木目金とは?|作り方や作品(指輪/ライター/包丁)を紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

金銀銅だけじゃない!木目金の材料を紹介


出典:Wikimedia Commons

木目金は異なる金属の色を木目のように浮かび上がらせる技術ですので、使用される金属はそれぞれ色合いが違っています。

江戸時代に用いられていたのは、金と銀、銅などでした。しかし、現代ではさらに金属の選択肢は広がっており、これらに加えてプラチナやチタン、ジルコニウム、タンタルといったレアメタルを含んだ木目金も見られます。

金属の選択肢が増えることで、木目の出し方や耐久性、色鮮やかさなどが従来の木目金よりも多種多様になっています。また、身につける人に金属アレルギーがある場合でも、その金属を避けて作成することで、安心して身につけられるようになっています。

木目金の作り方を紹介


出典:Wikipedia

木目金の作り方は、非常に複雑です。まず、材料となる、複数の種類の板状の金属を用意します。

江戸時代の職人は、この金属も自分で作ることにより、イメージ通りの色合いの木目を生み出していました。板状の金属の中には酸化しやすいものもありますので、錆や汚れなどを取り除きながら、平らになるように磨いていきます。

金属板の準備ができたら、色合いを考慮しながら板を交互に重ねていきます。そして、これを機械で押さえて加熱ながら圧着しますが、接着剤の代わりになる溶けやすい金属をはさむこともありますし、相性の良い金属同士ならば、そのまま加熱圧着することで、ぴったりとくっつきます。

加熱の際には、金属同士が溶け合って色が混ざらないように、融点の低い金属に合わせて、様子を見ながら熱を加えます。その後、幾重にも層になっている金属の塊を打ち伸ばし、強度を高めながら薄い板状にしていきます。

板状になった金属は、微妙に力加減を変えて削ることにより、表面に出てくる色合いが変化していきます。こうした多くの工程を経て木目金が完成します。

木目金の美しさを保つ職人の技術とは?

木目金の製造工程は、金属同士の相性や加熱するときの加減、さらに思い通りの色を出すための彫金といった複数の高い技術力を要求されます。

直接目の前で製造過程を見ながら学んだとしても、一朝一夕に完成できるものではありませんし、自分で木目金が作り出せるようになってもイメージ通りになるとは限りません。

また、近年では金属アレルギーやレアメタルとの相性など、江戸時代よりも学ばなければならない知識や技術が広がってきたことで、ハードルの高い職業になりつつあります。

しかし、丁寧に作られた木目金はいつまでもその美しさを保ち、丈夫さ、繊細さに優れ、長く使える品物になります。職人も自分の勘や経験を頼りに、時期や入荷した金属の性質を考慮して、世界に二つとない美しい木目を生み出しているのです。

【修復が価値を生む】室町時代から続く「金継ぎ」のやり方と魅力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するキーワードから探す