日本の美しい棚田8選|農家の工夫がつまった日本の原風景

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日本には山地などが多く急傾斜地も少なくありません。そういった環境から農村風景には 「棚田」(たなだ)と言われる風景を見ることが出来ます。「棚田」とは急な斜面を平に整備し稲作などが行えるよう田んぼを作り、その田んぼが規則正し傾斜に合わせて段々とならんでいる、田んぼが集約されたもののことを言います。

また、その「棚田」を一望できる様を「千枚田」(せんまいだ)とも呼ばれています。農水省によると傾斜度が20分の1以上の水田を「棚田」として定義しています。棚田に認定されると農水省から助成金が給付されます。 「棚田」は日本で稲作を営んでいくには必要不可欠なものでした。

田んぼなどには水が必要となるのですが、その水を排水あるいは配水するためにはある程度の緩やかな傾斜が必要となる場合があり、「棚田」は田んぼごとに高低差を付けることで、一つ一つの田んぼに水を配給できるようになっています。

一方で、山間部から海に急激に繋がっている場所が多い地域や、山間部が地域の大半を占めている場所などにおいては、農作物の収穫量を少しでも増やしていきたいという願望から、急傾斜地を整地して田んぼを作り、「棚田」を形成している場合もあります。

近代においては、稲作など農業の機械化とともに担い手不足が重なったこともありまして、棚田を維持することが困難になり放棄されてしまった棚田も少なくありません。

農水省らが1993年に行った調査によると、「棚田」と定義付けされた田んぼの約12パーセントが放棄された状態であったといいます。逆に棚田の大型化に成功し、さらに多くの収穫している棚田もあります。

しかし、近年では棚田は日本の文化として再認識されつつあり、棚田の維持存続のために「日本の棚田百選」を選出するなど、棚田の景観美が認められています。

一般的に棚田の見頃は春の田植え時期や8月~9月の収穫時期と言われますが、季節を問わず素晴らしい田園風景を見ることができます。 ここでは「日本の棚田百選」に選ばれた「棚田」から数か所を厳選して紹介していきます。

おすすめの棚田①

星峠の棚田


出典:写真AC

まずは新潟県十日町市を代表する棚田である、松代地域にある「星峠の棚田」(ほしとうげのたなだ)です。大きな田んぼから小さな田んぼまで様々な田んぼが約200枚集約されており、斜面に掲載されているその姿は魚の鱗に見える特徴があります。

「星峠の棚田」を見に行くのであれば雲海が発生しやすい春や秋などの季節がおすすめです。春と秋の時期には田んぼに水が張られるため「水鏡」となり、特に秋の季節は雲海が水田に反射し稲穂の金色と交じり合う姿はまさしく桃源郷のような世界観を見せてくれます。

場所は、新潟県十日町市峠で関越自動車道の六日町ICから60分、北陸自動車道の上越ICから車で60分ほどに位置します。駐車場も準備されていて見学は通年行っていますので、是非カメラを手に訪れてみてください。

おすすめの棚田②

白米千枚田


出典:写真AC

小泉純一郎元首相がこの地を訪れた際に、「絶景だよ、絶景」とコメントしたことでも有名な日本の名勝にも登録されている棚田が、「白米千枚田」(しろよねせんまいだ)です。

石川県輪島市の能登半島北部に位置するこの棚田は、国道294号と日本海に挟まれた非常に狭い傾斜地に形成されている約1000枚の田んぼからなる「千枚田」となっていて、一つ一つの田んぼが非常に狭いことでも有名です。

日本各地で棚田を見ることができますが、海岸と千枚田を一目に眺められるのはこの「白米千枚田」だけかもしれません。その美しさは折り紙付きで2011年6月にはFAO(国連食糧農業機関)の世界農業遺産のシンボルとして扱われています。

白米千枚田は、例年4月末頃から棚田に水を引き5月に田植えを始めるのですが、この時期は田んぼに水が張り、水面に空の青さが鏡となって映り込み、見ものです。

また、夏稲穂の緑と日本海の絶景とともに夕日に焼けていく棚田も見ごたえがありおすすめです。さらに冬には2万個のLEDによる「あぜのきらめき」というイベントも開催さており、通年を通して楽しめることができます。

また、ボランティアという形で地元住民とともに、田おこし、あぜ塗、田植え、草刈り、稲刈りなどの作業イベントが年間を通じて行われています。 白米千枚田は石川県輪島市白米町にあり「道の駅輪島ふらっと訪夢」から車で約20分の場所にあります。営業時間は8:30から20:00までとなっています。

おすすめの棚田③

大山千枚田


出典:写真AC

地元の農家が長い間守り続けてきた棚田を見ることができるのが、千葉県にある「大山千枚田」(おおやませんまいだ)です。「大山千枚田」は日本棚田100選に選ばれているだけではなく、「全国米づくり100選」にも選出されている田んぼとなります。

春には緑の苗が映え、秋には稲穂が金色に輝き風になびく風景はまさに絶景といえるでしょう。 場所は千葉県鴨川市釜沼に位置しています。無料駐車場も用意されていますが鴨川駅前から大山千枚田までの往復割引乗車券もありますので是非そちらも利用してください。

おすすめの棚田④

姨捨(おばすて)の棚田


出典:写真AC

長野県千曲市にある「姨捨の棚田」(おばすてのたなだ)は全国で始めて国の名勝に指定された棚田となります。「姨捨の棚田」は標高460メートルから550メートルの斜面に2000枚の田んぼが構成されており、棚田を手前に見ながら遠くに長野市や千曲市の街並みが飛び込んできます。

2010年には国の重要文化的景観に選定されました。 特に午後から夜にかけての景観はおすすめで、棚田の向こう側に見える街の夜景が素晴らしい世界を演出してくれます。また、田んぼに水が張られる春のシーズンには田んぼに空を映し出され、山から見下ろす街とハーモニーする景観は、この棚田でしか見ることができない風景といえます。

姨捨夜景ツアーのイベントを千曲市観光協会が行っているほか、田植え体験、棚田のふもとでみそまる作り体験やおもしろ古代体験なども楽しめます。 「姨捨の棚田」は長野県千曲市大字八幡に位置しています。JR篠ノ井線姨捨駅の近くにあるので、ぜひ夜の幻想的な風景を楽しみに訪れてください。

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