炭酸水素塩泉とは
一般的に炭酸水素温泉と呼ばれる温泉は、温泉法で定められた掲示用泉質名に基づく泉質では塩類泉に分類され、炭酸水素塩泉とも呼ばれる温泉の泉質の1つです。
以前はカルシウム炭酸水素塩泉やマグネシウム炭酸水素塩泉などの重炭酸土類泉と、ナトリウム炭酸水素塩泉である重曹泉の2つに分けられていました。
1978年の温泉法改訂によって、温泉水1kg中に1,000mg以上の含有成分があり、重炭酸ソーダの含有量が340mgを超える泉質のものは炭酸水素塩泉と統一表示されるようになりました。重曹泉と呼ばれていた炭酸水素温泉は高い洗浄力を持つために「美肌の湯」や「清涼の湯」などの別名で呼ばれるケースも多く、浴用に美肌効果を期待できると言われています。
飲用することも可能で重炭酸土類泉は利尿効果が期待でき、重曹泉は胃酸を中和し胃の調子を整える効能が期待できると言われています。
炭酸水素塩泉の特徴は?
出典:写真AC
炭酸水素温泉は基本的に無色透明、無味無臭の泉質ですが含有成分によっては薬品臭やサビ臭さを感じるケースもあり、飲用すると苦味や酸味を感じるものもあります。
泉質の特徴は炭酸水素温泉の中でも重炭酸土類泉と呼ばれていたものと、重曹泉と呼ばれていたもので異なります。 重炭酸土類泉はアルカリ土類の影響で濁りがある場合もあり、鉄分、炭酸分の含有量が多いことから湯船や湯口に白淡褐色の付着物が発生します。
入浴時に使用する石鹸が泡立たない特徴も持つ炭酸水素温泉です。 重曹泉は含有成分の中に重曹の比率が高く、強い洗浄力を持つのが最大の特徴だと言えるでしょう。
無色透明のものが多く、入浴時に使用する石鹸が泡立つ炭酸水素温泉であることが重炭酸土類泉との違いだと言えます。
炭酸水素塩泉の効能
出典:写真AC
炭酸水素温泉は「美肌の湯」や「清涼の湯」と呼ばれることが多いのですが、これは含有成分の中に重曹の比率が高い重曹泉の泉質に特に強く見られる効能だと言えます。
入浴するだけで不要な古い角質や皮脂汚れを分解して洗い流してくれます。炭酸水素温泉は入力中に肌がスベスベすることから「美肌の湯」、汚れが落ちることで皮膚からの発汗が促されることから「清涼の湯」と呼ばれます。
炭酸水素温泉の浴用は泉質ごとに異なり、重炭酸土類泉には鎮静、抗炎症作用があると言われアレルギー疾患、慢性皮膚病、じんましん等に効果が期待できます。
飲用すれば利尿、排尿作用や血糖値低下作用、胃酸の中和作用などが期待され、痛風や尿管結石、膀胱炎、糖尿病、慢性胃腸障害への効果があると言われています。 重曹泉は皮膚表面を軟化させるため皮膚病や火傷、切り傷などへの効果が期待できます。
飲用では胃粘膜に働きかけ慢性胃炎への効果や吸入やうがいに用いることで気管支炎への効果も期待されます。
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