御朱印とは?
近年のお遍路ブームで知名度を上げたのが、多くの寺院を廻り御朱印(ごしゅいん)を集める「御朱印集め」です。多くの神社や寺院などでは、参拝の「おしるし」として参拝者の用意した御朱印帳や集印帳などに朱印を押印してくれます。
この押印される印章や印影のことを、一般的には敬称を付け御朱印と呼んでいます。古くは写経したお経を寺院に納めた際に御朱印が押印されていました。押印と共に寺院名、御本尊や祀り神、参拝日などが墨書きされることが多いです。
一心不乱に書き写したお経を寺院に納経することで、押印される御朱印は深い信仰心の証とも言えるもので、願掛けや生活に溶け込んだ修行として写経と納経を繰り返す参拝者も存在し、昔から御朱印集めを行う人は一定数存在したと言えます。
現在でも一部の寺院では、納経しなければ御朱印を頂けない場合があります。現在は、集める楽しみが注目される御朱印ですが、本来は非常に宗教的な意味を持つ尊い「おしるし」なのです。
御朱印を集めるとご利益が?
出典:ぱくたそ
「御朱印を集めるとご利益があるのかどうか?」は気になる人が多いのではないでしょうか?
まず、御朱印を頂くためには神社や寺院を参拝する必要があります。参拝時には無意識にでも心の中で神仏に願い事や悩み事を打ち開けているのではないでしょうか?
これは心願(しんがん)や祈願(きがん)と呼ばれますが、この行為こそが御利益を生む行為なのです。参拝の証として頂く御朱印は「いつ何処の寺院で何を願ったか」は書き込まれませんが、参拝した本人であれば「どんな願いをしたのか?何を誓ったのか?」を覚えているでしょう。
御朱印を集めるために、多くの神社や寺院に参拝すれば自ずと心願、祈願したことや誓いを立てたことが思い出されるのではないかと考えられます。
目標を達成するためには、まずしっかりと目標を定めることが必要ですから、御朱印集めにはしっかりと目標を確認することができる効果があると言えるでしょう。また「御朱印を集められていること自体が既に御利益」という考え方もあります。
神社や寺院に参拝するためには健康面、経済面、精神面そして時間に一定のゆとりが必要となります。既に御利益を頂いていることを確認できるのが、御朱印集めであるという考え方です。
いずれにせよ、御朱印集めは参拝のおまけに付いて来るものですから、本末転倒にならないように気を付けましょう。