なぜまたたびで酔うのか?猫の慣用句・ことわざ8選④
猫にまたたび
出典:写真AC
またたびは、山地などに生えるツル植物の一種です。新芽や実が食用や薬用とされ、乾燥して粉にしたものが販売されています。
人間にとっては何も影響ありませんが、猫にあたえると体をくねらせ、鳴きわめくといった、まるで酒に酔ったような行動を取ります。
このことから、「猫にまたたび」はとても好きなもの、あるいは効果があるもの、という意味で用いられることわざです。もともとは、そのあとにさらに「お女郎に小判、泣く子に乳房」と続いていました。
猫が酔う仕組みははっきり解明されていませんが、またたびに含まれるアクチニジンやマタタビラクトンといった物質が、ネコ科の動物の中枢神経を麻痺させると考えられています。
また、猫のよだれを促進する「β-フェニルエチンアルコール」という成分も含まれています。 効き目は数十分前後の短いもので、依存性はありません。
そのため、ストレス解消や食欲促進のために少量あたえることもあります。ただし、あまり大量に与えると呼吸困難や心停止を引き起こすので注意が必要です。
「猫にまたたび」と何が違う?猫の慣用句・ことわざ8選⑤
猫に鰹節
出典:写真AC
鰹節は、猫の大好物です。そのため、そばに置いておくといつの間にか食べられてしまうこともあります。
「猫にまたたび」とよく似た言葉に思えますが、こちらは人間側の視点で、けっして油断や安心ができない、といった意味のことわざとして用いられています。
平賀源内が当時の世相を記した『根無草』のなかで、「焼鼠を狐に預け、猫に鰹節の番とやらにて、必定、しくじりの番なり」と言い表したことが語源といわれています。
猫が鰹節を好むのは、その成分に多くのミネラルが含まれているからです。ただし、ミネラルを摂りすぎると尿路結石の原因ともなるので、あまり多く与えてはいけません。その意味でも、まさに「猫に鰹節」は油断できないといえそうです。