空手の型③和道流
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剣術と柔術を空手の技に加えたことで、より総合武道に近い道を進んでいるのが和道流です。剣術と柔術という日本伝統の古武道を空手に取り入れているために、空手の4大流派の中でも独特の位置にあると言えるでしょう。
全日本空手道連盟が指定する和道流の指定形は第一指定形は「鎮闘(チントウ)」と「セイシャン」、第二指定形が「公相君(クーシャンクー)」と「二十四歩(ニーセーシ)」となっています。
空手に剣術、柔術と言った武術を取り込んだことから好戦的ではないかと思われがちですが、争いより和の追求を目的とする和道流の鍛錬は、敬、愛、禮の3つの言葉を胸に刻みながら行われます。
空手の型④剛柔流
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空手の発祥の地である沖縄で空手の源流を追い求め、空手道三大系統の一つである「那覇手(なはて、ナーファディー)」を元に独自に編み出されて生まれたのが剛柔流です。
剛柔流の代表的な型は10種類ほど存在しますが、「三戦(サンチン)」という型は空手の技の習得には欠かすことのできない腹式呼吸や、体裁きの基本となる姿勢などに重点を置いた基本鍛錬を行う型とされています。
格闘技でありながら武道でもある空手は精神集中を指す「気」、精神集中を促す「息」、自分の体を完全にコントロールすることで技を実践できる「体」の鍛錬を欠かすことができません。剛柔流の上級者ほど基礎鍛錬の型である「三戦(サンチン)」を重要視していると言えます。
空手の修練方法である型
空手の修練として型と組手が存在します。対戦相手と対峙して行う組手は格闘技としての空手の魅力を遺憾なく発揮できる華やかなもので、空手大会で行われる組手の対戦は観客の目を釘付けにする迫力を持っています。
華やかな組手に対して型は、武道としての空手の修練方法だと言えます。組手のような華やかさはないものの、演武者の息遣いや気合い、繰り出される突きや蹴りが風を切る音など静かな迫力があると言えるでしょう。
空手の修練は柔軟や筋トレなどの基礎鍛錬の後に、幾つかの型を演武し基本通りに体を動かせているかを確認しながら行います。型は空手を習得するためには欠かすことができない鍛錬方法だと言えます。皆さんも是非空手の型で静かな迫力を感じてみてはいかがでしょうか。
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