合気道の歴史・合気道の特徴・ルール
海外でも人気のある日本の武道に合気道があります。 合気道には技術ももちろん必要ですがですが、他の多くの武道とは違い力や技を使って相手を倒すという攻めの武術ではなく気を使って相手を制するというどちらかといえば受けの武術であるといえます。
その目的も技術的に強くなって相手を倒すという事ではなく、自らの心の鍛錬を行う事を目指しています。 合気道の歴史はまだ浅く、大正から昭和初期にかけて植芝盛平翁を開祖として創始されました。 柔道や剣術などの日本古来の武術を学んだ後、植芝塾道場を開設し当初は合気武術と称していました。
合気道の呼吸法
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合気道は「気」を使って相手を制する武道です。 「気」とは心身を統一するためのもので、合気道の動きの特徴である円の運動の中心である人間の体の重心からほとばしるものとされています。
この「気」の力を上手く発揮できるように鍛錬する方法として、呼吸法というものがあります。 この呼吸法は立って行う立技呼吸法と座って行う座技呼吸法があり、どちらも体の重心から始動します。
物理的にはまず腰を動かしますが、掴ませた相手を力で押したり投げたりするのではなく、相手の力を利用して相手を崩し制することを目標とします。 相手を崩すときには漢字の「十」をイメージします。自分の両手が「十」の横棒で相手の体か「十」の縦棒です。手だけを動かすのではなく体全体で「十」の文字を動かすイメージです。
合気道の技の種類
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合気道には固め技、投げ技、座り技、返し技、当身技などがあります。 固め技とは相手を抑えて制する関節技の一種で、一教から五教まであります。一教は次に続く二教から五教の基本となっており、順に稽古することになります。 投げ技にもいろいろな技の種類がありますが、どの技もその名の通り相手を投げる技の事です。
合気道には立技以外にも座った状態で行なう技があります。しかし、座技というのは体の動きが制限されるので実際にはあまり使われていません。 返し技とは相手が仕掛けてきた技を利用して技を掛け返す技です。
これらの技の中でも当身技は重視されており、簡単に言えば急所を突く技なのですが相手を傷つける事を目的としない合気道では、急所を防御しようとする反応を誘って相手の動きを制するための技です。
合気道の護身術
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合気道は女性でも始めやすい武道だと言われています。その理由として特別大きな肉体が必要なわけでもなく、力が必要なわけでもないというのが大きいのではないでしょうか。
また、合気道は必ずしも1対1を想定しているわけではなく1対多、あるいは武器を持った相手を想定した武道です。 ですから合気道の技の中には護身術として応用できるものがいくつもあります。
物騒な世の中になってきていますので、想定していないトラブルに巻き込まれたりした時に自分の身は自分で守れるように護身術としての合気道も注目されています。
合気道と柔道の違い
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合気道と同じような関節技(固め技)と投げ技の武道として柔道が挙げられます。 本来はどちらも総合武術であり、柔道は嘉納治五郎が柔術を元に競技としての講道館柔道を創りました。合気道も同じく古流柔術が基礎となっています。しかし、合気道は柔道にはない関節技や投げ技を主体とし、精神的な鍛練を中心にまとめられています。
また合気道には様々な流派があり、勝ち負けを争わない武道という理念を持っており、一部の流派を除いて試合が行われることはありません。試合をする流派も理念の違いから試合ルールが一本化されておらず、競技スポーツとして既に確立している柔道とは一線を画しています。
気の力を使う合気道
合気道は力と力のやり取りだけではなく、相手の力を利用して気の力で相手を制する武道です。 また、その理にかなった動きによって体の大きさに関係なく相手を制することが出来るために、護身術としても人気があり女性や年配の方にも始めやすい武道です。
基本的に試合をしない事から、体とともに精神を鍛えるために合気道を始める方も少なくないと言われています。 体を鍛えたい方もしっかり有酸素運動出来るので体のシェイプアップも出来ますし、自分のペースで鍛錬できるのも大きな魅力の一つです。
この機会に是非合気道を始めてみてはいかがでしょうか。