当時の「ハイカラ」の使い方
出典:写真AC
ハイカラには西洋的でお洒落な意味がありますが、ハイカラという言葉が誕生した当時には異なる意味合いで使われていた時期があります。急速に日本の文化を駆逐していく西洋の文明や文化に対して批判的な考えを持つ日本人も存在し、スーツ姿の日本人を自国の文化を捨て簡単に西洋文化に乗り換えた「軽薄な西洋かぶれ」という意味を込め皮肉でハイカラ者と呼んだといわれています。
また西洋文化に傾倒するハイカラな日本人は、日本の文化になかった握手などの習慣をいち早く取り入れたために「嫌味で気障ったらしい」という意味もハイカラの言葉には込められていたといわれています。現在は一般的となった握手ですが、明治政府が監修した礼儀作法の指導本に握手の仕方が表記されるほど、当時の日本人には馴染みがなかったものだと考えられます。
現在の「ハイカラ」の使い方
出典:写真AC
近代化が進んだ現在の日本ではハイカラという言葉の意味の中から、西洋的という意味合いが事実上消滅したと考えられます。西洋的という意味を失ったハイカラという言葉は「先進的」や「お洒落」という意味を持つ言葉として用いられますが、「レトロな」や「懐古的」という意味合いもハイカラという言葉に含まれ始めていると言えるでしょう。
日常会話の中でハイカラという言葉が使われなくなっている状態ですが、ハイカラの持つ独特のニュアンスは他に置き換えることが難しいためにハイカラという言葉が消滅することはないのではないかと考えられます。
ハイカラという言葉から窺えるレトロな雰囲気
現代の若い世代の方にとってハイカラという言葉は、聞き慣れない新鮮な響きを持つ言葉だといえるでしょう。しかし近代化の始まった明治時代に作られたハイカラという言葉は造語の元祖と言っても過言ではない言葉であるといえます。
数々の造語が用いられる現代社会の中で「洗練されている」や「お洒落」という意味を含んだハイカラという言葉を会話の中に織り込んでみるのもレトロな雰囲気が出て良いものかも知れませんね。
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