夏の果物の特徴
夏には、とてもたくさんの種類の果物を楽しむことができます。 まず、初夏にはさくらんぼ。やがて夏の幕開けと共にスイカが出回るようになり、暑さの盛りを過ぎた頃には、葡萄や桃が主役となります。そして、晩夏から秋にかけてはいちじくの味わいも欠かせません。
このような夏の果物を見ていくと、いずれも果汁がたっぷりで、さっぱりした味わいのものが多いことに気付かされます。 また、栄養価がとても高い果物が多いのも特徴の1つといえます。 暑い夏を乗り切らなければいけない日本人にとって、まさに天の恵みともいえるのが夏の果物なのです。
夏の果物の美容・健康効果
出典:写真AC
夏の果物の代表であるスイカには、暑い日射しで火照った体を冷ます解熱作用があります。 また、桃にはフルクトースという単糖類の果糖が多く含まれ、消化しなくてもすぐにエネルギーとして利用することができます。暑さで疲労した体を回復するには、持ってこいの果物です。 他にも、スイカや葡萄、さくらんぼにはカリウムが多く含まれています。
カリウムは体内にある塩分の排出を助け、むくみを改善する効果があります。カリウムは特に夏に消費されやすいので、とても重要な成分の1つです。 スイカやパイナップルはその9割前後が水分でできているので、水分補給にもぴったりの果物です。 このように、夏の健康を保つために役立つ栄養素が夏の果物には多く含まれています。
さらに、夏の果物には肌に良い成分が多いのも特徴です。葡萄に含まれるポリフェノールや、さくらんぼに含まれるアントシアニン、ケセルチンには高い抗酸化作用があり、肌のサビつきを抑えるアンチエイジング効果があります。
マンゴーに含まれるβ-カロテンはビタミンAとなって、皮膚や粘膜のもととなり、健康的な肌を守ってくれます。 また、いちじくに含まれる水溶性食物繊維のペクチンには整腸作用があり、美肌効果やダイエット効果も夏の果物には期待することができます。
夏の果物①
スイカ
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日本人にとって、夏の果物といえばスイカというほど風物詩となっている果物です。 そのあっさりした甘味と、しゃりしゃりとした食感は季節にぴったりです。よく冷やしたスイカを食べるだけで、とても涼しげな気分にさせてくれます。 スイカの種類には大玉から小玉まで、さらに果肉も赤いものだけではなく黄色いものなど、様々なものがあります。
熊本県や千葉県、山形県を中心に日本全国各地で収穫されていて、小玉は早いもので4〜5月頃から出回ります。それに続いて、6月中旬〜7月にかけて大玉が店頭に並びます。 食べごろは小玉が6〜7月、大玉がそれにひと月遅れて7〜8月となっています。
美味しいスイカは、縞模様がはっきりと出た色ツヤの良いもの。また、硬めでずっしりと重いのもポイントです。収穫したあとに追熟することはないので、旬のものを購入したら早めに食べるようにしましょう。
夏の果物②
桃
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とてもみずみずしい果肉に、ほんのりした甘さが魅力的な夏の果物です。その最大の特徴は、何といっても上品な香りでしょう。 柔らかく食べやすいことから、老若男女に広く好まれる果物です。 その種類には大きく分けて、白鳳系と白桃系の2つがあります。
白鳳系は果肉が柔らかく、甘味が強くて果汁が多いのが特徴。白桃系は逆に締まった白い果肉で、保存性が高いのも特徴です。 主な生産地は山梨県で、全国の3分の1の収穫量を占めています。桃には早生種、中生種、晩生種の3つがあり、7月をピークに5月下旬〜10月上旬とかなり長く市場に出回ります。 食べごろも6月〜9月と長く、季節を通して楽しむことのできる夏の果物です。
夏の果物③
葡萄
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ひと粒ひと粒が小さくて果肉が柔らかく、とても食べやすい夏の果物です。ワインの原料になるほど、たっぷりの果汁が最大の特徴です。 その生産量は世界でもっとも多いといわれ、赤葡萄と白葡萄をはじめ、皮の色から果実の色、形、味わいなど、数えきれないほどの種類がある果物です。
最近では、種無しのものや皮ごと食べられるものが出回り、より人気を集めています。 主な生産地は山梨県で、全国の生産量の40%近くを占めています。品種が多いため、店頭に並ぶのも6月〜11月と時期が長く、8月頃に最も種類も数も多く出回ります。
食べごろは、8月〜10月初旬にかけてでしょう。残暑から秋にかけて楽しむことができる夏の果物です。 美味しい葡萄は色づきが鮮やかで、房のつき方に少し隙間のあるものがポイントです。