静かな迫力のある空手の型|知っておきたい空手の4大流派を紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

空手の型とは何か

空手は型と組手(くみて)を繰り返し鍛錬することで、技術を習得していく武道です。一人で行う演武である型は、空手の習得に欠かせない様々な要素が組み込まれています。型を繰り返し鍛錬することで突きや蹴りなどの動きや、間合い、体裁き、目配りなどが身に付くと考えられています。

数秒から数分の型を演武することは、目に見えない相手と数分から数秒の組手を行うのと同じ意味を持ち、空手大会などで披露される上級者の型の模範演武は観客の目にも対戦者の姿がありありと浮かぶほど完成度の高いものです。

非常に奥の深い空手の型は指導者の解釈や、流派の特色によって動作が改変され4大流派と呼ばれる松濤館流、糸東流、和道流、剛柔流の各流派によって同じ名称の型でも内容が異なります。

琉球起源、空手の型の歴史


出典:写真AC

空手の起源には諸説ありますが、一般的には琉球(現在の沖縄)に端を発すると考えられています。琉球王国時代に沖縄の券法、中国武術、日本の古武術が融合し琉球空手が誕生しました。

当時の琉球王国には数多く流派が存在したものの、多くは首里手(しゅりて、スイディー)、泊手(とまりて、トマイディー)、那覇手(なはて、ナーファディー)の3つの流派に統合され空手道三大系統と呼ばれるものに成長します。

空手の修練方法である型は、場所や時間を選ばず行うことができることから非常に有効的な修練方法として発生し、各流派の奥義に合わせて成長したと考えられています。

琉球を離れ日本国内で成長した空手は再び多くの流派を生みますが、かつて琉球で空手道三大系統が生まれたように、4大流派が誕生し各流派の流儀に沿った型の改変や独自の型の開発が行われました。現在全日本空手道連盟は各流派に指定型を設定し、空手大会の型の部ではそれが演武されます。

空手の型①松濤館流


出典:写真AC

80年以上にも及ぶ歴史を持つ空手の流派が松濤館流です。正統派空手と高い評価を受ける松濤館流の空手を代表する型と言われているのは「慈恩(じおん)」ですが、全日本空手道連盟が指定する松濤館流の指定型は約20数種類存在します。

代表的な第一指定形は「観空大(カンクウダイ)」や既述した「慈恩(ジオン)」があり、第二指定形は「観空小(カンクウショウ)」や「燕飛(エンピ)」が挙げられます。 これらの型を長年繰り返し鍛錬することで、いつか正統派空手と呼ばれる松濤館流の奥義に到達する日が来ると門下生たちは日々型の鍛錬に励んでいます。

空手の型②糸東流


出典:写真AC

空手の起源と考えられている琉球空手の空手道三大系統と呼ばれるのが首里手(しゅりて、スイディー)、泊手(とまりて、トマイディー)、那覇手(なはて、ナーファディー)の流派です。糸東流はベーシックな技術を首里手に求め、さらに那覇手を取り入れ融合させて作られました。

空手の特徴である突きと蹴りに投げ技などを取り込んでいる糸東流は、型の数の多い流派としても知られています。全日本空手道連盟が指定する糸東流の指定形は第一指定形が「抜塞大(バッサイダイ)」、「征遠鎮(セイエンチン)」、第二指定形が「松村ローハイ」、「二十八歩(ニーハイポ)」とされています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するキーワードから探す