スイカは野菜?果物?|野菜と果物の違いやスイカの保存方法など

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スイカは野菜か

 スイカは野菜か果物か?昔から、様々な場面で繰り返されてきた疑問です。 野菜であっても果物であっても、特に困ることはありません。しかし、実際のところどう分類されているのか、やはり気になるものですよね。

そもそも、スイカはウリ科の植物です。他のウリ科の植物は、キュウリやカボチャのようにほとんどが野菜として扱われています。

一方で、メロンはスイカと同じように、どちらかというと果物寄りです。 なぜ、このような違いが生まれてしまうのでしょうか。 実は、学問的に考えると、スイカもメロンも野菜の仲間となります。というのも、植物学では、草本性食用植物を野菜、木本性食用植物を果物、と分類しているからです。木本性というのは、果実が「木に生る」植物のことです。

一方で、草本性というのは「やわらかい茎」で、草や茎、根なども食用にできます。この点では、ツルに生るスイカは野菜になることは明らかです。 ただし、スイカは他の野菜のように料理の素材にはなりません。デザートとして食べるのが基本なので、果物と同じように扱われているわけです。

スイカについて


出典:写真AC

スイカといえば、夏の果物の代名詞。 その成分は実に95%が水でできていて、汗をかく夏にはぴったりの果物です。 糖分のほとんどが果糖とブドウ糖なので、エネルギーになりやすく、暑さで疲れた体を回復させる効果もあります。

他にも、スイカに含まれるβカロテンの豊富さは緑黄色野菜を上回るほど。βカロテンは体内でビタミンAとなり、新陳代謝や肌の老化を防ぐアンチエイジング効果をもたらします。

また、ビタミンCも肌を作る素材のコラーゲン作りに欠かせません。 ミネラルのカリウムは、体内の余分な塩分を排出して高血圧予防にも役立つでしょう。

近年では、他の果物にはめったに見られないスイカに含まれるシトルリンというアミノ酸の一種がとても話題となっています。血行をよくする効果があるので、冷え性やむくみの改善にもつながるでしょう。

これだけ栄養満点で、しかも甘くて美味しいのに、そのカロリーは野菜のゴボウ以下。100gあたり37kcalしかないので、安心して食べることができます。 ただし、食べ過ぎは利尿作用でミネラルの排出にもつながります。かえって夏バテになりやすいので気をつけてください。 

スイカ以外の野菜か果物か悩む食べ物


出典:写真AC

スイカと同じように、野菜か果物かでよく話題となるのがイチゴです。 先ほどの分類でいえば、柔らかいツルになるイチゴは植物学的に野菜となります。実際に、農家や園芸でも、そのような扱いとなっています。

一方で、スイカと同じように、イチゴも基本はデザートとして食べられています。 そして、イチゴにはスイカと大きく異なる点が一つあります。それは、多年生植物だということ。

植物学的には、一度収穫すれば終わりの一年生植物が野菜、何度でも収穫できる多年生植物が果物、と定義されています。 その点では、イチゴも多年生なので果物としか言いようがありません。しかし、農家では一度収穫したら植え替えるので、結局のところ野菜という扱いになっているわけです。

果物と野菜の判断基準とは?


出典:写真AC

そもそも、野菜と果物はどのような基準で分けられているのでしょうか。 先ほどまで見てきたように、園芸や農家などでは、基本的に植物学の考え方にしたがって草本性か木本性、あるいは一年生か多年生かによって分けています。

一方で、私達にとって、もっとなじみ深いのが、小売店での扱いです。例えば、八百屋で売っていれば野菜、果物屋で売っていれば果物。スーパーなどでも、売り場のコーナーは区別されています。

ここでのポイントは、市場でどのように扱われているか、です。市場では、消費者がどのように見ているかが最重要なので、料理用なら野菜、デザート用なら果物、といった判断基準になっているわけですね。

この2種類の分類に加え、さらに問題をややこしくしているのが行政での扱いです。農林水産省ではスイカやイチゴを野菜と定義しているにもかかわらず、家計調査のデータなどでは果実に分類していまいます。

この基準は、自治体によってもまちまちです。 このように、業界や分野によって果物と野菜の定義が異なることから、スイカやイチゴのようにボーダーライン上の植物も生まれてくるわけです。

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