廣田硝子(ヒロタガラス)とは?|歴史やこだわり、魅力を紹介

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廣田硝子とは

日本国内には古来より国外から持ち込まれたガラス製品が存在しました。しかしこれらのガラス製品は非常に貴重な存在で、一般的に普及することはなかったと伝えられています。

明治時代に入り日本の近代化が推し進められる中で、ガラスの量産が開始されガラス製品が一般的に普及するようになりました。 今から約120年前の明治32年に創業された廣田硝子(ヒロタガラス)は国内で最も歴史のあるガラスメーカーの1つとして知られています。

江戸切子(キリコ)の生産が盛んだった東京の下町で創業された廣田硝子は、伝統的な江戸切子の製法を積極的に取り入れ丁寧にハンドメイドで作り上げる製法にこだわり続けています。ガラス職人の手によって作り出される洗練された廣田硝子のガラス製品は、国内外から高く評価され注目を集めています。

廣田硝子の特徴と魅力


出典:写真AC

ハンドメイドにこだわる廣田硝子のガラス製品は、機械化された一般的なガラスメーカーのガラス製品のように大量生産を行うことができません。

熟練したガラス職人たちの手によって作り出される芸術性の高いガラス製品が廣田硝子の特徴であり魅力でもあると言えるでしょう。 伝統的な江戸切子の技術はもちろん、廣田硝子のガラス加工技術の高さには定評があることによって国内外を問わず非常に多くのハイブランドからコラボレーションの依頼が打診されています。

代表例としてニューヨーク近代美術館のミュージアムショップで販売されている「バンブーシリーズ」と呼ばれるコップは廣田硝子の製品です。またインテリアに江戸切子を用いるなど、柔軟な発想でガラス製品の新境地を積極的に開拓するのも廣田硝子の特徴だと言えるでしょう。

廣田硝子の歴史


出典:写真AC

廣田硝子は近代化が推し進められる1899年の創業当時は硝子コップの製造販売を行い、ガラス製品の普及と東京の硝子産業の発展に貢献しました。

1985年に江戸切子が伝統工芸品の指定を受けたことで、廣田硝子は一般的な硝子製品の生産から伝統的な製法で作られるガラス製品の復刻に転換します。

江戸切子や吹き硝子、大正時代に生産されていた乳白あぶり出し技法などの伝統的な製法を取り入れ、復刻した製品を製造することに挑戦しますが、生産者が途絶えてしまった製法の復刻を行うのは非常に困難で、残された資料や製品を参考に試行錯誤を繰り返しながらの復刻作業となりました。

伝統的な技術の研究と廣田硝子の持つ高い技術力で、途絶えていた多くのガラス製品の製造法を復活させることに成功したことが、現在の廣田硝子の芸術性の高いガラス製品の生産に繋がったと考えられます。

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