【大正ロマン感じる列車】福島-新潟間を走るSL「ばんえつ物語」の魅力

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SLばんえつ物語とは

鉄道マニアでなくても、煙を吐き出しながら力強く駆動する蒸気機関車の漆黒の躯体には目を奪われるものです。時代と共に姿を消してしまったSL(蒸気機関車)ですが、復活を熱望するファンの声に応え臨時快速列車として蘇ったのが「SLばんえつ物語」です。

ばんえつ物語は1999年4月29日に復活し4月~11月の土曜、日曜、祝祭日を中心に1日1往復のスケジュールで運航しています。ばんえつ物語の名前どおり新潟県新潟市に位置する磐越西線新津(にいつ)駅と福島県会津若松市の会津若松駅間の111キロを約3時間半で結び多くの鉄道ファンや子供たちを楽しませています。

年代を超えた多くのファンをもつSL(蒸気機関車)は、観光列車として各地で限定復活することは珍しくありませんでした。臨時便として運航されるばんえつ物語は運航本数こそ少ないものの、毎週末と祝祭日には運航されることで注目を集めています。

SLばんえつ物語の車両の特徴


出典:写真AC

ばんえつ物語を牽引するのはC57という蒸気機関車です。大きく力強い動輪を持ちながらも、ボイラー部分が細く優雅な姿から貴婦人の愛称で親しまれました。新潟県の新津で保存されていた1946年製造の180号機が驚くほど保存状態が良かったことから、ばんえつ物語を牽引する蒸気機関車として採用されました。

客車には木目調の内装やレトロな配色が施され、大正ロマンを彷彿させる雰囲気を漂わす仕上がりになっています。車両編成は全席指定の客車4両、グリーン車1両、展望車2両の計7両をC57が牽引します。C57には「SLばんえつ物語」のヘッドマークが掲げられます。

展望車の1両はキッズスペースの「オコジョルーム」を併設した「オコジョ展望室」として2014年に改造されましたので、小さな子供連れでも安心してばんえつ物語の旅を楽しむことができます。もう1両の展望車には乗車金スタンプやレトロな郵便ポストが設置されたイベントスペースがあります。

乗車記念日の消印が押された手紙を旅の思い出代わりに発送するのも素敵ですね。車内では乗務員とのじゃんけん大会などのイベントが催さればんえつ物語の旅に華を添えています。

グリーン車には専用展望スペースが設置されています。会津若松駅発の復路にはこの展望室にC57が連結されるため、躍動感溢れる蒸気機関車の魅力を堪能することができます。蒸気機関車好きの方はばんえつ物語の復路に乗車するのをおすすめします。

SLばんえつ物語の乗車券情報


出典:写真AC

復活から19年を迎える2018年4月28日現在、ばんえつ物語は10:05(磐越西線新津駅発)~13:35(磐越西線会津若松駅着)と15:25(磐越西線会津若松駅発)~18:40(磐越西線新津駅着)のスケジュールで1日1往復運航しています。

全席指定の臨時快速列車として復活したばんえつ物語への乗車には、乗車券のほか指定席券が必要となります。 指定席券はまたグリーン車も設定してあるのでゆっくりと、ばんえつ物語での旅を楽しみたい方にはおすすめです。こちらもみどりの窓口、指定席券売機、びゅうプラザ、主な旅行会社やえきねっとでの購入が可能です。

2018年4月28日現在、新潟県の新津駅から福島県の会津若松駅間の乗車券料金は1,940円、指定席券が520円となっています。ばんえつ物語での旅を楽しむためには2,460円の費用が必要となります。グリーン車利用の場合は乗車券料金の1,940円にグリーン車乗車券の1,670円が必要となり3,610円のコストが発生します。

多くのサイトでは乗車券料金が2,270円と表記されていますが、えきねっと内では1,940円で販売されているのでえきねっと経由で乗車券手配を行うのがお得だと言えるでしょう。

SLばんえつ物語の写真スポット①

被写体として人気が高い蒸気機関車は走行速度が低いため、比較的撮影しやすい列車だと言えます。走行速度が低いほどシャッターチャンスが長くなり、多くの写真を撮影することができる走行速度が下がる場所は、人気の撮影ポイントになります。

ホームの短い無人駅で、ばんえつ物語は通過してしまう鹿瀬(かのせ)駅近くの鹿瀬橋は、ばんえつ物語のおすすめの撮影ポイントの1つだと言えます。モクモクと力強く煙を吐きながら、ばんえつ物語を牽引して鉄橋を通過するC57-180の姿を撮影することができます。

また、この区間は他の区間よりも速度が規制されるため、ばんえつ物語は時速30キロで走行することもあり撮影チャンスが多いと言えるでしょう。

鹿瀬橋
住所:新潟県東蒲原郡阿賀町向鹿瀬858
アクセス:磐越西線の普通列車、快速列車で鹿瀬駅下車・国道459号線近く

SLばんえつ物語の写真スポット②


出典:写真AC

蒸気機関車の魅力を写真に取り込む方法のひとつに、モクモクと煙を立てて走る姿を撮影するという方法があります。蒸気機関車が煙を立てるのは、大きな力が必要で釜に燃料をたくさん投入したタイミングです。

しかし風向きで煙突から噴出す煙が意図しない方向に流れてしまったり、思った構図で撮影できないこともあり、撮影者のチャレンジ精神を刺激してくれます。

では、大きな力が必要となる場所とはどのような場所かというと停車状態から走り始めの初動のタイミングや上り坂などが上げられます。

煙が期待できるポイントとして知られているのが徳沢駅~上野尻駅間のポイントです。群岡カーブに進入しているばんえつ物語の全景を撮影することができます。カーブは速度が下がりますので絶好の撮影ポイントではないでしょうか。

徳沢駅~上野尻駅間:群岡カーブ
アクセス:磐越西線上野尻駅下車

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