カガミクリスタルってどんなガラス?
カガミクリスタル株式会社は、日本の茨城県龍ケ崎市に工場を構えるクリスタルガラスのメーカーの会社です。
クリスタルガラスとは食器,花器,シャンデリアなどの装飾用ガラス器に使用される鉛ガラスのことで言葉の通り、クリスタル(水晶)とガラスで水晶ガラスとも言います。
1675年 G.ラベンスクロフトが発明しました。無色透明で光沢があり,一見天然の水晶を思わせるところからこの名があります。 クリスタルガラスの最大の特徴は、透明感。一点のくもりもない、本当に透明なガラスを作るには、原料が重要です。
カガミクリスタルでは、その原料に並々ならぬこだわりを持っており、原料となる砂については、不純物や鉄分の少ない珪砂を取り寄せています。 赤色発色の為に原料に純金を使用しているので、生産工程も他の色より多く、他の色より1~2割高くなります。
どのようにして生まれた?カガミクリスタルの歴史
出典:写真AC
1934年(昭和9年)、南満州鉄道のガラス工場からドイツに留学しグランヴィール彫刻を学び、後に帰国した各務鑛三(かがみこうぞう)氏により、 大倉陶園の後援を受けて日本初のクリスタルガラス専門工場として、各務クリスタル製作所が創立されました。
江戸期よりグランヴィール彫刻はあったのですが、近代的なガラス技法を習得した各務鑛三氏がグランヴィール彫刻を改めて伝え、それがカガミクリスタルの基盤となりました。
1943年(昭和18年)東久邇宮に内親王成子が嫁いだ際に調度品を納めた。以降、皇室御用達となりました。 1965年(昭和40年) には時計業界や電子業界にも進出し、事業を拡大していきます。 1985年(昭和60年)に カガミクリスタル株式会社と現在の社名に変更しました。
皇室御用達の秘密とは?カガミクリスタルの魅力
出典:写真AC
繊細なグランヴィール彫刻かと思えば大胆なカットの江戸切子もあり、それが透明感のあるクリスタルガラスに映えます。 熟達した職人が作り出す極めて繊細なクリスタルは宮内庁御用品としても認められ、広く愛されてきました。
この高い技術力は「刹那的場当たりの効果を狙う創造を忌み、真に価値のあるものを創造する精神を常に持つ」 と各務鑛三が説いた“もの創りの心”がありこれがカガミクリスタルの心となっています。
カガミクリスタルは今後もたゆまぬ錬磨によって技能を深め、高度な技術と共に絶えず独創的なもの創りをめざすとのことです。 ガラス食器の他、花瓶・灰皿、江戸切子・オブジェ等の工芸品、オーダーメイド品、ならびにウイスキー瓶や香水瓶の制作を行なっています。
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