越前ガニの美味しい食べ方|歴史や種類、美味しさの秘密まで

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越前ガニの種類①

越前ガニ


出典:写真AC

「越前ガニ」とは、福井県で獲れたズワイガニのオスのみ名乗ることを許された呼称です。 大きさは40cm~50cmで、大きな甲羅、長い脚、甘く引き締まった身とたっぷりのカニ味噌が特徴です。

資源保護のため、甲羅の幅が9cm以上に育ったもののしか漁獲してはならないと決められており、立派でしっかりとした身を味わうことができます。 越前ガニと称して流通する県外のカニや外国産のものと区別するため、はさみの根本には黄色いブランドタグをつけてあります。

さらに、甲羅幅14.5cm以上、重さ1.3kg以上、爪の幅3cm以上のものを、越前町では「越前がに極(きわみ)」と称し、専用の越前焼で作られたメダルを付け区別しています。 この規準をクリアする個体は全水揚量の約0.5パーセント以下であり、とても貴重とされています。

2017年11月6日の初競りでは1匹46万円という最高値で落札されたこともあり、まさに最高級の越前ガニといえるでしょう。 良い越前ガニを見分けるには、甲羅に艶があって光沢があり、爪が大きいものが良いといわれています。

あとポイントになるのが、甲羅の部分についている丸くて小さな黒い粒。 これはカニビルというヒルの卵です。 カニビルは魚の血を餌としており、産卵の時にだけカニの甲羅を使うため、ヒルがついているからといってカニ自体には問題はありません。

むしろカニビルがついているカニは、成長のための脱皮からある程度時間が経っていることを示しており、たっぷりとよく詰まった身が育っている場合もあります。 ヒルと聞くと嫌煙しがちになるかもしれませんが、ポイントとして覚えておきましょう。

越前ガニの種類②

せいこがに

「せいこがに」とは、福井県で獲れた越前ガニのメスのことを指します。 大きさは幅が25cmほどです。 オスよりも小ぶりで価格もリーズナブルですが、ぎっしりと詰まったカニ味噌は至極の 逸品です。越前ガニよりせいこがにが好き、という声も少なくはないそう。

また、せいこがにを味わうのに決して忘れてはいけないのが、が内子(うちこ)と外子(そとこ)になります。 外子とは腹に抱えている受精卵のことで、鮮やかなオレンジ色をしていてプチプチとした食感が楽しめます。

腹をめくると現れるのが卵巣である内子(うちこ)で、別名「赤いダイヤ」とも賞賛され食通には堪らない珍味です。 資源保護のため、漁期は毎年11月6日~12月31日の2か月間のみとオスより短く設定されているため、注意が必要です。

越前ガニの種類③

ズボガニ

越前ガニは脱皮を繰り返しながら大きく成長していく生き物ですが、脱皮したての若い個体を福井県では「ズボガニ」(水ガニ)と呼びます。 まだ柔らかい甲羅と水分が多い身が特徴で、殻から身を引き抜く際にズボッと容易に抜けるさまからズボガニという呼び名が付いたといわれています。

茹でた際に流れ出てしまうため味噌は少なく、脚と肩の身を味わうのが特徴です。 ジューシーで取り外しやすい身は子供にも食べやすくたくさんの人に好まれますが、傷みやすく保存が効かないため県外に出回ることが少ないです。 漁期は毎年2月19日~3月20日と短いため、現地で出会えたら是非堪能したい逸品です。

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