脱脂粉乳とは牛乳の脂肪分をとり除いた後、乾燥させて粉末状にしたものを言います。 現在は別名「スキムミルク」としてスーパーなどで販売されています。 一般的に水分を含んだ食品は腐りやすいですが、水分を取り除くことで長期保存ができるようになります。
また水分を取り除くことで軽くなるため、輸送するときにもメリットがあります。 脱脂粉乳は保存性がよく、タンパク質、カルシウムを多く含んでおり栄養価が高いことから、第二次世界大戦後、アメリカから無償提供された脱脂粉乳はしばらくの間、学校給食に用いられていました。
しかし、当時の脱脂粉乳はバターを作った残りカスであった上、輸送や保存の際に高温多湿で傷んでしまったことから不味い飲み物の代名詞として嫌がられていました。
脱脂粉乳は牛乳と比べコストが安く日持ちがするため、現在では食品製造工場などでお菓子製品やパンに乳風味やコクを加えることを目的として使われることがほとんどです。直接の飲用としては日常的に利用することはほとんどありません。
脱脂粉乳の味の特徴
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牛乳から脂肪分と水分を取り除いたものですので、味と香りは水で薄めた牛乳そのものです。そのまま舐めるとほのかな甘みがあります。水に溶いて飲むと脂肪がほとんどないので物足りなさを感じる人もいます。
かつて脱脂粉乳は「クサイ」、「不味い」といわれていましたが、現在の脱脂粉乳はそのようなことは全くなく、好んで飲む人もいます。
脱脂粉乳の成分
脱脂粉乳には、タンパク質、脂質、炭水化物といった三大栄養素の他、牛乳と同様カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、銅といったミネラル成分、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCといった各種ビタミン、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナトリウム、カリウム、リン、ヨウ素といった成分が含まれています。脱脂粉乳は栄養満点なのです。
脱脂粉乳の効果
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脱脂粉乳には脂肪がほとんど含まれていません。そのため少ないカロリーで良質なタンパク質とカルシウムを摂取できるためダイエットに効果があると言われています。
タンパク質は摂取したいけど太りたくない人にとって脱脂粉乳はピッタリといえるでしょう。市販のプロテインにも含まれています。
脱脂粉乳とスキムミルクの違い
本来英語における「スキムミルクSkim milk」は「無脂肪乳」の事を指しており、乾燥して粉末にした「脱脂粉乳」とは厳密な意味では異なります。
しかし、「脱脂粉乳」にあまり良いイメージを持っていない人がいるため、脱脂粉乳を水に溶けやすいように加工したものを「スキムミルク」と呼ぶことが多くなっています。