古武道をご存知でしょうか。
古武道とは、日本に古くから現在に伝わる伝統的な武術です。明治時代よりも前の時代に確立された武術のことを指します。
柔道や剣道との違い
現在武道の中でもメジャーな柔道や剣道は、明治以降に確立された“勝敗”を決めることを目的としたもので、古武道ではなく、現代武道と呼ばれます。
古武道と現代武道の大きく異なる点は、古武道は勝負のない世界だということです。古武道は、“勝敗”を目的としない。護身や戦闘のための鍛錬を目的として行われています。
体験レポート│古武道体験
今回教えていただいたのは 『古武道 結(むすび)』の師範である谷代さんと女優業でもご活躍中の結井さん。師範の動きはさすがの格好よさ。それでいてユーモアのある方です。結井さんも凛としていて同じ女性として尊敬です。明るい笑顔で盛り上げてくださいました。
今回私が体験させてもらったのは、空手、杖術、剣術、居合と本当に盛りだくさん。
どれも初めての経験でとても心が躍ります。
まずは空手から体験
まずは空手の型。脇を締めて構えたところから素早く拳を返しながら急所を狙う。拳の人差し指と中指の部分で一気に突くと効果的らしい。回し蹴りも教えていただき、実際に師範が持つマットに受けていただきました。
あばらを狙って蹴る!これが本当に、本当に楽しかったです。恥ずかしながら血が騒ぎました。楽しすぎて目がキラッキラです。
さすがに実際に人に技をかけることはしませんが、もしも!危機が迫って戦闘する必要に迫られた時。使える。そう考えたらワクワクします。
警察官も学ぶ杖術を体験
お次は杖術。杖術とは木の棒(杖)を使う護身術。身近なところでは、警官が護身のために身につけているそうです。
杖術では自分から攻撃するのではなく、相手の攻撃に対し反応し防衛、そして反撃します。
剣を持った相手の攻撃を抑えて、逆にみぞおちを突く!
なんてクールなのでしょうか。
杖の構えは至って自然体。肩の力を入れず、棒先を自然に相手に向けた状態から始まります。そしてリラックスしながらも相手の動きを見極めて技をかける!自然にできるようになったらかっこいいですね。
今回は決まった動きで教えていただきましたが、杖を自在に扱うことはそう簡単ではありませんでした。杖術では杖を持つ位置を自在に変えることが、様々な技を繰り出すために大切なこと。これが意外と難しいんです。
いよいよ剣術を体験
まずは木刀を使って基本の構え、剣の振り方を教わりました。
相手の動きをかわして剣を操る。しっかりと剣を絞るように持つ、そして腰を落としながら体重移動する。結構な運動量で、練習していると暑くなってきました。
最後に師範との打ち合いのビデオを撮っていただき、自分のフォームを確認します。
つづいて本格的に着替えをして参戦です。
あれれれ、自分がイメージしていたよりも動きがぎこちない。
自分の体をイメージ通り動かすにはもっと訓練が必要でした。
剣をしまう動作も体験
剣(切れないもの)に持ち替えて剣を抜く動作、剣をしまう動作を練習。
師範に見本を見せていただいた後に、私たちもやってみました。
剣を抜くのもしまうのも思った以上に難しい。もしも真剣だったら今頃、私の手は切れています、、、
いよいよ居合切り!藁の束をズバッと!
少々緊張しながらも、真剣に持ち替えて本日最後のプログラムである居合切りをさせてもらいました。
真剣はずっしりとした重みで持つだけで緊張感が高まります。
本当に、何もしていないのに手に汗握る感じです。真剣の威厳みたいなものをひしひしと感じました。
剣を振るときに、ちゃんと腰を落として剣を手自分の手前で止めるようにコントロールしないと自分の足が、、切れます、、緊張。
師範の丁寧なサポート。
よっ!
バサッ!!
切れた時の爽快感は半端ではありません。
3回切るのを4セットくらいやらせていただいて、そのうちの何回かはうまく切れず途中で刃が藁に刺さって止まってしまいました。
刀が入る角度が少し違うだけで、全然切れないのです。
振り返ると、そういう時はいつも集中力が足りていなかったと思います。
「まだまだだぞ」
そう、刀に言われている気持ちになりました。
自分が自分の精神、体、そして刀に集中できたとき、やっと力が伝わる。
本当に奥が深い世界なんだろうなと思いました。
私は怖くて腰が引けてしまいましたが、、他の参加者の方は合気道経験者の方もいらっしゃってみなさん格好よくキマッていました。
最後は武道らしく正座で礼をして終了しました。
左手から地面につけるそうです。
結さんからハンカチのプレゼントもいただけました!先着15名様限定だそうです!
古武道体験で呼び覚まされた眠っていた感覚
今回、初めて古武道を体験してみて、日常生活では体験できない、意識を集中することや細部までこだわって体を動かすことが、とても楽しかったです。
日常の騒音の中で埋もれてしまっていた自分の感覚が、古武道を通して浮かび上がってきたような気がしました。
私は、型ではなく、木刀や刀を持つといきいきとしているという師範からのフィードバックを受けました。
凛とした雰囲気の中にも常にユーモアをもって教えていただいた師範や結井さんに感謝です!新しい世界と自分を知って、とても充実した1日を過ごすことができました。ありがとうございました!
文/中野あさひ