栄養豊富な食材、おからはお好きでしょうか。食べる習慣のない人にとっては、あまり縁がない食材かもしれません。おからは上品に「卯の花」ともいい、炒って食べるとおいしい食材です。ケーキやドーナツなどにも使われて、大いに注目されています。
これは、豆腐を作る際、豆乳を絞ったときにできるカスであり、残念なことに産業廃棄物でもあります。実際古来より、豆腐屋に行くとタダでもらえるような食材であったことは、落語の「千早振る」や「鹿政談」からもうかがえます。
しかし、食物繊維を初めとして栄養も豊富で、捨ててしまってはもったいないおから、その知られざる特性を見ていきましょう。
おからの栄養価
出典:写真AC
おからの栄養素で特筆すべきなのは、なんといっても食物繊維です。おからは豆乳を搾り取られたあとの大豆かすですので、繊維が非常に豊富なのです。さらにいうなら、この食物繊維の性質は、腸まで届く不溶性、セルロースと呼ばれるものです。
そして、タンパク質、カリウム、カルシウム、鉄分、ビタミンB1が含まれています。大豆の栄養素がそのままスライドしているのですから、栄養豊富なのも当然ですね。
そして、その高い栄養と裏腹に、非常に低カロリーです。糖質、脂質、ナトリウムという、忌避されがちな成分も少ないです。栄養価を見ていきますと、まさに無敵の食材といえるでしょう。
残念ながら、水分が多く傷みやすいため、産業廃棄物にしないためにどうするかというテーマが付きまとうおからですが、技術の進歩により、肥料や家畜飼料、基礎化粧品など、多くの素材に利用されるようになってきています。
まだまだ捨てている量の多いおからですが、再利用を検討する前に、食べる人が多ければ解決するのです。