和ろうそくの良さ。洋ろうそくとの違い|魅力や材料・有名作家や産地を紹介

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和ろうそくの歴史は既に一三七五年の「太平記」の中で記述されており、遅くともこの頃には既に和ろうそくと言われるものが作られていたということになります。和ろうそくの産地は愛知県や京都府が多く挙げられることがありますが、実際には生産工房が最も多いのは愛知県です。

和ろうそくの有名店

正舗 田中屋:東京都台東区にある和ろうそくの老舗で、創業は明治期に遡ります。伝統的な製法で作られた和ろうそくを扱っており、職人が手作業で丁寧に作り上げた、独特の風情があります。

京都岡崎 瑞光堂:京都市左京区にある和ろうそくの専門店で、伝統的な京和ろうそくを扱っています。職人の手作業によって作られた、美しく繊細な模様が特徴的で、風情豊かな和の空間を演出することができます。

西川口 一三屋:埼玉県川口市にある和ろうそくの老舗で、創業は明治期に遡ります。手作業によって作られた和ろうそくを扱っており、無香タイプのものや長時間燃焼するものなど、様々な種類の和ろうそくを取り揃えています。

和ろうそく しみずや:和歌山県有田川町にある和ろうそくのお店で、樹脂質の樹脂蝋を使用した伝統的な和ろうそくを扱っています。美しい色合いや独特の模様が特徴的で、海外からの注文も多く、世界中で愛されています。

これらのお店は、和ろうそくの伝統的な製法を守りながら、美しい和ろうそくを作り上げていることで有名です。また、各地のお土産店でも和ろうそくを扱っていることがありますので、旅行先でのお土産選びにもおすすめです。

有名な和ろうそく「会津絵蝋燭」


出典:写真AC

和ろうそくの一つとして、会津絵蝋燭というものがあります。現在の福島県で製造されており、今から五百年前、当時の藩主が漆の植樹を奨励したことで始まりました。漆は木から塗料が、実からは蝋が採取出来たという点から、漆器とろうそくという伝統産業が二点生まれたのです。

蝋燭の売上を更に伸ばすため、絵を付けられた事で会津絵蝋燭の知名度と品質はより広く日本に広まったのです。会津絵蝋燭は、文字通りろうそくに絵が書かれているもので、当時の大名等の上流階級や神社仏閣で愛用されていました。

特に婚礼で一対の絵蝋燭が多く用いられ、現在「華飾の典」と呼ばれています。花の柄が多く描かれていますが、これは冬に会津では花が無いために、仏壇に供える花代わりとしても利用されてきたためなのです。

現在会津絵蝋燭は、会津絵ろうそくまつりと呼ばれる祭りにも使用されています。毎年2月上旬頃に行われる祭りで、絵蝋燭の魅力や歴史を伝えると同時に、工程の説明会を開催し、更に会津絵蝋燭の良さについて広めていこうという祭りとして開催されています。

明治10年創業の和ろうそく屋

明治10年(1877年)に創業の兵庫県西宮市で製造販売をしている「松本商店」の歴史ある和ろうそくをご紹介します。

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心安らぐ和の灯り「和ろうそく」 兵庫県「松本商店」

和ろうそくの魅力


出典:写真AC

和ろうそくは暖かく力強い炎が特徴的です。一つ一つ手作りであるため、数は少ないですがそれだけの魅力と能力を兼ね備えた工芸品であるとも言えるのです。

また地域によっては美しい絵が描かれることで、炎の柔らかさで淡くにじみ、柔らかい花が表現されて更に魅力を引き出しているのです。

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和ろうそくの特徴・原料


出典:写真AC

和ろうそくは洋ろうそくと、特徴や原料が大きく異なっています。原料から芯、実際の製造方法も異なりますが、炎の特徴や単位などにも違いが現れているのです。価格も全体的に和ろうそくの方が高価で、手間がかけられています。

洋ろうそくは石油から作られるパラフィンと糸を用いて、機械で大量に作られます。

それに対して和ろうそくは、櫨の実を始めとした木蝋等の植物性の蝋から作られている点が特徴です。芯もイグサの髄から一つずつ作られています。実際の製造過程も、蝋を芯に少しずつかけては乾かす、という作業をひたすら手作業で作るために数が限られてしまうのです。

和ろうそくと洋ろうそくに火を点けたときにも違いは一目瞭然。洋ろうそくは小さく消えやすい炎ですが、和ろうそくは芯が洋ろうそくより太いため、大きく消えにくくなっています。更に特徴的な違いとしては、単位という部分が挙げられます。洋ろうそくの場合は号が単位となっています。

また、購入するときも何号と書かれている場合も多いのですが、和ろうそくは匁という重さが基準の単位となっています。

これは製造過程で蝋を使用する量から来ている単位です。このことからも価格は和ろうそくの方が高価になっているのです。

和ろうそくの使い方

まず和ろうそくには赤いものと白いものがあります。赤い和ろうそくは仏壇で使用されるものであるため、注意が必要です。和ろうそくの使い方として、まず燭台とろうそくをしっかりと固定します。この時不燃性で、ろうそくの底にあいている穴にサイズが合うものを用意すると安心して利用できます。

また周囲に燃えやすいものが無いかを確認してから点火します。点火のときには芯糸の根本の方に火を近づけます。芯糸の先に火を近づけると点火しにくくなる点と、芯だけが燃えてしまうという問題点が起こるためです。

芯糸の根本であれば溶けたロウによって点火しやすくなります。再点火の場合も芯の長さや、ゴミが入っていないかを確認してから点火します。最後に火を消す時も、水は使わないで火を消す必要があります。

水を使うと熱いままロウが飛び散ってしまい、そのまま火災が起こる危険性があるためです。後始末をするときは、液溜まりの中にあるゴミやクズを取り除いてから、使用した燭台などを洗って乾燥させます。その後は湿気が少ない所で保存します。

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