に芸術性を求めて、施釉を行うことが一般的に行われています。 器の外部の高台(器の底部、食卓に接する部分)の部分は、意図的に素焼きの状態を残すことで、作品の風景にアクセントをつけているものも多く見受けられます。藁や落ち葉、薪を窯入れの際に作品に付けることで、自然発生する自然釉の効果を狙った作品も存在します。 釉薬の手に入れ方 陶芸の材料として欠かすことができない釉薬ですが、現在はネットショップなどで購入することができ、比較的簡単に手に入ります。釉薬のウェブ販売サイト内では焼成温度や雰囲気、釉掛厚や目安水量など事細かに釉薬使用のポイントが説明されています。 一般的な釉薬では物足りないと感じている方は、身の回りの様々な物質を釉薬に転化させてみることを考えてみましょう。例えば貝殻はカルシウムの塊ですから、細かく砕いて混ぜると自然釉の風合いが期待できます。 釉薬で自分好みの色合いを 出典:写真AC 陶器作品の魅力は造形の素晴らしさと共に、釉薬が造りだす風景にも大きな魅力があります。好みの作風は人それぞれですが、素朴なものから繊細なものまで自分好みの作風は必ず存在します。 作品の造形と共に使用されている釉薬の世界に足を踏み込むと、陶芸作品を見る目が変わってくることは間違いありません。また、陶芸にチャレンジしている方にとっても作品制作以上に魅力的なのは、釉薬の織り成す未知なる世界かもしれません。 ぜひ試してみてください! この記事が気に入ったら いいね!を押して最新情報を受け取ろう
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滋賀県の北東に位置する彦根市。江戸時代には大名・井伊家が納めた地であり、彦根城をはじめ、今もなお城下町や宿場町の街並みが色濃く残る街です。 毎年、市内の松原水泳場では鳥人間コンテストが行われ、近年は「ひこにゃん」でも有名ですね今回は、彦根に訪れた際、ぜひお土産にしたい、人気のスイーツや銘菓をご紹介します。 彦根のお土産スイーツ① 市民のソウルフード・三中井「オリンピア」 1954年創業、50年以上の歴史を持つ、老舗洋菓子店・三中井。彦根市民ならほとんどの人が知っている!?ともいわれるオリンピア(1ロール1,575円)は、甘さ控えめで、一人で1ロールの半分くらいペロッと食べられるくらいなんだとか。 オリンピアは、生クリームと桃の果肉が包まれたロールケーキです。シュークリームの皮とクレープとを足して割ったような食感の皮が特徴的です。 オリンピア、という名前は「オリンピックに出場できるくらい美味しいお菓子」という意味が込められているそうですよ。彦根市民のソウルフードとも呼ばれるオリンピア、ぜひご賞味ください。 所在地:滋賀県彦根市本町1-6-28 営業時間:9:00〜19:00 定休日:不定休 問い合わせ先:0749-22-5953 URL:http://yumekyobashi.jp/shop/shopinfo.php?shop=minakai 彦根のお土産スイーツ② 彦根土産の定番・たねや「バウムクーヘン」 前田 和也さん(@tamago.18)がシェアした投稿 – 7月 19, 2017 at 7:12午前 PDT 滋賀県といえば、クラブハリエのバウムクーヘン。たねやグループが展開する洋菓子店です。 焼き立てはふんわり、日が経つと少ししっとりとした食感に変わり、お土産はもちろん、ちょっとしたおつかいものにするのにも人気です。 バウムクーヘンは、少人数でシェアするのにちょうどいい1,080円のサイズから選べるほか、小分けになったバウムクーヘンminiもおすすめです。 県内には直営店がいくつかありますが、彦根にも、彦根城のお濠端に「彦根美濠の舎(みほりのや)」があります。地元彦根にちなんだ限定商品も販売されているので、チェックしてみてください。 所在地:滋賀県彦根市本町1丁目2-33 営業時間:9:00~19:00 定休日:年中無休(1月1日を除く) …
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目次 写経の効果ってこんなにすごい!心がすっきりする秘密 写経の効果で、忙しいあなたにも優しい時間を 毎日の習慣に写経を!ココロの余裕が生まれる効果あり? 写経を習慣に!初心者でも始めやすいステップ 写経を続けるコツ!習慣化で心にゆとりを 写経習慣を楽しむアドバイス 東京編「写経体験できるお寺7選」貴重な夜開催も 京都編「写経体験できるお寺7選」 写経の効果ってこんなにすごい!心がすっきりする秘密 写経(しゃきょう)と聞くと、どんなイメージを持ちますか?仏教の経文を丁寧に写すことから始まるこの習慣は、実はただの作業ではありません。写経には、心を整える不思議な効果があると言われています。 まず、写経をすることで集中力が高まります。細かい文字を写す必要があるため、心が一点に集中し、日々の雑念(ざつねん)(余計な考えや心配事)を忘れさせてくれるんです。これが、心がすっきりする秘密の一つです。 さらに、書くという行為自体がもつリラックス効果も見逃せません。リズミカルに筆を動かすことで、ストレスが軽減され、心が穏やかになるとされています。書き続けるうちに、心が整っていく感覚を実感できるでしょう。 そして、書いた後の達成感は、さらなる心の余裕を生み出します。一枚の写経が完成すると、自分で何かを成し遂げたという満足感があり、それが自信につながるんです。 このように、写経はただの文字を書く作業ではなく、心が整うための素晴らしいツールです。試してみたくなりませんか?次の段落では、忙しいあなたにもできる写経の取り入れ方をご紹介します。 写経の効果で、忙しいあなたにも優しい時間を 忙しい毎日の中で、ほんの少しの時間を自分だけのために使う。そんな贅沢な時間が、写経にはあります。写経は、短時間でも心を落ち着ける効果が期待できるのです。 たとえば、朝の忙しい準備の前や、夜、一日の終わりに10分だけ筆を取ってみる。そんな小さな習慣が、一日のストレスから解放してくれるかもしれません。一筆一筆に心を込めることで、自分自身と向き合う時間を持つことができます。 そして、写経はどこでも始められるのも魅力の一つです。特別な道具がなくても、筆ペン一本あれば始められます。自宅でも、公園のベンチでも、あなたが落ち着ける場所ならどこでもいいんです。 写経を通じて見つけることのできる、ゆったりとした時間。それはまるで、忙しい一日のオアシスのよう。少しの時間を投資するだけで、心に大きな効果をもたらしてくれるはずです。次の段落では、写経によってもたらされる心の余裕について掘り下げてみましょう。 東京編「写経体験できるお寺7選」貴重な夜開催も 東京編「写経体験できるお寺7選」貴重な夜開催も 京都編「写経体験できるお寺7選」 京都編「写経体験できるお寺7選」 毎日の習慣に写経を!ココロの余裕が生まれる効果あり? 毎日のルーティンに、ちょっとした写経を加えてみるだけで、私たちのココロにはどんな変化が現れるのでしょうか?実は、写経には習慣として取り入れることで得られる効果があります。 書く、という単純な動作が、脳を活性化し、集中力や記憶力の向上に役立つとされています。これは、特に忙しい現代人にとって、大きなメリットです。日々のちょっとしたスキマ時間を活用して、写経を楽しむことで、日常生活にもプラスの効果をもたらすでしょう。 また、定期的に写経を行うことで、自己管理能力の向上やストレス耐性の強化といった精神的なメリットも。ココロに余裕が生まれると、人間関係や仕事の効率も良くなることが期待できます。 では、実際に毎日の習慣として写経を取り入れるには、どのように始めれば良いのでしょうか?次の記事で、写経を生活に取り入れるための具体的なステップをご紹介します。そこでは、初心者でも簡単に始められる方法をお伝えするので、ぜひご覧ください。 写経を習慣に!初心者でも始めやすいステップ …
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常滑焼と聞いてまず何を思い浮かべるでしょうか。 ほんのりと朱色をまとった急須の姿ではないでしょうか。常滑焼は、常滑焼と言えば急須と言われるほどに、急須が有名な焼き物です。 今回はなぜ急須が常滑焼の代名詞となったのかと共に、常滑焼の魅力や楽しむことのできる喫茶店などを紹介します。 常滑焼とは 出典:写真AC 常滑焼は愛知県常滑市を中心に古くから製造されている焼き物であり、常滑を中心に知多半島の丘陵地に多くの窯があります。 唐津焼や美濃焼などのようにその知名度は極端に高くはなく、焼き物といえば?という質問において最初にくるようなものではないかもしれません。 しかし、実は急須のシェアが一位になっており、急須といえば常滑焼と言われるほど、よく製造されており、多くの人に親しまれています。今現在、一般的な急須のイメージを作り上げたのが常滑焼であり、身近に使われている焼き物となっているわけです。 常滑焼の歴史 常滑焼は平安後期から作られたものであり、当時から日用品、小皿などが多く製造されており、高い品質で愛されていました。 江戸時代においては、常滑村・瀬木村・北条村の三か村で焼かれるものが常滑焼と総称されるようになりました。現在、日本において急須の焼き物として、常滑焼が最も有名となったのは中国の朱泥に近い色を出すことができたからです。 今でも赤い色味を持った急須をイメージする人が多いと思いますが、それを作り出すことができたのが常滑焼になります。 常滑で初めて急須を作ったとされるのが、杉江寿門堂であり、安政元年に常滑の医者で急須の収集家でもあった平野忠司が指導をしつつ、今の赤い急須の原型が出来たとされています。 常滑焼の特徴 出典:写真AC 急須の朱色からもわかるように常滑焼の特徴としてあるのが、原料に含まれている鉄分を赤く発色させるところです。これが極めて特殊な技法であり、常滑焼の大きな特徴になっています。 酸化鉄を多く含んだ陶土を用いることによって、お茶を煎れたときに酸化鉄と茶のタンニンが反応して、渋みがよくとれるようになります。 その反応により、お茶の渋みが良く取れ、丁度良いまろやかな味わいでお茶を楽しむことができるようになっています。そこがまさに常滑焼の急須が長く親しまれている焼き物になった要因とも言えるでしょう。 単純に色が中国の朱泥に近いという理由だけで急須に用いられるようになったわけではなく、純粋に美味く煎れることができるようになっている、という特徴があるわけです。 明治時代に入るとそのままの伝統技術は継承しつつ、西欧技術によって機械化が革新的に進んでいき、焼酎瓶や煉瓦タイル、衛生陶器なども高い品質で作るようになりました。 常滑焼といえば急須 急須といえば常滑焼、常滑焼といえば急須と言われるほどですが、その要因となったのはやはりその朱色です。 原料に含まれる鉄分と陶土に混ぜこまれている酸化鉄によって赤く発色しているわけですが、これは非常に耐水性にも長けています。水を吸わないので急須に最適です。 また常滑焼は、基本赤色ですが最近では釉薬をかけることによって、様々な色を出すことができるようになっています。 常滑焼を楽しめる喫茶店 出典:写真AC 常滑焼を色々と楽しめる飲み方ができる喫茶店があったりします。そうしたサービスを提供しているのが、Cafe 常観堂というカフェです。 この店では急須で珈琲を楽しむことができます。急須で珈琲を煎れてもらい、湯飲みで楽しむ、という和テイストのカフェとなっているのです。 さらには常観堂では、初心者から上級者まで楽しむことができる焼き物体験サービスがあります。常滑焼の職人と作家と連携して、本物の陶芸体験ができるようになっています。 …
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城や蔵など古くから受け継がれてきた伝統的な建築物の壁が、白い建材で作られていることに気付いている方は少なくないでしょう。 伝統建築に用いられている白い壁は、ペンキなどで着色しているものではありません。 白く見える城や蔵などの壁に使われているのは漆喰(しっくい)と呼ばれる建材です。 かつて運動場にライン引きで白線を引くのにも用いられた、消石灰が原料となっているので一般的な漆喰の壁は白くなります。 日本各地に点在する歴史的建築物の壁は、土壁を漆喰で仕上げたものが多いのが特徴です。 漆喰は外装材としても内装材としても使われる非常に便利な建材で、古くから日本国内だけではなく世界中で使われている優秀な建材が漆喰です。 漆喰の歴史 出典:写真AC 漆喰が用いられた最古の建造物だと考えられているのが、今から約5,000年前に作られたと言われているピラミッドです。ピラミッド以外でも古代ギリシャやローマ時代の建築物に漆喰が用いられていることが確認できます。 シルクロードを経由し漆喰の加工技術は中国にもたらされます。 高松塚古墳やキトラ古墳などの飛鳥時代の建造物に漆喰が用いられていることから、日本には約1,300年前に漆喰の加工技術が渡ったと考えられています。 その後、城郭建築に漆喰が用いられ多くの城の壁が漆喰で飾られます。漆喰を多用したものとして白鷺城と呼ばれる、兵庫県の姫路城などが代表的なものです。 高級建材である漆喰は富の象徴として、江戸時代には豪商や豪農の蔵や神社仏閣にも用いられるようになり、日本国内で独自の漆喰の技術が育まれます。 現在日本国内には本漆喰、土佐漆喰、既調合漆喰、琉球漆喰の4つの漆喰と、安価な上に漆喰の機能を有する漆喰関連製品と呼ばれる計5種類の漆喰が存在します。 漆喰の材料・作り方 既に紹介したように漆喰は消石灰を主原料として作られます。消石灰は石灰岩に塩を加えながら1,000度以上に加熱して作られます。この消石灰に水を加え麻や藁などの補強剤、海藻を焼いて作られた糊と呼ばれる接合剤を加えて混ぜたものが漆喰と呼ばれます。 雨の多い地方では鯨油や魚油、菜種油を練りこむことで防水性を高める加工も存在します。 屋根に使用する漆喰や壁の仕上げの前の中塗りと呼ばれる漆喰には川砂などの骨材が加えられるほか、近年では補強剤に天然素材ではないナイロン繊維やガラス繊維などの化学繊維を用い作られます。 また、接合剤を補強する水溶性樹脂メチルセルロースやアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂など様々な樹脂を用いて作られる漆喰も存在します。本来は白であった漆喰も、近年では顔料を加えることでカラーバリエーションを付けることが盛んに行われています。 漆喰の壁のメリット・効果 出典:写真AC かつて漆喰は優れた耐久性と防火性が認められ、城郭や蔵の建築に用いられました。近年の研究では、次に挙げるような漆喰の新たな能力が確認されています。 ○消臭能力:京アルカリの消石灰で作られる漆喰には、匂いの原因となるカビや細菌の繁殖を抑制する能力があると言われています。 ○化学物質の分解能力:漆喰の壁はハウスシックの原因であるホルムアルデヒドを吸着し分解すると考えられています。 ○保温能力:漆喰は熱伝導率が低い、いわゆる断熱材としての働きを行います。外部の熱の影響を受けないことから冷暖房の効率を向上させると言われています。 ○湿度調整能力:土壁は表面を仕上げる漆喰を通して、空気中の湿度が高ければ湿度を吸収し、低ければ湿度を排出する働きがあります。漆喰の仕上げをするだけでも室内の湿度調整をしてくれると言われています。 漆喰の壁のデメリット 出典:写真AC 世界中で古くから用いられている顕在の漆喰ですが、新しい建材に比べると見劣りしてしまう点などもあります。漆喰の壁には次に挙げるようなデメリットがあると言えます。 ○ひび割れしやすい:化学合成された糊や接着剤を使用しない漆喰は、衝撃を受けるとひび割れてしまうことがあります。 …
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ガラスやプラスチックとはまったく違う、特別な質感と重みをもった焼物。日本には長い歴史と伝統文化の中で練り上げられてきた特別な焼物が数多く存在します。工芸品としても人気の高い焼物は、旅先などで陶芸体験を通して気軽に作ることができます。時間を忘れ作陶に没頭する時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれることでしょう。焼きあがった作品が手元に届くまでの時間も、旅の記憶を思い起こすことができていいですよね。今回は旅先で人気の、気軽に参加できる陶芸体験をご紹介します。 陶芸体験①萩焼(萩焼会館) 山口にある萩焼会館の陶芸体験では、上品で繊細な萩焼の伝統と技を体験できます。絵付け、手びねり、ろくろの3つからコースから体験内容を選ぶことができ、料金は30分1,200円から。陶芸の体験が初めての人も、やさしい指導で安心です。憧れの萩焼を自分の手で作ることができます。 2名からの受付ですが、当日でも申込が可能です。萩焼会館の売店のスタッフに、陶芸体験希望と伝えると申込できます。10名以上は予約が必要になりますので、電話またはFAXで申し込みましょう。 150人まで受付可能なので、グループや団体で楽しむこともできます。 【料金】 絵付け 1200円から(税抜送料別) 所要時間約30分 手びねり 2000円から(税抜送料別)所要時間約60分 ろくろ 4000円から(税抜送料別) 所要時間約30分 【体験時間】 午前9時から11時半 午後1時半~3時半の30分ごと(作品の焼成完成まで1~2ヶ月) 【予約電話】 0838-25-9545 【予約FAX】 0838-25-8159 【営業時間】 午前8時から午後5時 【定休日】 年中無休 【アクセス】 自動車 中国自動車道美祢東JCTから小郡萩道路絵堂ICを出て、約30分 バス 萩循環まぁーるバス東回り萩焼会館前で下車、徒歩1分徒歩 JR東萩駅から徒歩10分(約800メートル) 陶芸体験②伊豆白浜焼(ほけきょ庵) 出典:陶芸体験ほけきょ庵 伊豆旅行に行く際に外せないのが、ほけきょ庵の陶芸体験です。ほけきょ庵最大の特徴は、経済産業省経営革新認定の伊豆の風景や名物を模した工房オリジナルの焼き物。「伊豆白浜焼き」「伊豆の桜と菜の花焼き」「恋人岬 夕日焼き」などの「伊豆の焼き物体験」ができることです。名前の響きから、他の焼物とは一味違いますよね。 粘土の量、作品の数、作陶時間の制限なく陶芸体験をすることができ、気に入った物を焼き上げるスタイルです。伊豆高原の森林に囲まれた工房で自然を堪能しながら陶芸体験を楽しむことができるので、リフレッシュにも最適です。予約無しで気軽に体験することができるので、家族や恋人、友達との想い出作りにいかがですか? 【料金】電動ろくろ 3500円から(1名様) ※フリードリンク込ドッグラン無料。粘土約2.5キロと、1個焼成の価格となります。粘土の追加は約2.5キロごとに500円。焼成の追加は1個焼くごとに1000円~。作品の焼成完成まで約90日前後。 【申込方法】 基本的に予約なしでOK、8名以上の団体の場合3日前までに、コース料金を振り込んで予約します。 【予約電話】 0557-54-0770 【受付時間】 午前10時~午後5時 …
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佐藤賢吉さん(@ken_tatamiya_sendai_)がシェアした投稿 – 10月 26, 2017 at 11:25午後 PDT かつて、日本家屋が一般的だった時代には、畳の敷いてある和室がどこの家にもありましたが、建築様式の多様化とともに洋室のほうが多くなり、フローリングの部屋だけという家やマンションの部屋も多くなりました。 しかし、畳の香りやごろんと大の字になって寝転んだ時の気持ちよさは、フローリングでは得られないものがあります。今回は、そんな日本の畳文化についてお話しします。 古事記にも記載が残る畳の歴史 仏教とともに中国から伝来した文化が多く見られますが、畳は日本固有の文化で古事記に「菅畳八重」「皮畳八重」と記されています。その頃は、現在のような畳ではなく、コモを敷き重ねていたと考えられています。 奈良時代に使われていた畳が正倉院で保管されているのですが、これが現存する最古の畳になります。聖武天皇が使用した「御床畳」(ごしょうのたたみ)と言われるもので、真薦(まこも)を編んだものを5、6枚重ねて土台にして、その上にい草の薦がつけられ、錦の縁が施されています。 そして、現在使われている畳の形に近くなってきたのが平安時代のことで、貴族の家屋が寝殿造りになってから、板敷きの上に畳を敷いて座具や寝具として使っていました。また、畳の厚みやへりの部分の柄や色は、身分によって変わったそうです。しかし、当時は畳を敷き詰めるのではなく、寝所など必要な場所に畳を家具のように置いて使っていました。 鎌倉時代から室町時代にかけて、書院造という建築様式に変わると、畳を敷き詰めるようになったそうです。しかし、まだまだ畳は贅沢品で貴族や武士の屋敷にしか使われていませんでした。やがて、江戸時代に入ると、数寄屋造りの家や茶道文化が発展し、それとともに徐々に庶民の暮らしにも畳を敷く文化が入ってきたそうです。江戸後期になると畳職人も現れますが、本格的に畳が一般化したのは、明治維新以降、柄などの規制が解かれてからのことでした。 畳はなぜ心地いいのか Kazuhaさん(@ippachan)がシェアした投稿 – 10月 26, 2017 at 1:22午前 PDT フローリングのほうが安価だということもあり、畳のない家も増えましたが、やはり畳には畳の良さがあります。い草はストローのような形状になっているため、中に空気が含まれています。そのため、夏はその空気が熱気を遮断し、冬は外の冷気を遮断することができるのです。 断熱材のような役割を果たすと同時に保温機能も優れているため、夏は涼しく、冬は温かいという理想的な温度を保つことができます。また、畳の香りを嗅ぐと、ほっとした気持ちになりますが、これは畳のい草には森林浴をした時と同じくらいの鎮静効果があるからです。 そして、い草の色は、最初は若草色をしていますが、年月が経つにつれ飴色に変化し、それはそれで味わい深いものになります。また、い草は湿度調整にも役立ち、湿気が多いときにはそれを吸収し、乾燥している時には水分を空気中に放ちます。そして、抗菌性にも優れていることから、医薬品や食品へのい草の応用について研究が進められているのです。 畳の種類 須藤聖さん(@buyon4)がシェアした投稿 – …