金継ぎ(きんつぎ)という技法を知っていますか?金継ぎは、割れたり欠けたりしたお茶碗や陶器を、漆で接着させたり継いだりして、修復する技法のことです。
仕上げに金粉を使うので、見た目は金で継いだように見えることから金継ぎと呼ばれています。
金継ぎの歴史
出典:写真AC
金継ぎの技法は、室町時代に生まれた技法です。金継ぎに関係の深い茶の湯が始まったのがきっかけです。金継ぎの歴史を話す前に茶の湯の歴史を話す必要があります。
茶の湯は、安土桃山時代に千利休の登場で、一つの文化として確立していきます。茶の湯は大名や豪族・豪商のステータスとして位置づけられ、特権階級が楽しむ文化として広まりました。茶の湯に使用される茶道具は、高価で貴重なものとして扱われ、特権階級がこぞって収集する傾向にありました。
その中でも高価で有名なものは「名物」とされ、彼らに宝として位置づけられます。安土桃山時代には、戦国武将の戦の功績の褒美として、大名に与えられることもありました。こうして茶の湯は当時の大名達のステータスと化し、冨と権力の象徴となっていきます。
これらの時代背景から高価であった陶器は、例え壊れて形を変えたとしても、金継ぎという技法で修復され再び使用されました。与えられた褒美を権力の象徴として、茶の湯の中に新たな造形美を作り出していきます。こうして金継ぎは、後世に渡ってその技法を残していくことになります。
金継ぎに必要な材料
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金継ぎは、一般的には次の材料を用いて施されます。
・漆
・金粉
修理をする対象の壊れ方によって、これらの材料に、小麦粉や木糞(こくそ)、砥の粉といった他の材料を足して、仕上がりをよりよくしていきます。
金継ぎのやり方
漆の接着剤の作り方
割れた陶器をくっつける接着剤の作り方を紹介します。接着剤は、漆と小麦粉をといて作っていきます。
金継ぎのやり方
割れた食器のくっつけ方
次に割れた陶器のくっつけ方を紹介します。割れた陶器などの破片の片方に、作った漆の接着剤を薄く塗ります。破片ではない方にも、同じように漆の接着材を薄く塗り、元の形の様に食器を合わせます。少し乾燥をさせます。
割れた陶器に大きな隙間がある場合は、これらの隙間を埋める為に木糞と漆をといたもので隙間を埋めます。欠けているようしたら、砥の粉を漆でといたものを元の形になるように補います。
金継ぎでどんなものが治せるのか
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金継ぎの技法を用いることができるのは、陶器といったお茶碗や食器であったり、またガラスも金継ぎを使うことができます。技法がかなり複雑になりますが、漆器や木生地のものも修理をすることができます。