熊本の郷土料理④
一文字のぐるぐる
「一文字のぐるぐる」は、「ひともじ」をグルグルと巻き付けたものです。この「ひともじ」というのは「ひともじ」という名前のワケギです。それを1本1本巻き付けていくので、そういったユニークな名前がついています。ワケギの根元の芯の部分に葉を巻き付けていきますが、巻き付けた葉が取れないように硬く結びつけるのが特徴です。
辛子味噌や酢味噌をつけて食べるのが一般的で、食事の一品として、お酒のアテとしても人気がある郷土料理です。熊本のお店や料理屋では年中でてくることもありますが、「ひともじ」は3月と11月に収穫できることから、季節を感じることができる料理です。1本1本をギュッと巻いているので噛むとワケギの味がしっかりと口の中で広がり、一度食べるとクセになる独特の風味があります。
熊本の郷土料理⑤
山うにとうふ
「やまうに豆腐」は、豆腐を味噌でつけた郷土料理です。半年から1年ほど味噌で漬け込んでいるのでウニのようなトロトロの触感になることからこの名前がついています。風味も味噌がしっかりしみ込んでいてウニのような濃厚な味がし、「チーズに似ている」ともいわれています。作る過程でしっかりと熟成して裏ごししているので、口あたりもとても優しいのが特徴です。
そのまま食べても美味しいですし、お酒のアテとしても親しまれています。熊本県内には「やまうに豆腐専門店」もあり、野菜に添えたりパンにつけて食べたりなど、万能であることからも幅広く楽しむことができます。
子供から大人までが楽しめる郷土料理としても人気ですが、観光客が買っていくお土産としても人気が高くなっています。
熊本の郷土料理⑥
ひこずり
「ひこずり」は、味噌で野菜を炒めた料理全般のことです。野菜はタケノコやカボチャ、ナスなどが使われることが多いです。家庭によって入れる調味料は若干違いますが、味噌にダシやみりんなどを混ぜることが一般的です。具材や調味料を入れ、野菜がしんなりするまで炒めれば完成です。
この名前がついた理由はハッキリしていないのですが、一説では「鍋で引きずったように炒める」ことからこのネーミングとなったのではといわれています。野菜に味噌の味がしっかりしみ込んでいるので、ご飯のおかずとなる一品として熊本ではよく食卓にあがる郷土料理です。
夏は口当たりをサッパリさせるためにニガウリやミョウガを使うこともあるなど味のバリエーションも楽しむことができます。アレンジもしやすいので自分の好みの具材を加えることもできる郷土料理です。
熊本の郷土料理⑦
高菜飯
出典:写真AC
「高菜飯」は、熊本でよく食べられる郷土料理です。細かくした高菜漬けをフライパンで炒め、炒り卵やゴマ、ご飯を混ぜていきます。高菜飯に近い料理として「高菜チャーハン」がありますが、チャーハンとの違いは「ご飯を炒めないこと」です。あくまでご飯は炒めず、炒めた具材と混ぜて仕上げていくのが特徴です。
調味料は塩や醤油などが使われることが多いですが、家庭やお店によっても若干の違いがあります。年中食卓にあがる郷土料理で、ピリッと辛みのある高菜と卵のまろやかさがとてもバランスよい美味しいご飯です。
郷土料理を扱っているお店にはよくおいてあり、お店でも家庭でも楽しめる一品となっています。