「正射必中」の正しい意味・由来・読み方
出典:ウィキメディアコモンズ
正射必中とは、弓道の教えのひとつで、「せいしゃひっちゅう」と読み、「正しく射た矢はかならず的に中る(あたる)」という意味があります。
弓道では、的をうまく射抜くことに重きを置いていません。
的を射るための正しい射法を習得することこそが、道を極めるということなのです。 正射必中というのは、このような弓道の考え方に由来する言葉です。
また、この教えは弓道にかぎったものでもありません。どのような物事でも、目的を達成するためには、そこへ至る正しい道筋をもとめることが重要となるのです。
弓道に取り組むメリットとは?
弓道の最大のメリットは、何といっても精神がきたえられる点です。
弓道は、ほかの武道やスポーツのように相手と向き合って戦うことはありません。その目線は、つねに的と自分自身に向けられています。そのために鍛錬を積み重ねることは、かならず自分自身を高めることにつながるでしょう。
また、弓道では的を射るというただひとつの目標に意識を研ぎ澄まします。これも、集中力を高めるうえではきっと役に立つでしょう。
弓道は、誰でもすぐ始められる門戸の広さも魅力のひとつです。高齢者や女性でも、弓の強さを変えればそれほど強い力は必要ありません。稽古をかさねれば確実に技術が向上するので、モチベーションを高く保ったまま続けやすい競技でもあります。
健康や美容にも、弓道には大きなメリットがあります。構えるさいの胴造りや、弓を引くときの力、それを引き戻そうとする弓の反発力。これが背中や胸などの筋肉をバランスよくきたえ、体幹の強い美しい姿勢を作ります。 けっして激しい運動を行うわけではないので、怪我のリスクが少ないのもよい点です。