1反の長さとその由来|日本の単位はが複数あり、紛らわしい理由とは

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1反の長さは?


出典:ぱくたそ

1反(たん)の反というのは面積の単位で、土地の広さを表すときに使われる場合と、布の大きさを表すときに使われる場合があります。

1反というのは尺貫法という古くから使われていた単位ですので、今では一般的には使われていないものの、現在でも農地の広さなどを表すときに使うことがあります。また、布のことを反物と呼ぶなど、当時の名残をとどめています。

土地の面積を表す場合の1反は、300歩(坪)と等しく、991.736平方メートルです。

ただし、古代には1石の米を収穫できるくらいの他の面積を1反と呼んでいましたので、時代によって1反の土地の面積は若干異なっています。

布の大きさの単位として用いられる場合には、1反でおよそ一着分の着物を作ることができる幅や丈です。幅は大体9寸5分(約29センチ)、長さは2丈8尺~3丈(10〜11.5メートル)が一般的です。

1反という単位の由来


出典:ぱくたそ

反という名前の由来は古代中国までさかのぼります。

尺貫法自体は、中国の尺斤法を取り入れたものですが、中国では面積の単位に反を用いておらず、長さの単位で端を使っていました。

この「たん」という読みをそのまま面積の単位に使用し、漢字が変化したものが日本の尺貫法で用いられる1反になったといわれています。

一方で、米の収穫量で面積を判断していた状況において、1反を1段と書いていたことがあります。日本では棚田が多く見られますが、段々の状態になっていたところから1段という単位が使われるようになり、やがて1反という表記になっていったという説もあります。

度量衡では1反ではなく1段と表記されていました。

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1反以外にもある、日本特有の単位


出典:ぱくたそ

日本には、1反という単位以外にも特有の単位が存在します。面積だけで見ても、歩、畝、町などがあり、耳慣れない人にとっては広さがつかみにくいでしょう。

1歩というのは長さと面積の単位として用いられ、成人男性が2歩進んだときの距離を基準としています。日本では長さで言えば6尺(約1.818メートル)、面積の場合には6尺平方となっており、「ひとつほ」と呼んでいたものが変化して一坪という単位になったといわれています。

畝は歩の30倍の面積であり、10畝で1反になります。読みは「せ」です。町は長さと面積の単位で、面積を表すときには町歩と呼ぶこともあります。1町の広さは10反分です。これは1ヘクタールに非常に近い広さになっていたため、メートル法に移行するときにも多くの人にすんなり受け入れられました。

1反と畳、坪、haを比較


出典:ぱくたそ

1反といわれても、普段耳にすることのない人にとっては現在の単位でどれくらいの広さになるのかが分かりにくくなっています。

例えば、畳1枚分の広さとして使われる畳という単位と比較すると、畳600枚分に該当する600畳に近い広さです。

建物の広さなどを判断するときに使われることが多い坪という単位で比較すると、1坪が2畳分の広さになりますので、600畳の半分、300坪の広さです。haで見ると、1反とほぼ同じ広さになりますので、かなり広い面積であることが分かります。

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