カムイとアイヌの関係性
カムイとアイヌの人々の関係性はというと、一言でいうと自分たちに恩恵を与えるものや自然を操り自分たちの生活を守り・壊し・作り直させる力があるもの、自分たちの生命を司るもの、自分たちが生きて居られる環境や要因全てのものという事になります。
ですから、カムイに感謝し、例えば川で採った鮭も沢山摂り過ぎたならば他の動物へ恩恵を分け与えるため川岸にそっと置いてあげ、山で採る山菜も多くは取らずに同じく生命を維持しなければならない動物のために残してあげ、来年もまた生えてきてくれるように根からは収穫しません。
自然と密接な関係を持つアイヌ神話
出典:写真AC
アイヌ神話は全てが自然との関係性を持ち合わせています。一般のアイヌの人に伝わるアイヌ神話にしても、物語にしても何らかの自然の働きが伝えられます。例えばこのような話があります。
よく摩周湖で語られるカムイッシュ(神様の老婆)という湖の小島の話しもコタン同士の戦いの中、村長の子を抱いて逃れた老婆が大事な孫を見失い悲しみに暮れながら屈斜路湖のカムイに休ませてくれと頼んだが答えが返ってきませんでした。
次に摩周湖のカムイに問うと心行くまで休むが良いという答えが返り、そのまま1つの小島になったという事ですが、ここにも湖の神の力が描かれています。
このようにアイヌの人々の中で語り継がれてきたアイヌ神話や物語は今一度自然の力の偉大さと人として忘れがちな心をを現代の人々に教えてくれる手掛かりになるのかもしれません。
アイヌの神話について、こちらの本に更に詳しく記されています。
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