【秋田県で愛される魚醤】しょっつるの作り方や料理のレシピ

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しょっつるとは

出典:写真AC

「しょっつる」とは、秋田県で作られる魚醤のことを指します。 「しょっつる」は、魚介類に食塩を加えることで、カビや腐敗を抑制しつつ、魚介類の持つ自己消化酵素の作用することで生まれる調味料です。その主成分は、魚介類のタンパク質が分解したアミノ酸で,濃厚な旨味と独特な風味が特徴です。

「しょっつる」の歴史は古く、江戸時代の中期には、秋田地方の漁師が、魚が大量に取れた際に保存食として「しょっつる」を製造していたという記録があります。「しょっつる」の製造所は、現在では10社ほどしか残っておらず、製造量は年間50 トン程度で、そのほとんどが秋田県内で消費されています。

「しょっつる」に関する明確な定義や規格は現在のところ存在していません。ただ、現在では、秋田県で製造される魚醤のみ「しょっつる」と名乗ることが許されています。

しょっつるの原料と作り方


出典:写真AC

「しょっつる」の原料は、秋田県沖でとれたイワシやハタハタが主原料です。使用される原料魚介類は、旧来は、イワシなどの小魚が中心でした。ただ、ハタハタが豊漁だった時代にはハタハタが多く使用されていました。

ハタハタの漁獲量が激減した時期ではハタハタ以外の小魚などが主に使用していましたが、現在では、ハタハタ資源の順調な回復により,ハタハタを使用する製造所も多くなっています。ただ、それでもハタハタから作られる「しょっつる」はとても貴重なものとなっています。

「しょっつる」の製造方法としては、まず、原料魚の頭部と内臓、尾などを取り除き、30~40%ほどの食塩を直接まぶします。塩漬けになった魚を樽に詰めたあと、常温で1年~2年間漬けこみ、自己消化酵素作用によりタンパク質の分解を進めます。

最終過程として、骨など分解されなかった固形物を取り除き、最後に、沸騰させて10分程度加熱します。加熱後の液体を冷却し、浮いた油脂分を除去してからろ過して、ビン詰めを行います。

しょっつるの使い方

「しょっつる」の利用方法としては、何といっても「しょっつる鍋」ですね。「しょっつる鍋」については、次の項目で説明します。秋田では、「しょっつる」を使ったラーメンや焼きそば(男鹿焼きそば)が多く見受けられます。

「しょっつる」を使ったラーメンは、スープがとてもあっさりしていて、とても上品な味がします。魚臭さは一切感じません。秋田県男鹿市では、「男鹿焼きそば」がご当地グルメとして有名です。「男鹿焼きそば」の定義として、

1.タレは、ハタハタしょっつるをベースとして、塩味かしょうゆ味にすること 

2.麺は粉末ワカメと昆布ダシ入りの特製麺を使うこと 

3.具材に肉を使わない海鮮焼きそばであること

上記の3つが求められます。

「しょっつる」は、魚醤として、タイのナンプラーやベトナムのニョクナムと同じようなカテゴリーにあるため、タイ料理などの南アジア料理にもとても合います。

また、中華料理では、タイやハタの蒸し料理の調味料として、洋食では、ポトフに「しょっつる」を数滴加えるだけで味が広がりますので、その用途は、和食に限らず万能調味料といえます。

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